かつて大人気だった「ドクターフィッシュ」、足を入れると古い角質を食べてくれる癒しの魚として、2000年代後半に大ブームを巻き起こしました。
しかし現在では、ほとんど見かけなくなっています…なぜあれほど流行したサービスは消えてしまったのでしょうか?
ドクターフィッシュ、癒しの魚として広がったブームの裏側
ドクターフィッシュ(ガラ・ルファ)は、もともとトルコの温泉地に生息する魚で、餌が少ない過酷な環境の中で、人間の古い皮膚を食べることで生き延びてきました。
しかしこの特性が、美容やリラクゼーションとして注目され、世界中で商業化されます。
水槽に足を入れるだけで角質が取れ、肌がツルツルになるという体験は話題を呼び、日本でも一気にブームが拡大します。
一方で、その裏側では見過ごせない問題も存在していたのです。
魚が人の足にしっかり反応するよう、あえて空腹状態に保たれていたという指摘や、コスト削減のために本来とは異なる魚が混在し、利用者がケガをするケースもあったといわれています。
さらに深刻だったのが衛生面で、同じ水槽を複数人で使い回す構造上、感染症リスクが常に伴い、水温の高い環境は雑菌が繁殖しやすい状態になり、こうした問題からアメリカでは一部の州で全面禁止となるなど、社会問題へと発展していきます。
なぜ日本では消えていったのか?
日本では法的に全面禁止されることはありませんでしたが、結果的にドクターフィッシュは静かに消える形となりました。
その理由の一つが、ビジネスとしての限界です。
水温を維持するための電気代や、水質を保つためのろ過装置・水の交換、さらには魚の補充コストなど、運営には多額の費用がかかります。
料金を1000円〜2000円に設定しても採算が取れず、赤字に悩む店舗が続出、次第に撤退する施設が増えていきました。
また、不衛生ではないか?というイメージが広がったことも大きな要因で、一度こうした印象がつくと客足は遠のき、ブームが去った後は維持が困難になります。
さらに、日焼け止めや皮脂などの影響で弱ってしまうケースや、ストレスによる短命化など、生き物としての扱いに疑問の声も上がるようになりました。
こうして、ドクターフィッシュは徐々に姿を消していったのです。
まとめ
ドクターフィッシュが消えた理由は、衛生問題やコストの高さといった現実的な要因に加え、人間が生き物を都合のいい存在として扱ってきた側面も大きく影響しています。
何気なく楽しんでいたサービスでも、その裏側にはさまざまな問題や犠牲が存在しています。
どこかでドクターフィッシュを見かけることがあれば、その背景にある現実にも少し目を向けてみることが大切なのかもしれませんね。
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