世界中を自由に旅できるようになった現代でも、一般人が簡単には足を踏み入れられない島が存在します。
今回は、なぜ立ち入りが禁じられているのか?世界に実在する2つの禁足島を紹介します。
ノース・ブラザー島

アメリカ・ニューヨークのイースト川に浮かぶノース・ブラザー島は、世界的大都市のすぐそばにありながら、現在は一般人が自由に立ち入ることのできない無人島です。
1885年にはリバーサイド病院が移転し、天然痘や腸チフスなど感染症患者を隔離・治療する施設として使われ、「腸チフスのメアリー」と呼ばれたメアリー・マローンも1938年に亡くなるまで長期間ここで暮らしていました。
さらに1904年には島の近くで蒸気船「ジェネラル・スローカム号」が炎上・沈没し、1000人以上が犠牲となる大惨事も発生しています。
感染症施設としての役割を終えた後は、第二次世界大戦後の退役軍人らの住宅や薬物依存者の治療施設として利用されましたが、1960年代に閉鎖され島は無人となりました。
現在は病院をはじめとする建物が廃墟となって木々やツタに覆われ、まるで文明が消滅した後のような光景が広がっています。
建物の老朽化に加えて鳥類の生息地として保護されているため一般公開されておらず、ニューヨークのすぐそばにありながら、かつての隔離施設が眠る禁足地となっているのです。
スルツェイ島

アイスランドの南に浮かぶスルツェイ島は、1963年に始まった海底火山の噴火によって海上に姿を現した、地球上でも比較的新しい無人島です。
誕生直後から自然保護区となり、人間がほとんど干渉しない環境で、植物や動物がどのように定着し生態系を形成していくのかを観察する自然の実験場として研究されてきました。
実際に何もなかった島には植物が根付き、鳥類が飛来するようになり、1980年代にはアザラシの繁殖も確認されるなど、長い年月をかけて豊かな生態系が形成されています。
こうした自然の変化を正確に研究するため、人間が外部から植物の種子や微生物などを持ち込まないよう、島への立ち入りは厳しく制限されています。
2008年にはユネスコ世界自然遺産にも登録され、現在も研究などで特別に認められた限られた人しか上陸することができません。
つまりスルツェイ島は、人間を危険から守るためではなく、貴重な自然を人間から守るために立ち入りが禁じられた、世界でも珍しい禁足地なのです。
まとめ
世界には危険だから入れない場所だけでなく、歴史や貴重な自然を守るため、あえて人間を遠ざけている場所も存在します。
現代でもこうした禁足地が残されている背景を知ると、その土地が持つ歴史や存在意義も違って見えてくるのではないでしょうか。
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