戦国時代の天下人・豊臣秀吉、実は「日本人を守ったリーダー」としての一面はあまり知られていません。
当時、日本人が海外に連れ去られ、奴隷として売られるという深刻な問題がある中、秀吉は単なる軍事的支配者ではなく、国の民を守るリーダーとして毅然と立ち上がったのです。
その決断は、民の尊厳を守る強い意志を示すものであり、まさに「日本人ファースト」の原点とも言える熱い行動でした。
戦国時代に横行した日本人奴隷売買
16世紀半ば、日本は大航海時代の世界とつながり始める一方で、ポルトガルやスペインの商人たちは、南蛮貿易を通じて鉄砲や絹織物をもたらすも、日本人を奴隷として海外へ輸出する動きも見せていました。
特に九州の長崎、口之津、平戸などはその拠点となり、戦争捕虜や貧困家庭の子供たち、さらには人身売買業者に売られた女性たちが鎖でつながれ、船に押し込まれていたのです。
彼らは東南アジアやインド、さらに遠くヨーロッパまで運ばれ、召使いや労働者として働かされ、一部の女性は性的搾取の被害にも遭いました。
当時の長崎はキリシタン大名・大村純忠がイエズス会に寄付しており、港の運営にはキリスト教勢力が深く関与しており、宣教師自体が直接奴隷売買を行ったわけではないものの、貿易の一部としてそれが容認されていたのは事実です。
国内ではこうした惨状が広く知られることはなく、被害は静かに拡大していきました。
秀吉の怒りとバテレン追放令
1587年、豊臣秀吉は九州平定の過程で日本人奴隷売買の実態を知ります。
若い女性や子供が異国へ連れ去られ、帰国も叶わぬまま過酷な生活を強いられていることに、秀吉は激しい憤りを感じました。
彼は直ちに宣教師を呼び出し、「日本人を奴隷にするとは何事か」と詰問します。
しかし返ってきた答えは、「売る者がいるのだから仕方がない」という開き直りのようなものでした。
このやり取りが秀吉の怒りを決定的なものにします。
同年、秀吉はバテレン追放令を発令。
これは単なるキリスト教布教の制限ではなく、奴隷貿易を禁止する強い措置でした。
さらに長崎の管理権をイエズス会から没収し、日本の港湾を外国勢力の思うままにさせない体制を築きます。
秀吉の行動は、単に宗教問題への対応ではなく、「日本人を守る」という明確な意思を伴ったものでした。
外国勢力の進出を防いだ先見性
秀吉の決断は、短期的には人身売買の抑止となり、長期的には日本の独立性を守る一手となります。
当時、スペインやポルトガルはアジア各地を植民地化し、フィリピンやインドネシアはすでにその支配下にありました。
もし日本が同じ道をたどれば、国の主権は失われ、文化や制度も大きく変えられていた可能性があります。
一説には、秀吉はヨーロッパ勢力が中国や朝鮮半島を経由して日本進出を企てていることを察知し、その防波堤として朝鮮出兵を計画したとも言われます。
結果的に朝鮮出兵は失敗に終わりますが、「攻め込まれる前に先手を打つ」という発想は、当時の世界情勢を踏まえた戦略的判断でした。
こうした行動の背景には、交易を通じて利益を得ながらも、外国の干渉から国民を守るという二重の狙いがあったと考えられます。
秀吉の政策は、現代で言う「日本人ファースト」の思想に近く、当時としては極めて先進的な国家防衛策だったのです。
まとめ
豊臣秀吉の「日本人ファースト」の姿勢は、単に天下統一を目指した武将としての顔ではなく、国民を守るリーダーとしての側面を鮮明にします。
奴隷貿易の禁止、バテレン追放令、長崎の管理権回収は、いずれも外国勢力の支配を防ぎ、日本人の生活と尊厳を守るための行動でした。
現代の私たちがこの歴史を知ることは、「国の独立を守る」という視点の重要性を再認識させてくれます。
秀吉の先見性と行動力は、時代を超えて今なお学ぶべき価値があります。
あわせて読みたい｜マタイク（mataiku）
