政府が備蓄米を放出したのに、なんで米の値段が下がらないの?そんな疑問を感じている人も多いのではないでしょうか?
2025年に入り、政府の施策として備蓄米の放出が始まりましたが、米の価格はむしろ上昇を続け、ついに14週連続で市場最高値を更新しています。
1年前と比べて価格はほぼ2倍、5kgで4000円台が普通という状況になっているのです。
放出されたはずの米が市場で見えない本当の理由とは
まず大前提として、備蓄米は私たち消費者が手に取るスーパーだけでなく、給食や外食業界などの業務用ルートにも分配されています。
そのため、小売店に届く分が限られており、いまだに「備蓄米を見かけない」という声も多いのが現実です。
農林水産省も「今後流通量が増えれば価格に反映される」と説明していますが、現時点では実感できる形での値下がりには至っていません。
さらに大きな問題は、今回の備蓄米放出に「1年以内に同量を買い戻す」という異例の条件が付いていることです。
これは、放出された米を市場から「将来回収する」ことを意味しており、結果的に恒常的な供給量は増えない構造になっているのです。
むしろ1年後には需給が再び締まり、再高騰するリスクすら孕んでいます。
もう一つ、備蓄米の「9割以上をJA全農が落札」している点も注目すべきポイントです。
本来であれば、スーパーや卸売業者へ直接供給されるべきところですが、JAが多くを押さえてしまっている現状では「価格抑制」を目的とした供給とは言いがたい構造になっています。
JAは従来から備蓄米の放出に否定的な立場を取ってきており、今回も市場に流通させる量をあえて抑えることで価格維持を図る可能性があるのです。
政府としても「米価を大きく下げたくない」という本音が透けて見えます。
また、流通価格が高止まりする背景には、JAが卸売業者に60kgあたり2万6000円で販売しているという価格設定もあります。
備蓄米を政府から2万1000円で仕入れていたとしても、実際のスーパー価格で5kg3400円が底値ライン、それ以下で売れば赤字になるため、そもそも大幅な値下げは不可能という仕組みになっているのです。
値上がりの余波は日常の食卓全体に広がっている
この米価の高騰は、私たちの家計だけでなく、幅広い業界に影響を及ぼしています。
たとえば全国の味噌の約8割は米麹が原料となっており、味噌業界は軒並み値上げへとなっています。
さらに、みりんも原材料コストの高騰により最大8%の値上げを発表しました。
栗山ベーカーの「ばかうけ」ではフレーバーを1種類削ることでコスト調整するなど、ステルス値上げも進行中です。
さらに、飼料用米の不足により畜産業界でもコスト増が進み、豚肉などの価格にも波及する可能性があります。
これは単なる米の問題にとどまらず、和食全体のコスト構造を揺るがす社会的問題になっているのです。
一方で、消費者は「備蓄米が出たら安くなる」と期待して購入を控える動きもあり、スーパーなどの小売現場では在庫調整が難しくなっているとの声も聞かれます。
つまり、「安くならない」「買うタイミングが難しい」といった消費行動の混乱も生じているのです。
では、今後の価格はどうなるのか?
専門家3名の予測では、「5月~6月にかけてある程度下がる」としつつも、「5kgあたり3500円が下限」という見解で一致しています。
SNSの声は…
- 「これで放出しましたと政府が言うなら、全然政策にならないよ…」
- 「政府がいくら備蓄米を放出してもコメの価格を下げたくないJAが買い占める限り絶対にコメの値段は下がらない。」
- 「備蓄米を全農に屈託して、配ったら、米価が上がるからいかんやろ、何考えてんの?小売業に配らないといかんやろ!経済音痴もいいとこ」
- 「1年後に買い戻しって、古い米を新しい米にしただけになるじゃん!米不足の根本的な解決になってない!」
- 「石破も農協もいい加減にしろよ。備蓄米夏までって参議院選まで儲けさせて票集めるんだろ。汚ねえなあ。」
- 「減反した代償を国民に負わせるってことね…」
- 「ほんと備蓄米農協に売ったのが間違い!全国に平等に配らないし、普段の流通の、農協とスーパーの間に売ればいいのに」
- 「美味しいお米を腹いっぱい食べれたあの頃が懐かしい。今はご飯は1杯までって家ルールができたよ」
- 「ポンコツ政府すぎる」
- 「旅行でフィリピンにきたけど、日本米が5kgで1,000円ちょっとで売ってるよ!政府が海外に流してるからでしょ」
- 「もう2,000円代に戻ることはないだろうな…ガソリンも卵も何もかも同じ道をたどってる」
- 「農家が米を作りたくなる政策を政府はしてあげろよ」
- 「トランプみたいに日本国民のための政治をしてくれよ!」
- 「来年の値段も怖いよ…」
- 「なんでJAが94%も備蓄米落札だよ!そもそもの入札するための条件が厳しすぎる」
- 「現金給付じゃなくて、米給付をしろ!」
- 「自民党は国民を苦しめるための党になってしまった。これでは苦民党だよ…」
など、米価が値下がりしないことに対する不満の声が目立ちました。
まとめ
政府が備蓄米を放出しても米価が下がらない背景には、表面的な供給量ではなく、「制度上の仕組み」や「業界の力学」といった構造的な問題が複雑に絡んでいます。
買い戻し条件付きの放出、JA全農への集中供給、そして高止まりした仕入価格…どれもが消費者に届く価格にブレーキをかけているのです。
今後、価格を安定させるには、農家にも消費者にもメリットのある「持続可能な価格設定」と「流通改革」が必要です。
高すぎるお米が当たり前になってしまう前に、今こそ、本当の意味での「米政策の転換」が求められているのかもしれません。
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