「結果にコミットする」で社会現象を巻き起こしたRIZAPグループですが、その裏では長年経営危機とも戦っていました。
M&Aによる急拡大、巨額赤字、コロナ禍、一時はもう持たないのでは?とまで言われた企業が、今では営業利益111億円、前年比6倍という驚異的なV字回復を遂げています。
急拡大で崩れたRIZAP…そこから始まった筋肉質経営
現在の好調ぶりからは想像しにくいですが、RIZAPは数年前までかなり厳しい状況にありました。
もともとRIZAPは、パーソナルジムだけでなく、英会話、ゴルフ、料理教室など幅広い事業を展開、さらに次々と企業を買収し、RIZAP経済圏のような巨大グループを目指していました。
しかし、その急拡大が裏目に…不採算事業も増え、2019年には約194億円という巨額赤字を計上しました。
そこへ追い打ちをかけたのがコロナ禍で、人が集まるジム事業は大打撃を受け、瀬戸健社長自身も後に「進むも引くも地獄だった」と語っています。
それからRIZAPは大きく方向転換し、利益の出にくい事業を整理、本当に伸びる分野に集中する筋肉質経営へシフトしたのです。
その象徴が「chocoZAP」、従来の高額パーソナル路線とは真逆の、月額3,278円・24時間・無人・初心者向けという新業態で、「スキマ時間に軽く運動する」というコンセプトが、コロナ後の価値観が見事にハマりました。
わずか数年で全国1800店舗超、会員数116万人規模へ急拡大、現在ではグループ営業利益の半分以上をchocoZAPが生み出していると言われています。
AI店長、女性専用店、海外進出…RIZAPは町のサブスクへ
急成長したchocoZAPにも課題があり、SNSでは、「掃除不足」「マシン故障」「無人だから対応が遅い」といった不満も多く、安かろう悪かろうというイメージを持つ人も少なくありませんでした。
そこでRIZAPは、守りではなく再投資へ、今期150億円超を投資し全国1900店舗規模のリニューアルを実施、マシン2万台を刷新し美尻マシンや骨盤底筋トレーニングなど、女性向け設備も大幅強化、さらに女性専用店舗を最大300店舗展開する計画も発表されました。
また、特に注目されているのが「AI店長」、高性能AIカメラやIoT機器を活用し、空調管理、清掃状況、混雑状況まで自動分析、瀬戸社長は「ほこり1つまで解析する」と語っており、人がいなくても快適な店舗づくりを進めています。
これは単なるコスト削減ではなく、無人ビジネスの弱点克服とも言える挑戦でしょう。
さらにRIZAPは海外展開も加速、ジムだけでなくエステやリラクゼーションも含めた全部入りサブスクが大ヒット、現在は台湾、シンガポール、韓国、ベトナムなどアジア圏への拡大も進めています。
つまり現在のRIZAPは、単なるフィットネス企業ではなく、生活密着型インフラ企業へ進化しようとしているのかもしれません。
まとめ
RIZAPは、本当に必要とされるサービスに絞り込み、筋肉質経営へ切り替えたことで再び成長軌道へ戻りつつあります。
AI、海外展開、生活インフラ化など、RIZAPの第二章がどこまで広がっていくのか、今後も注目が集まりそうですね。
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