「青い湖」といえば美しい自然の象徴。
しかし、世界にはその常識を覆す、まるで絵の具をぶちまけたかのような色をした湖が存在します。
ピンク色、真っ赤な湖、そして信じられないほどの鮮やかな景色…。
今回は、世界で最も不思議で印象的な3つの色の湖を紹介します。
ヒリアー湖(オーストラリア)
オーストラリアのミドルアイランドに位置するヒリアー湖。
その特徴は何といっても鮮やかなピンク色。
この不思議な色の正体は、湖水に生息する微生物が関係しています。
主な原因は、塩分耐性が強い藻類「ドナリエラ・サリナ」と呼ばれる微生物。
この藻類は強い日差しの下で赤いカロテノイド色素を生成し、湖全体をピンク色に染めるのです。
周囲の白い塩の結晶や深い青の海とのコントラストが、さらにその色を際立たせます。
驚くべきことに、この湖の水を瓶に汲んでもピンク色のまま。
まるで魔法のような光景が広がります。
観光地としても人気ですが、自然保護のため立ち入りが制限されています。
空から眺める遊覧飛行が最もおすすめの観光方法です。
ナトロン湖(タンザニア)
アフリカ・タンザニア北部に位置するナトロン湖は、赤やオレンジ色に染まる湖として知られています。
この色の原因は、湖の塩分濃度とアルカリ性の高さ。
そして、特定の塩分耐性バクテリアや藻類が、赤い色素を生成することで湖全体がこの鮮やかな色になるのです。
ナトロン湖はその独特な美しさだけでなく、「石化湖」としての一面も注目されています。
湖のpH値は約10以上にも達し、生物が触れるとその塩分で固まるような状態になることがあります。
これにより、湖に迷い込んだ動物が石のように保存されることも。まるで現実とは思えない光景が広がっています。
しかし、フラミンゴにとっては天国のような場所。
彼らは湖の塩分を避けるための生態系を活用し、安全に巣作りをしています。
その結果、この湖はフラミンゴの一大繁殖地としても有名です。
ラグナ・コロラダ(ボリビア)
南米ボリビアのアンデス山脈に位置するラグナ・コロラダは、真っ赤な湖として知られています。
その色の理由は、ナトロン湖と同様に藻類や鉱物が作り出す赤い色素です。
湖の表面は強い赤色を呈していますが、風や日光の角度によって微妙に変化します。
また、この湖のもう一つの特徴は、その周辺に生息するフラミンゴです。
特にアンデスフラミンゴが見られる場所としても有名で、赤い湖とピンクのフラミンゴが織りなす景色は、息を呑むほどの美しさです。
標高約4,300メートルの高地にあり、訪れるだけでも冒険感たっぷり。
湖の赤い色と周囲の白い鉱物質の地面、青い空とのコントラストが、幻想的な風景を生み出します。
まとめ
自然の力が作り出した不思議な色の湖、いかがでしたか?
これらの湖は単に美しいだけでなく、その色の背後には興味深い科学や生態系が隠されています。
世界はまだまだ私たちの想像を超える場所で満ちています。
いつかこれらの湖を訪れて、その神秘を肌で感じてみてはいかがでしょうか?
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