夏になると、なぜか無性に「怖い話」を聞きたくなるものですね。
昼間は観光客で賑わうその場所も、日が落ちれば別世界、心霊スポットと呼ばれる場所には、歴史が刻んだ悲劇や今も彷徨う未練、語られることのない深い闇が潜んでいます。
今回は、その中でも特に噂される3つの実在の場所を紹介します。
東京湾観音(千葉県富津市)

千葉県富津市の大坪山山頂に立つ「東京湾観音」は、1961年に戦没者慰霊と世界平和祈願のために建立された高さ約56メートルの巨大観音像です。
内部には314段の螺旋階段があり、最上階からは東京湾や富士山の絶景を望めます。
かつては観音像への道中に観音隧道というトンネルが存在し、ここでの怪奇現象が多数報告されてきました。
無人のはずなのに足音や声が聞こえる、車に無数の手形が付くなど、都市伝説めいた噂も絶えません。
現在は迂回路が整備され、トンネルは出口側が鉄板で封鎖されていますが、入口側が開いていることもあり、誰かの出入りを疑わせる状況が確認されています。
さらに、観音像へ続くガードレールは不自然に曲がり緑色に塗られており、夜間は視認しづらいことから事故との関連を想像する声も…。
昼間は観光客で賑わう一方、日没後は空気が一変、静寂と圧迫感が支配し、「何かに見下ろされているような錯覚」に襲われる人も少なくありません。
美と恐怖が共存する、千葉県随一の心霊スポットです。
森のしずく公園/旧・慰霊の森(岩手県岩手郡雫石町)

正式名称は「慰霊の森」ですが、現在は「森のしずく公園」として整備・開放されています。
1971年7月30日、雫石町上空で発生した全日空機と自衛隊機の空中衝突事故により、乗員・乗客162名が命を落とした悲劇の地です。
現在は慰霊碑や遊歩道が整備され、昼間は静かな森として訪れる人もいます。
しかし、夜間や肝試し目的で訪れた人々からは、数多くの不可解な現象が報告されています。
慰霊碑付近で突然寒気に襲われる、車のカーステレオから「帰れ」という声が流れる、人影や手形が車に残るなど、いずれも事故犠牲者の霊と結びつけられています。
中でも有名なのが導かれる感覚です。
訪問者が無意識のうちに慰霊碑へ足を進めてしまい、帰ろうとした途端に全身が締め付けられるような痛みに襲われるという証言があります。
さらに、帰宅後も奇妙な出来事が続く場合があり、特に悪ふざけをした人ほど強い霊障に見舞われると噂されます。
犠牲者を慰めるために作られた場所だからこそ、軽い気持ちでの訪問は冒涜とされ、地元では夜間の立ち入りを強く戒めています。
三段壁(和歌山県白浜町)

和歌山県白浜町にある三段壁は、高さ50〜60メートルの断崖絶壁が続く絶景スポットで、サスペンスドラマのロケ地としても知られます。
一方で、年間10人以上が命を絶つとされる自殺の名所でもあり、崖の近くにはいのちの電話や使用できる硬貨が常備された公衆電話が設置されています。
夜間、この崖沿いでは男女の話し声や足音が聞こえる、手すり越しに白い手が見えるといった体験談が絶えません。
周辺の地蔵村と呼ばれる場所では、供養のための地蔵や花が手向けられていますが、防犯カメラが20メートルおきに設置されるほど、過去に多くの事件・事故があったことが伺えます。
三段壁から少し離れた白石橋や周辺の遊歩道も、霊の目撃談が多いエリアです。
特に崖と橋を結ぶ小道は異様な空気に包まれ、霊が集中していると噂される危険地帯とされています。
昼間は観光客で賑わう一方、夜は海鳴りが不気味に響き、視覚と聴覚の両面で訪問者を追い詰めます。
その美しい景観と裏腹に、多くの悲劇を飲み込んできた場所、三段壁は和歌山随一の恐怖スポットとして語り継がれています。
まとめ
今回紹介した3か所は、いずれも観光地として訪れることができる一方で、強い霊的噂や怪談が残る場所です。
それぞれに人を惹きつける理由があり、安易に足を踏み入れるべきではありません。
歴史や背景を知ることは大切ですが、現地を訪れる際は必ず昼間、そして敬意を持って接することが、何よりも安全な心霊スポットの向き合い方です。
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