世界一周と聞くと、何カ国も巡って何ヶ月もかかるような旅を想像しませんか?
実は、ある条件さえクリアすれば、世界一周はわずか1週間でも達成できるんです。
大型クルーズや航空券の広告を見るたびに、それって本当に世界一周?と疑問に思っていた方も多いのではないでしょうか。
今回は、世界一周の本当の定義についてわかりやすく紹介します。
世界一周の定義とは?

私たちが「世界一周」と聞いて思い浮かべるのは、30カ国以上を巡る長旅だったり、何百万円もかかる豪華客船の旅だったりするでしょう。
しかし、実際の定義は、思っているよりもずっとシンプルです。
国際航空運送協会(IATA)が定める世界一周の公式な定義は以下の3つの条件を満たすこと。
どれか一つでも欠けると、たとえ何十カ国巡っていても「世界一周」とは認められません。
- 地球を一方向に進むこと(東回りまたは西回り)
例えば、日本からアメリカへ向かい、そこからヨーロッパ、アジアと一方向に進む。途中でUターンするようなルートはNGです。 - 出発した地点に戻ること
日本をスタートしたなら、日本に戻ってきて初めて「世界一周」が成立します。片道切符では成立しないというわけです。 - 太平洋と大西洋をそれぞれ1回ずつ越えること
これは見落とされがちですが、非常に重要なポイント。太平洋と大西洋の両方を横断してこそ、地球を本当に一周したことになります。たとえ南極や北極を経由して一周したとしても、海を越えていなければ世界一周とはなりません。
つまり、逆に言えば「この3つさえ守れば」国数も日数も関係なく、誰でも世界一周を達成できるということなんです。
極端な例で言えば、日本→アメリカ→イギリス→日本とわずか3カ国・1週間の旅行でも、条件を満たしていれば堂々たる世界一周になります。
旅行会社の世界一周旅行はルールに従っている?
大手旅行会社が販売している「世界一周クルーズ」や「世界一周航空券」、それらが本当に世界一周と呼べるのか、疑問に思ったことはありませんか?
結論から言えば、多くの旅行商品はこのIATAのルールに沿って設計されており、例えば、世界一周クルーズでは以下のようなルートがよく採用されています。
「横浜 → ハワイ → カリブ海 → 地中海 → 東南アジア → 横浜」
このように、出発地に戻ってきており、太平洋と大西洋を両方渡っているため、しっかり条件を満たしているわけです。
日数にするとおよそ90日〜120日が一般的ですが、それは快適さや観光のために時間をかけているに過ぎず、ルート設計だけで見ればより短期間で達成することも可能です。
また、世界一周航空券においても、航空アライアンス(ワンワールドやスターアライアンスなど)は、IATAの定義をもとに販売ルールを決めています。
ルートや移動方向、海の横断ルールが設定されているのはそのためです。
実際に1週間で世界一周は可能なの?
答えは「YES」です。
ただし、体力とスケジューリング、そしてある程度の資金は必要です。
例えば、以下のような旅程なら理論上は達成可能です。
- 1日目:東京 → ロサンゼルス(太平洋越え)
- 2日目:観光 or 乗継
- 3日目:ロサンゼルス → ロンドン(大西洋越え)
- 4日目:観光 or 乗継
- 5日目:ロンドン → ドバイ → 東京
- 6〜7日目:帰国+時差調整
このように、太平洋と大西洋をしっかり越え、出発地である東京に戻れば、たった1週間で世界一周を完遂できるのです。
短期世界一周は、旅行好きな人だけでなく、時間が限られた社会人や学生にも現実的な選択肢となるでしょう。
近年はLCC(格安航空会社)やポイント利用なども活用できるため、費用を抑えて実現する方法も増えています。
まとめ
世界一周とは、想像していたような果てしない冒険ではなく、地球を一方向に進み、太平洋と大西洋をそれぞれ一度越え出発地に戻るという、明確かつシンプルなルールに基づいた旅です。
この定義さえ理解していれば、誰もが手の届く現実的な世界一周を実現できます。
次の長期休暇には、ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?地球をぐるっと回る旅は、意外にもあなたのすぐそばにありますよ。
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)