秋田犬って賢いって聞くけど、どうして警察犬試験に落ちるの?
実はその理由には、秋田犬特有の賢さと忠誠心の深さが関係しているんです。
一生涯、たった一人の主人に仕えるという性質が、逆に警察犬の世界では不向きとされてしまったエピソードは、多くの人に驚きと共感を呼んでいます。
今回は、秋田犬が持つ特別な魅力と、警察犬試験での不適格の理由を紹介します。
秋田犬とは?その賢さの秘密
秋田犬は、日本原産の大型犬種であり、古くから秋田県を中心に狩猟犬として活躍してきました。
マタギ(狩猟者)のパートナーとして大型獣を追い詰め、時には主人を守るという重要な役割を果たしてきた歴史があります。
このような背景から、秋田犬には特有の性格が形成されているのです。
秋田犬は、自立心と判断力が非常に高く、状況を素早く理解し、自ら行動を決定する能力があります。
また、主人に対する深い忠誠心を持ち、一生涯にわたってその絆を守り抜こうとする特性もあります。
この忠誠心が、家庭犬や番犬として理想的な存在にしているのです。
警察犬に求められる資質と秋田犬のギャップ
警察犬としての活動には、特定の資質が求められ、その一つが複数の指揮者に柔軟に従う能力です。
警察犬は任務ごとに異なる警察官からの指示を受ける場面が多いため、指揮者に対する適応性が必要不可欠となります。
しかし、秋田犬は一人の主人に仕える性質を持ち、他の人の指示にはあまり従わないため、この点で大きなギャップが生じるのです。
アメリカの警察犬試験で秋田犬が不合格となったエピソードが広く知られています。
- 主人以外に従わない
秋田犬の忠誠心の強さが裏目に出て、複数の警察官からの指示を受け入れられなかった。 - 指示待ちではなく自立した行動
自ら考えて行動する能力が高いため、警察官の指示を待たずに「自分の判断」で動いてしまうことがあり、これはマタギ犬としては優れた特性ですが警察犬には不向き。 - 深すぎる忠誠心
一生に一人の主人を守ることに重きを置く秋田犬にとって、頻繁に指揮官が変わる警察犬の役割は合わなかった。
つまり、警察犬は訓練に対して柔軟性を持ち、細かい指示を迅速かつ正確にこなすことが求められますが、秋田犬は自立心が強く、「自分で考えて行動する」傾向があるため、命令に対して必ずしも従順できないため、適性を欠くとされる理由となっているのです。
秋田犬の特性を活かした活躍の場
秋田犬は警察犬としては不向きとされるものの、その特性が活かされる場面も多くあります。
忠誠心が非常に高い秋田犬は、この特性を活かし、古くから番犬として活躍、飼い主や家族に対する強い愛情と守護本能は、侵入者を防ぐ役割に適しています。
また、凛々しい姿が訪問者に安心感を与えるため、店舗や施設のシンボルとして迎えられることもあります。
冷静で落ち着いた性格の秋田犬は、セラピー犬としての役割にも適しています。
人の感情に敏感で穏やかに寄り添う力は、病院や老人ホームでの癒しの存在として評価されており、その堂々とした存在感と穏やかな気質は、心の安らぎを与えています。
さらに、秋田犬の高い身体能力と賢さは、救助犬として雪深い地域での作業や山岳地帯での捜索活動において、その耐久力と適応力が役立つ場面が多くあります。
このように、秋田犬はその忠誠心、穏やかな性格、高い身体能力を活かし、家庭から公共の場まで幅広く活躍しているのです。
まとめ
秋田犬が警察犬試験に落ちた理由は、「不適格」ではなく、むしろ彼らの特性が特定の場面では発揮されにくかったためです。
高い賢さと忠誠心、一生に一人の主人に仕えるという特性は、家庭犬や番犬として理想的であり、多くの人に安心感と感動を与えます。
その能力を適切に活かすことができれば、秋田犬は一生のパートナーとして素晴らしい存在となるでしょう。
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)