皆さんは、かつて日本各地で「当たり前」とされていた独自の交通ルールが存在していたことをご存知でしょうか?
これらのローカルルールは、現在では非常識とされるものばかり…。
今回は、かつて当たり前だった!?3つのご当地交通ルールを紹介します。
都市伝説級!?ご当地交通ルール3選
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名古屋走り
「名古屋走り」とは、愛知県名古屋市およびその周辺地域で見られた独特の運転マナーを指します。
名古屋は全国的に見ても自動車の利用率が高く、車社会としての文化が根付いています。
そのため、他の地域と比べても「早く進みたい」「スムーズに走りたい」という意識が強く、結果として危険な運転が増えていったと考えられています。
具体的には、ウインカーを出さずに急な車線変更や右左折を行う、黄色信号で加速して交差点に進入する、さらには右折レーンからの直進といったルール違反が多く見られました。
これらの行為により、愛知県は交通事故死亡者数が全国ワーストとなることが多く、長年問題視されていました。
しかし、近年では警察や自治体の厳しい取り締まりや、ドライバーの意識向上により、危険な運転は減少傾向にあります。
それでもなお、一部のドライバーのマナーが悪いというイメージは根強く残っています。
岡山ルール
岡山県には、「ウインカーを出さない」という独特の運転文化があり、「岡山ルール」と呼ばれることがあります。
交差点で右左折する際、本来であれば早めにウインカーを出すべきですが、岡山ではそれを直前まで出さない、あるいは全く出さないドライバーが多かったのです。
中には、「ウインカーを出すのは初心者か運転が下手な人」という謎の風潮まであったとされます。
この背景には、地元の運転文化が影響していると考えられます。
岡山県は道路が比較的広く、渋滞も少ないため、急な進路変更をしても問題ないという意識があったのかもしれません。
しかし、全国的に見ればウインカーを出さないことは大きな危険行為であり、事故の原因になりかねません。
実際に、岡山県の交通事故発生率は全国平均よりも高い時期がありました。
近年では、地元メディアや警察が「ウインカーを出そう」と呼びかけるキャンペーンを実施し、少しずつ改善されてきています。
それでもなお、ウインカーを出さないドライバーが一定数いるため、岡山での運転マナーには注意が必要です。
阿波の黄走り
徳島県では、「阿波の黄走り」と呼ばれる、黄色信号で止まるどころかむしろ加速して交差点に進入するという運転マナーがかつて当たり前のように存在していました。
「黄色は止まれ」ではなく「黄色は突っ込め」という意識が根付いていたため、交差点ではスピードを落とすどころかむしろ加速する車が多く見られました。
このルールが生まれた背景として、徳島県の道路事情が影響していると言われています。
徳島は全国的に見ても交通量が少なく、信号の間隔が広いことが多いため、「今行かなければ次の信号まで時間がかかる」という心理が働いたのかもしれません。
また、地元のドライバー同士では「黄色は進め」という認識が暗黙の了解となっていたとも言われています。
しかし、この文化は当然ながら交通事故のリスクを高め、特に交差点での事故が多発する原因となりました。
近年では、警察による取り締まりが強化され、交通安全の意識も向上したため、現在では「阿波の黄走り」は減少しつつあります。
それでも、かつての悪習が完全になくなったわけではなく、注意が必要な地域であることに変わりはありません。
まとめ
今回紹介した「名古屋走り」「岡山ルール」「阿波の黄走り」は、かつて当たり前とされていたものの、令和の時代では非常識とされるようになったご当地交通ルールです。
これらのルールは、それぞれの地域の道路事情や文化に根ざしていたものですが、危険な運転マナーとして問題視されるようになり、現在では改善が進んでいます。
私たちが安全に道路を利用するためには、地域ごとの運転マナーの違いを理解し、交通ルールを守ることが何よりも大切です。
かつての「当たり前」が、現代では非常識とされることもあるため、自分自身の運転を見直しながら、安全運転を心がけましょう。
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