水分が1%減っただけで、重さが半分になる!?そう聞くと思わず、そんなバカなと思ってしまいますよね。
しかし、実際に数学の世界で有名な「じゃがいもパラドックス」、誰もが一度は直感で間違えてしまう、不思議な数字のトリックがあるのです。
今回は、このパラドックスの仕組みを紹介します。
100kgのじゃがいもが一晩で50kgに?
ある男が、100kgのじゃがいもを家に持ち帰りました。
とてもみずみずしく、水分が全体の99%を占めています。
そこで男は、じゃがいもを一晩外に干して乾燥、翌朝じゃがいもを量ると、水分は98%に減っていました。
水分が1%減っただけだから、99kgになったかな?と誰もが思うかもしれません。
しかし、答えはなんと50kg、一晩で半分の重さになっていたのです。
この意外すぎる結果が「じゃがいもパラドックス」と呼ばれる理由です。
なぜ水分1%減で半分になるのか?
最初に整理しておきましょう。
最初の状態では全体100kgのうち、水分が99kg、固形分が1kgです。
つまり固形分は全体の1%ということになります。
ところが、一晩経って水分が98%になったというのは、言い換えれば、固形分が2%になったということです。
ここで大事なのは、固形分は蒸発しないという点です。
つまり1kgのまま変わりません。
その1kgが全体の2%になるには、全体の重さを1 ÷ 0.02 = 50kgにする必要があります。
つまり、水分が50kg蒸発し、最終的には固形分1kg+水分49kg=50kgという構成になるのです。
1%という数字の小さな変化に見えて、実は割合で見ると固形分が「倍」になっているため、全体の重さが半分になるというわけです。
直感のワナが数学をおもしろくする
このじゃがいも問題の本質は、「人間の直感がいかに比率に弱いか」という点にあります。
私たちは「1%減る=少しだけ減る」と考えがちですが、実際には「全体に対する割合」が変わることで、結果が大きく異なってくるのです。
例えばダイエットや統計の数字も同じで、「◯%減少」という言葉に惑わされると、実際の量を誤解してしまうことがあります。
こうした比率の錯覚は、数学を遠ざけてしまう理由のひとつでもありますが、同時に「数字の裏にある仕組みを理解するおもしろさ」でもあります。
じゃがいもパラドックスは、学校の授業だけでなく、日常生活の数字の見方を変えてくれるヒントになるでしょう。
まとめ
たった1%の水分変化で重さが半分になるという「じゃがいもパラドックス」、その理由は、固形分の割合が2倍になるという、見かけ以上の変化にあります。
数学は難しいと感じる人も多いですが、このようなパラドックスは、直感と論理のズレを楽しむ絶好の題材です。
数字の奥に潜む意外な真実を知ることで、世界の見え方が少し変わるかもしれませんね。
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