最近、海外旅行に行ったら日本人観光客を全然見かけなかった…そんな話をよく耳にします。
かつて日本人御用達だったリゾート地が、今では驚くほど日本人の姿を見かけなくなった、そんな現象が世界中で起きているのです。
誰もが一度は憧れた、あの南国リゾートに今何が起こっているのでしょうか?
今回は、日本人が消えたリゾート地3選を紹介します。
サイパン

1990年代、日本人観光客にとって気軽に行ける海外リゾートといえばサイパンでした。
日本からわずか3時間半、治安も良く、日本語が通じるホテルや飲食店が多く、年間45万人以上の日本人が訪れる人気エリアでした。
しかし、現在の日本人観光客数は1万人未満、その影には以下のような要因が隠れています。
- 日本の旅行会社の撤退|観光税や法人税などの増税で、大手ツアー会社が撤退。
- 直行便の廃止|2018年にデルタ航空が成田〜サイパン便を廃止し日本からの直行便が困難。
- 韓国資本の進出|現在の主な観光客は韓国、ホテルや飲食店も韓国語対応にシフトしている。
バブル期の日本語サービスは完全に姿を消し、今では「日本語メニューが一つもないリゾート」として、その景色すら変わってしまった印象です。
バリ島

2008年には年間35万人の日本人が訪れていた、インドネシアの楽園・バリ島。
美しいビーチ、アジアン雑貨、ヨガやスパ文化などが人気を集め、特に20〜30代女性を中心に圧倒的な支持を誇っていました。
それが今や、日本人観光客はかつての4分の1以下にまで減少、その理由は次の通りです。
- 直行便の減少・不安定化|ガルーダ・インドネシア航空の減便などで、気軽に行けなくなった。
- 円安の影響|以前は「贅沢な時間を格安で楽しめる」という印象だったが、今では日本円での滞在費が高く感じられる。
- 中韓・欧米観光客の急増|その結果、ホテルやレストランが中国語・韓国語・英語中心に対応し、日本人向けサービスが激減。
安くて快適なアジアンリゾートというイメージは過去のものになりつつあります。
現在のバリ島は欧米や韓国の長期滞在者向けに進化しており、日本人観光客のニーズからはややズレつつあるのが現実です。
ハワイ

ハワイに行くのが、ちょっとしたステータスだった時代がありました。
JALがホノルル便を開設した1954年以降、1990年代には年間200万人以上の日本人が訪れる国民的リゾートでした。
ですが今では、その数字も大きく後退しています。
背景には、以下のような事情があります。
- 歴史的な円安|2022年以降の急激な円安で、航空券代もホテル代も高騰。
- 物価の急上昇|ハワイ州全体の物価が上がり続け、レストランの1食が3,000円以上は当たり前。
- LCC撤退と燃油サーチャージの上昇|格安で行けた時代は終わり、気軽さが失われた。
さらに、日本語が通じるホテルスタッフやメニューも少なくなり、現在では観光地としての日本人向けホスピタリティは陰りを見せています。
まとめ
どのリゾート地にも共通するのは、「日本人にとっての行きやすさ」が失われつつあることです。
アクセスの悪化、円安、物価上昇、現地のサービス方針の変化…そして何より、日本人観光客が減ったことによる負のスパイラルが加速しています。
一度失われた日本人対応が戻るには、再び多くの日本人が訪れる必要があります。
しかし、今の状況ではその復活は簡単ではありません…。
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