刑務所からの脱獄なんて、映画やドラマだけの話でしょ?と思いがちですよね…。
実際、世界には、そんなフィクション顔負けの脱獄劇をリアルにやってのけた人物が存在します。
中でも伝説的な脱獄囚、フランク・モリスとホアキン・グスマンのケースは、一度知ったら忘れられないほど衝撃的です。
彼らがどのようにして厳重な警備をくぐり抜け、脱獄したのか、その手口を見ていきましょう。
フランク・モリス
フランク・モリスは、アメリカの有名な刑務所「アルカトラズ島」からの脱獄で一躍伝説になりました。
アルカトラズは「脱出不可能」とされており、その厳重な警備体制と立地のため、ここからの脱獄は夢物語のように思われていました。
しかし、1962年、モリスは囚人仲間のジョンとクラレンス・アングリン兄弟と共に、その不可能を可能にしたのです。
彼らは、何ヶ月にもわたる綿密な計画を立て、スプーンや仕事場から穴を掘る道具を盗み、壁に穴を開け、通気ダクトを通って刑務所の屋上までたどり着きました。
1962年6月11日の夜、3人はベッドに用意しておいた人形を配置し、掘った穴から脱出し、闇の中へと消えていったのです。
さらに、海を渡るための自作のボートを製作し、ついに脱出を成功させたのです。
その後、彼らの行方は一切不明となり、FBIの捜査でも彼らを見つけることはできませんでした。
この脱獄劇は「アルカトラズからの脱出」という映画にもなり、今でも語り継がれる伝説です。
彼のケースは、「不可能を可能にする」というテーマの象徴であり、現代でも彼の逃走劇を追い続ける人々がいます。
ホアキン・グスマン
メキシコの麻薬カルテルの王「エル・チャポ」ことホアキン・グスマンは、その大胆不敵な脱獄で世界中を驚かせました。
彼は、麻薬密売で得た莫大な富と影響力を駆使し、少なくとも2回にわたって脱獄を成功させていますが、特に有名なのは2015年の事件です。
このとき、グスマンは厳重なセキュリティが施されたメキシコのアルティプラノ刑務所に収監されていました。
しかし、彼の手下たちは、刑務所から約1.5キロメートルにわたる地下トンネルを掘り進め、そのトンネルを使ってグスマンを逃亡させました。
このトンネルには照明や換気システムが備わっており、まるで映画のような完璧な逃亡計画が実行されたのです。
グスマンは脱獄後も、数ヶ月にわたって姿を隠し続け、再びその勢力を拡大しようとしましたが、2016年に再逮捕され、今度はアメリカへ引き渡されました。
グスマンの身柄が確保される際は、密売組織のメンバーと銃撃戦なり、組織メンバー5人が射殺されました。
彼の大胆さと組織力を駆使した脱獄は、まさに「麻薬王」の名にふさわしいものであり、世界中に彼の名を刻み込みました。
まとめ
脱獄は決して許される行為ではありませんが、そのドラマ性や緻密さから、今もなお世界中で語り継がれる伝説となっています。
映画やドラマの中だけでなく、実際に存在するこうした「リアルプリズンブレイク」は、私たちに驚きと興奮を与え続けているのです。
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)