神風特攻隊と聞くと、命を捧げた若者たちの姿が浮かびます。
しかし、彼らの手紙や遺書には、家族や恋人を思う気持ち、そして戦争への葛藤が綴られています。
彼らは何を考え、どのような決意で特攻に臨んだのでしょうか?
今回は、特攻隊員たちの本当の想いに迫り、現代を生きる私たちに伝えたいメッセージを考えます。
神風特攻隊
第二次世界大戦中、大日本帝国海軍は特攻隊という自爆攻撃部隊を編成しました。
特攻隊員の選抜は、大西瀧治郎中将が軍令部に航空特攻の開始を進言した際に総長の及川より「あくまでも本人の自由意志に基づいてやってください。決して命令はしてくださるな」と念を押されたように、原則は本人の志願に基づくものとされていたとする意見もあります。
一方で、最初の神風特攻隊「敷島隊」の指揮官となった関の志願を命令に近い打診だったと考え、初めから志願者のみという原則は徹底されていなかったとする意見もあり、志願にあたっては「親一人、子一人の者」「長男」「妻子のある者」を除外することとしていたが、これも徹底はされていませんでした。
特攻隊員たちは、敵艦に体当たり攻撃を行うために、命を捧げました。
しかし、その背後には家族や恋人への愛、国を守るための強い決意、そして戦争に対する複雑な感情が隠されています。
特攻隊員たちの手紙や遺書を読むと、彼らが単なる無謀な兵士ではなかったことがわかります。
多くの隊員が母親への感謝や家族の幸せを願う言葉を綴っています。
例えば、ある隊員は「母さん、今までありがとう。僕は国を守るために行きますが、どうか健康で長生きしてください」と書いていました。
また、特攻隊員たちは自分たちが果たすべき使命に対しても真剣に向き合っていました。
彼らは自らの命を捧げることで、国を守り、未来の世代に平和をもたらそうと考えていました。
特攻前夜、ある隊員は「自分の命が国のためになるなら、それで満足です」と書き残しています。
彼らの言葉からは、自己犠牲の精神と国を愛する強い決意が感じられます。
しかし、特攻隊員たちの心には常に葛藤がありました。
彼らは戦争の悲惨さを理解しつつも、自らの使命に忠実であろうとしました。
ある隊員は「戦争は嫌だけど、これが自分に課せられた運命だと思う」と記しています。
彼らは戦争の無意味さを知りながらも、自分たちの行動が国を救う一助になると信じていました。
■ 特攻隊員の遺書
- 決戦、将に血走る。御両親様には多忙なるお仕事にご懸命のこととご推察申上げます。軍務多忙の折、筆を取る暇なく、お許し下され度。啓志は今朝、特攻の命下り皇運扶翼のため、喜んで今、轟然と唸る愛機に搭乗致します。
―海軍二飛曹 平間啓志 - 空の守りを目指せる同期生より真先に選ばれし身の光栄を喜んでください。必ずや一族の名誉のため一生懸命に頑張ります。万朶の桜と時を同じく散って行くのもまた最も本懐とする所であります。皇国の千代に八千代に、莞爾として行きます。
―海軍少候 福田茂生 - 死せずとも勝つ術あらんと考ふるは常人の浅はかなる思慮にして、必ず死すと定まりて、それにて全軍敵に総体当りを行ひ、尚且つ、現戦局の勝敗は神のみぞ知り給ふ。真に国難といふべきなり。
―陸軍大尉 渋谷健一 - 父上様、母上様
西条の母上には幼時より御苦労ばかりおかけ致し、不幸の段、お許し下さいませ。今回帝國勝敗の岐路に立ち、身を以て君恩に報ずる覚悟です。武人の本懐此れにすぐることはありません。
―海軍大尉 関行男 - 君の悲願でぬりつぶされた手紙入手。只、暗涙を呑むばかりだ。然し任務は遂行せねばならぬのだ。許せ、お互いに苦しいけれど、二人で耐えようではないか。
―陸軍少尉 林義則
現代を生きる私たちにとって、特攻隊員たちの言葉は非常に重いものです。
彼らが命を懸けて守ろうとしたものを、私たちも大切にしなければなりません。
■ 現代の声
- 全ての特攻隊員が国や天皇陛下のためだけに働いたのでは無く、馬鹿げた作戦と言う事は彼らも承知した上で、ただ、身近な親族を守りたいと言う信念だけで戦っていたのだと思います。日本人としては、彼らのおかげで今の日本があるのだと感謝しかありません。
- 知覧の平和会館は何度行っても泣いてしまいます。自分の子供より若い子が亡くなっていると思うと、ほんとに胸が苦しくなります。
- 次の人生では平和な時代で長生きしてください。皆さんのおかげで今の日本は平和です。ありがとうございます。
- 彼らが生きたかった明日という日に、我々は生きています。特攻に限らず、先の英霊達にただただ感謝。
- 20歳の時知覧に行き若者達の想いを知り、50歳での知覧では送り出す親の想いを知る事が出来ました、二度と戦争があってはならない、今の日本は何処へ向かっているのだろう
- 日本人として死ぬまでに一度知覧に行きたいです。こんな大事な歴史を義務教育では教えない今の日本が情けない。
- 特攻隊員たちには感謝しかありません。日本人として彼らに恥じない生き方をしたいです。
- 彼らが家族を愛し、国を守るために命を捧げたことを忘れず、平和の大切さを改めて考えましょう。
家族や友人、そして自分自身の生き方を見つめ直し、彼らに恥じない生き方を心がけたいものです。
特攻隊員たちの手紙や遺書を通じて、私たちは彼らの本当の想いに触れることができます。
まとめ
神風特攻隊の隊員たちの言葉には、家族や恋人への愛、国を守る決意、そして戦争に対する葛藤が隠されていました。
彼らの犠牲を無駄にせず、私たちも平和のために努力することが大切です。
彼らに恥じない生き方を心がけ、未来の世代に平和な世界を残しましょう。
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