毎日何時間もスマートフォンを使っているのに、「夢の中でスマホを操作した記憶がない」と感じる人は意外と多いものです。
実はこれには、脳の働きや夢のメカニズムが深く関係しています。
今回は、スマホが夢に登場しにくい理由を、心理学的・脳科学的な観点からわかりやすく紹介していきます。
スマホ操作は無意識の行動だから夢に採用されにくい
夢は、脳が睡眠中に日中の記憶や感情を整理するプロセスの中で生まれると考えられています。
そのため、強く印象に残った出来事や感情が大きく動いた体験が夢として再生されやすい傾向があります。
一方で、毎日繰り返す動作や、ほぼ無意識にできる行為は脳に強い記憶として残りにくく、夢の素材として優先度が低くなります。
スマホ操作は、あまりにも日常的で自動的に行われているため、脳は「特別な出来事」と判断しません。
まさにこの無意識化された行動の代表なんです。
夢に登場するのは感情のピークがある出来事
夢に何が出てくるかは、どれだけ感情を揺さぶられたか?が、大きな鍵になります。
追いかけられる、落ちる、怒られるなど、強烈な感情が伴う場面が夢に出やすいのはこのためです。
スマホ操作は、感情の起伏が小さく、脳にとって刺激が弱い出来事です。
そのため、夢にするほどの価値はないと判断され、夢の素材として扱われにくくなります。
ただし、「大事な相手と連絡が取れない」「SNSでトラブルが起きる夢」など、感情が大きく動くシーンではスマホが夢に登場することもあります。
つまり、スマホが夢に出ないのではなく、感情が動かないスマホ操作が夢になりにくい、という方が正しいでしょう。
まとめ
スマートフォンは、私たちの日常の一部どころか体の拡張と言われるほど生活に入り込んでいます。
生活・仕事・娯楽のほとんどがスマホを前提に動いているため、脳にとっては空気のように当たり前の存在です。
夢は感情のピークがある体験ほど再生されやすいため、感情の起伏が少ないスマホ操作は夢の素材として優先度が下がります。
そのため、スマホは現実では最も使う道具でありながら、夢の中ではもっとも登場しにくい存在になっているのです。
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