世界にはいまだに立ち入り禁止とされている場所が数多く存在します。
観光地のように見えても、そこに足を踏み入れた瞬間、命の危険や国家の罰則に直面する可能性も…。
今回は、そんな「行ってはいけない」場所の中から、特に有名な3つの禁足地を紹介します。
それぞれの場所の背景と、なぜ封鎖されているのかを、分かりやすく紹介します。
エリア51 (アメリカ・ネバダ州)

アメリカ合衆国ネバダ州の砂漠地帯に位置するエリア51(正式名称:ホーミー空港)は、ラスベガスから北西へ約130km、グルームレイク付近にあるアメリカ空軍の極秘軍事施設です。
周囲には何もない荒涼とした乾燥地帯が広がっており、外部からはほぼ確認できない構造となっています。
この施設は長年、地図上にも明示されず、衛星写真でも不自然に塗り潰されていました。
2013年にCIAがその存在を認めるまでは、政府によって徹底的に秘匿されていた場所として知られています。
近くの州道からも大規模な警備体制が敷かれており、監視カメラや警備車両が絶えず動いている様子が目撃されています。
なぜ禁足地なのか?
エリア51では、ステルス機などの最新兵器の開発・実験が行われているため、国家機密保護の観点から立ち入りが厳重に禁止されています。
また、UFOや宇宙人に関する都市伝説の中心地でもあり、「地球外生命体の研究施設」との噂が後を絶ちません。
撮影・録音・ドローン飛行はすべて違法行為とされ、侵入すれば即逮捕、場合によっては武力制圧される可能性もあるとされているのです。
そのため、近づくだけでも警戒が必要な、アメリカ最大級の禁足地となっています。
ラスコー洞窟 (フランス)

ラスコー洞窟は、フランス南西部のドルドーニュ県モンティニャック村近くに位置する、旧石器時代の遺跡です。
1940年、地元の少年が犬を追って入り込んだ際に偶然発見されたこの洞窟には、約1万7千年前のクロマニョン人が描いた壁画が数百点も残されています。
洞窟の内部には、牛、馬、鹿、バイソンなどが生き生きと描かれており、色彩・構図ともに現代人も驚くほどの芸術性を誇ります。
その芸術的価値の高さから「先史時代のシスティーナ礼拝堂」と称され、1979年にはユネスコ世界遺産に登録されました。
なぜ禁足地なのか?
発見後は観光地として一般公開されていましたが、訪問者が増えすぎたことで内部環境が悪化、呼気中のCO₂や持ち込まれた微生物により、壁画が急速に劣化・変色してしまったのです。
そのため、1963年にフランス政府は洞窟の完全封鎖を決断しました。
現在は研究者でも立ち入りが厳しく制限されており、一般人は隣接する精密レプリカ施設「ラスコーⅡ」「ラスコーⅣ」でしかその芸術に触れることができません。
人類の文化遺産を守るための、静かな禁足地なのです。
バインギャップ基地(オーストラリア)

バインギャップ基地は、オーストラリア中央部のアリススプリングス近郊に位置する、アメリカとオーストラリアの共同諜報施設です。
見渡す限り何もない荒野に突如として現れる巨大な球体ドーム群が特徴的で、人工衛星の通信を傍受するためのパラボラアンテナが多数設置されています。
1970年代から運用が開始され、冷戦時代はソ連の監視、現在では中東やアジア圏を含む地球規模の軍事情報の収集・分析拠点として機能しています。
見た目は静かでも、世界の裏側で動く「電子戦」の最前線と言える存在です。
なぜ禁足地なのか?
この基地では、アメリカNSAによる全世界の通信傍受・監視活動が行われており、国家機密の中でも最上級に属する情報が扱われています。
そのため、一般人どころかオーストラリア国民でさえ施設の詳細を知ることができません。
施設周辺ではUFOの目撃情報も多く、極秘兵器の実験や異星人との接触説もささやかれています。
現実的には高度な軍事目的の施設であり、近づくこと自体が困難な禁足の要塞なのです。
まとめ
禁足地とは、私たちの目には見えない人類の裏側を守るために存在しています。
そこには機密情報、かけがえのない遺産、そして制御不能なリスクがあるからこそ、封鎖という選択がなされました。
好奇心を刺激される場所であると同時に、私たちが「越えてはならない境界線」を教えてくれるのが禁足地なのです。
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