トレーディングカードといえば、ポケモンカードやワンピースカードなどの人気ゲームを思い浮かべる人が多いはずです。
そんなな中、「おじさんトレカ」という名前を聞いたことはありますか?
今、福岡県香春町(かわらまち)で爆発的な人気を誇るこの謎のトレカに描かれているのは、まさかの「リアルなおじさん」たちなのです。
一体このトレカの正体とは何でしょうか?
なぜ子どもたちが夢中になっているのか、その秘密を紹介します。
おじさんトレカとは?
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Via|めんたいワイド Instagram @mentai.wide(公式より引用)
おじさんトレカは、福岡県香春町で生まれた、地元のおじさんたちを題材にしたトレーディングカードゲームです。
トレカといえば、人気キャラクターが登場するものが主流ですが、このカードには実在するおじさんたちの顔が大きくプリントされています。
各カードにはおじさんの写真とともに、「ソニックフォトン」「ファイアウォール」「蕎麦師匠」などのユニークなスキル名が記載されており、子どもたちはこれらを集めてバトルを繰り広げるのです。
40種類以上のカードが存在し、レアカードには特別な加工が施されているそうです。
なぜ子どもたちがハマるのか?
おじさんのカードって何が面白いの?と疑問に思うかもしれませんよね…。
しかし、子どもたちの間では、おじさんトレカはただの遊びではなく、地域の人々とのつながりを生むツールになっているのです。
特に人気のカードが、「オールラウンダー」です。
これは、香春町に住む藤井大一さん(68歳)をモデルにしたカードです。
彼は元刑務官で、退職後はボランティアとして町の人々の送迎を行うなど、地域のヒーロー的な存在になっています。
そのため、子どもたちからの人気も高く、彼のカードはレアカードの一つとなっているのです。
また、「ファイアウォール」(元消防団長)、「蕎麦師匠」(地元の蕎麦職人)など、カードのキャラクターには実際の職業や経歴が反映されており、リアリティと親しみやすさが子どもたちの心を掴んでいます。
このユニークなトレカを考案したのは、香春町の地域コミュニティ協議会の宮原さんです。
彼は、「地元のおじさんたちは素晴らしい活動をしているのに、子どもたちが知らないのはもったいない」と考え、このプロジェクトを立ち上げました。
カードは協議会のメンバーが一枚ずつ手作りしており、おじさんたちの人となりや地域への貢献が伝わるよう、丁寧にデザインされています。
どこで手に入る?
おじさんトレカは、香春町の公共施設内にある駄菓子屋で販売されています。
- 3枚入り|100円
- 6枚入り|500円(キラカード確定)
先月(2月)だけで64パックが売れるほどの人気で、駄菓子屋がオープンすると子どもたちが列を作るほどの盛況ぶりです。
おじさんトレカの誕生により、香春町では子どもたちの地域活動への参加が増えています。
例えば、コミュニティセンターの清掃活動に積極的に参加する子が増加し、さらには、おじさんたちが「サインを求められる」ほどの人気者になっています。
売上の大半は材料費に充てられていますが、今後は地域のボランティア活動に還元する計画も進んでいるそうです。
まとめ
おじさんトレカは単なる遊びではなく、世代を超えた交流を生む地域密着型の画期的なツールとなっています。
現代では、人間関係の希薄化が問題視されることが多いですが、こうした地域のユニークな取り組みが、新たなコミュニティの形を作り出しているのです。
香春町の成功をきっかけに、この「おじさんトレカ」が全国に広がる日も近いかもしれませんね。
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