深夜の受験勉強、部活帰りの空腹、休日の昼下がり、そんな日常に寄り添ってくれた昭和の即席麺、今はもう販売されていないけれど、あの味が忘れられない…そんな方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな昭和を彩った伝説の即席麺3つを紹介します。
今なお復活を望む声が絶えない昭和の名作の即席麺たちとは…?
とっぱちからくさやんつきラーメン(サンヨー食品)
一度聞いたら忘れられないインパクト抜群のネーミング、「とっぱちからくさやんつきラーメン」、1980年代後半にサンヨー食品から発売されたこの即席麺は、当時の若者たちに強烈な印象を与えました。
その特徴は、何と言ってもピリ辛豚骨ベースのスープと、クセになるスパイシーな香り。
ネーミングの奇抜さもさることながら、味の個性も際立っており、一度ハマったら抜け出せないやみつき系ラーメンとして語り継がれています。
しかし、その個性が仇となったのか、同じとんこつジャンルで先に発売されていた「うまかっちゃん」に市場を奪われる形となり、やがて姿を消してしまいました。
それでも、SNSや懐かしフード系の掲示板ではいまだに話題に上がる存在で、「もう一度食べたい即席麺」として名指しされることも少なくありません。
ノスタルジックな記憶の中に強烈に刻まれた、昭和の異端児とも言える即席ラーメンです。
中麺(明星食品)
1980年代初頭、明星食品が満を持して世に送り出した即席麺「中麺(ちゅうめん)」、この商品は当時としては非常に革新的な生麺に近い食感を再現した画期的インスタント麺でした。
一般的な油で揚げた即席麺とは異なり、中麺は特殊な製法でコシのある麺を実現、モチモチとした噛み応えとスープとの絶妙な絡みが多くのファンを魅了しました。
その味わいは、まるでラーメン店の中華そばを家庭で再現したかのようなクオリティで、昭和の家庭にちょっとした贅沢感を届けた逸品でした。
しかし、時代が進みノンフライ麺や高機能即席麺が台頭すると、その存在感は徐々に薄れていきます。
原価の高さや、時代の流れによるラインナップ再編もあり惜しまれつつ販売終了に…。
現在ではその再現レシピを模索する愛好家もおり、一部ではプレミア化されたパッケージや販促物が取引されているほどです。
まさに知る人ぞ知る、伝説の麺と言えるでしょう。
本中華(ハウス食品)
昭和の後半にハウス食品から登場した「本中華」は、それまでの即席麺=安っぽいというイメージを覆す、本格派中華麺のパイオニアとも言える存在でした。
袋麺でありながら、しっかりとしたコシのある麺と奥深い味わいのスープ、具材付きのプレミアム感もありまるで中華料理店で出されるラーメンのような満足度でした。
味のバリエーションも豊富で、グルメ志向の消費者層をがっちり掴みました。
当時のCMも高級感を前面に打ち出し、即席麺業界に一石を投じたと言える存在です。
しかし、2000年代に入ってからハウス食品が即席麺事業の縮小方針を打ち出し、やがて製造中止に…。
いまでもネット上には「本中華の再販を求む!」という声が多く見られ、昭和・平成のちょっとリッチな思い出の味として、多くの人の記憶に刻まれています。
まとめ
昭和の即席麺は、単なる食事以上に思い出と深く結びついています。
「とっぱちからくさやんつきラーメン」の個性、「中麺」の技術、「本中華」の高級感、いずれも時代の流れに埋もれた名作たちですが、今も多くの人がその復活を願っています。
味は消えても、心の中に残る記憶は色あせません。
もし令和に復刻されることがあれば、それはきっと、世代を超えて語り継がれる奇跡の再会になるはずです。
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