風邪やインフルエンザが流行する季節になると、家族の健康が気になりますよね。
感染症予防において大切なのは、ウイルスから逃げることだけではありません。
ウイルスに負けないからだを作ることも重要です。
この記事では、免疫力アップのカギをにぎる「腸」「呼吸」「睡眠」に注目し、日常のなかでできる感染症予防法をわかりやすくご紹介します。
免疫力が下がると感染症にかかりやすくなる
まずは、感染症と免疫力の関係についてみていきましょう。
免疫力とは「外敵から守る力」
免疫力とは、ウイルスや細菌といった外敵が体内に入ったときに、それを排除しようとする防御の力のことです。
免疫がしっかり働いていれば、感染症にかかりにくくなったり、たとえかかっても軽症ですんだりします。
からだにもともと備わっているこの免疫システムは、常に私たちの健康を守ってくれています。
現代人は免疫力が下がりやすい?
「毎日忙しくて寝不足」「バランスのとれた食事を作る余裕がない」「運動する時間がない」──
そんな現代のライフスタイルは、免疫力を落としやすいと考えられます。
とくに免疫に関わる大きな要因として、
- 栄養の偏り
- 睡眠不足
- ストレスの蓄積
- 肥満や痩せすぎ
などが挙げられます。
何気ない生活習慣のなかに、免疫力を低下させる原因が潜んでいることも少なくありません。
感染症予防のカギは「腸・呼吸・睡眠」
ここからは、日常で意識したい感染症予防の3つのポイントを詳しくみていきましょう。
腸内環境を整える
腸は「免疫の要」とも呼ばれ、からだ全体の免疫細胞の約7割が腸に集まっているといわれています。
腸内環境が整っていると免疫機能もスムーズに働き、外からのウイルスや細菌に対する抵抗力が高まります。
腸内の善玉菌を増やすためには、発酵食品(味噌、納豆、ヨーグルトなど)や食物繊維(野菜、海藻、きのこ類など)を積極的に摂るのがおすすめです。
呼吸器のバリア機能を保つ
ウイルスや細菌は、主に口や鼻から体内に入り込みます。
これらの入り口となるのが呼吸器系で、とくに鼻や喉の粘膜が乾いていると、外敵が侵入しやすくなってしまいます。
そうしたリスクを減らすためにも、室内の加湿やこまめな水分補給を心がけて、呼吸器のうるおいを保つことが大切です。
あわせて、日常的に鼻呼吸を意識するのも効果的です。
鼻には、吸い込んだ空気を自然に温めたり湿らせたりする機能があり、ウイルスが肺に届くのを防ぐ働きがあります。
鼻の粘膜をしっかり守ることは、感染症の予防に直結する大事なポイントです。
質のいい睡眠で免疫を回復させる
睡眠中には、免疫細胞が活性化し、からだの修復やリセットが行われます。
十分な睡眠がとれていないと、免疫機能が低下し、ウイルスに感染しやすくなってしまいます。
理想は毎日8時間以上の睡眠。
寝る前はスマホやパソコンの使用を控え、ぬるめのお風呂や軽いストレッチで副交感神経を優位にしておくと、ぐっすり眠りやすくなります。
内側から免疫力を支える東洋医学流ケア
感染症予防には、生活習慣だけでなく、からだのバランスを整える“東洋医学的な視点”を取り入れるのもおすすめです。
東洋医学では「気・血・水」の巡りが大切
東洋医学では、心とからだは「気(エネルギー)」「血(栄養や潤い)」「水(体液)」の3つで構成されていると考えます。
このバランスが崩れると、心やからだに不調があらわれることに。
とくに感染症予防の観点では、「気」の不足(=気虚)が問題になりやすく「疲れやすい」「風邪をひきやすい」「食欲がない」といったサインがあらわれることがあります。
そのため、気を補うケアが、体調を整えることにつながっていくのです。
おすすめの漢方薬
体調を整えるためにおすすめの漢方薬をご紹介します。
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きを高めて、からだに気力を充実させることで、食欲不振や疲労倦怠感、虚弱体質を改善する漢方薬です。
- 人参養栄湯(にんじんようえいとう)
胃腸の働きをよくして、栄養や潤いを作り出すことで、食欲不振や疲労倦怠、貧血、不眠を改善する漢方薬です。
体質やタイミングによって合う漢方薬は異なります。
自己判断ではなく専門家のアドバイスを受けるのが安心です。
自分に合った漢方薬を見つけるには
「どの漢方が自分に合っているかわからない」という方には、オンラインで相談できるサービス「あんしん漢方」がおすすめです。
漢方薬に詳しい薬剤師が体質や悩みに合わせてぴったりの漢方薬を選んでくれるため、自宅にいながら安全に漢方薬ケアを始められます。
感染症が心配な季節でも、外出せずに相談・購入できるのは大きなメリットです。
まとめ
感染症を防ぐには、ウイルスを「避ける」だけでなく、ウイルスに「負けないからだ」を作る意識が大切です。
免疫力を底上げするには、特別な対策をするよりも、日々の生活習慣を見直すことから始めるのが近道です。
腸内環境を整える食生活、呼吸器を乾燥から守る工夫、そしてぐっすり眠るための習慣づくり。
どれも一つひとつは小さなことかもしれませんが、積み重ねることでからだの土台が整い、自然と感染症に強くなっていきます。
さらに、自分の体質に合った漢方薬を取り入れることで、からだの内側から免疫力を支えることも可能です。
無理なく続けられる方法を取り入れて、家族みんなで健やかに季節を乗り越えていきましょう。
<この記事の監修者>

医師|木村 眞樹子(きむらまきこ)
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
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