アニメ業界にはさまざまな大人の事情が絡んで、残念ながら途中で放送中止になったり、最悪の場合お蔵入りしてしまった作品があるんです。
今回はその中でも、特に有名な4作品をご紹介します。
放送禁止になったアニメ4選
炎炎ノ消防隊
近年大ヒットを飛ばしたダークファンタジーアニメ「炎炎ノ消防隊」は、消防士とSFを融合させた独特の世界観で、多くのファンを魅了してきたこの作品ですが、ある事件が原因で一部のエピソードが放送中止になりました。
2019年に発生した京都アニメーション放火事件が、この放送中止の背景にあります。
第3話の放送直前にこの痛ましい事件が起こり、放火に関連する内容を含むエピソードを放送することが、視聴者や遺族への配慮として見送られたのです。
もちろん、作品自体が事件に直接関係していたわけではありませんが、放火というテーマを扱うアニメだったため、制作サイドは非常に慎重な判断を下しました。
その結果、一時的に放送が中止され、内容の一部が変更された後に再放送されることになりました。
このように、リアルな社会事件がアニメの放送に影響を与えることがあるという点で、「炎炎ノ消防隊」の事例は、アニメ業界における配慮の難しさを象徴しています。
浦安鉄筋家族
ギャグアニメの名作「浦安鉄筋家族」は、子供から大人まで楽しめるシュールで破天荒なギャグが特徴のこの作品も、ある理由から一部エピソードがお蔵入りとなっています。
その理由は、1998年に発生した和歌山毒物カレー事件です。
この事件は、日本全国に衝撃を与え、当時カレーライスという料理そのもののイメージが非常に悪化していました。
そんな中、「浦安鉄筋家族」の第27話「走れスジャータ」という回では、カレーライスが登場するストーリーが含まれていたため、放送が見送られることになったのです。
このエピソードは後に映像ソフト化された際に収録されましたが、当時の社会情勢を反映した放送中止の判断が話題となりました。
ギャグアニメでさえ、社会的な配慮が必要になるということを改めて感じさせる事例です。
らんま1/2
80年代後半から90年代にかけて一世を風靡した人気アニメ「らんま1/2」です。
この作品は、武闘派の高校生「乱馬」が水を浴びると女性に、お湯を浴びると男性に戻るというユニークな設定で多くのファンを惹きつけました。
しかし、こちらもある事件が原因で一部のエピソードが放送中止となっています。
その原因となったのは、東京・埼玉連続幼女誘拐事件。
原作の14話目にあたる「さらわれたピーちゃん 奪われたらんま」というエピソードが、誘拐事件との関連を懸念して放送を見送られたのです。
代わりに、急遽オリジナルのエピソードが制作され、放送されたという経緯があります。
このような形で、社会情勢や事件の影響を受けることがあるアニメ制作の難しさが浮き彫りになった事例といえるでしょう。
七星のスバル
MMORPGをテーマにしたアニメ「七星のスバル」は、ライトノベルを原作とし、2018年に放送されたこの作品、ファンタジー世界で伝説と呼ばれたパーティが再び集結するというワクワクする展開で多くの視聴者を魅了しました。
しかし、この作品は非常に残念な形で中途半端なところで終了してしまいます。
原因となったのは、TBSのプロデューサーによる少女誘拐事件。
この事件が発覚した後、プロデューサーの名前がクレジットから消され、さらに2期の制作が見送られるという結果に。
せっかくの人気作品でしたが、このスキャンダルによって続編の制作が非常に厳しくなり、未完のまま物語が終わってしまいました。
アニメ制作において、関係者の不祥事が作品そのものに大きな影響を与えることがあるという非常に痛ましい例といえるでしょう。
まとめ
紹介した4作品は、いずれも社会的な事件や問題に巻き込まれた形で、お蔵入りや放送中止に追い込まれてしまいました。
こうした「大人の事情」によって、作品が日の目を見なくなることは、制作陣やファンにとって非常に悔しい出来事です。
しかし、時折こうした問題が表面化することで、改めてアニメという媒体が社会に与える影響の大きさを感じさせられます。
今回取り上げた作品は、いずれも後に何らかの形で再配信されたり、映像ソフトに収録されたりしていますが、完全に消え去ったものも少なくありません。
アニメは時代とともに進化し続けていますが、社会情勢や事件に左右されることも多く、その背景には複雑な事情があることを忘れてはならないでしょう。
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