昭和の歌謡曲、今ならSNSで議論になりそうなテーマも、当時のヒット曲ではかなりストレートに描かれていました。
もちろん、これらが現在「放送禁止」という意味ではなく、時代背景も作品が描こうとした物語もそれぞれ違います。
それでも令和の感覚で聴くとインパクト抜群!今回は、昭和だからこそ生まれた攻めすぎ歌謡曲5曲を紹介します。
関白宣言/さだまさし
1979年に発売された、さだまさしさんの代表曲、冒頭から、結婚する女性に対して「俺より先に寝るな」といった趣旨の要求を次々と突きつける男性、令和なら「家事は妻の仕事なの?」「完全に亭主関白じゃん!」とSNSがザワつきそうです。
ただし、ここだけで判断するとこの曲の面白さを見誤ります。
後半まで聴けば、強気だった男性の不器用な愛情や、妻への感謝を感じさせる内容へと変化、単純な女性蔑視ソングではなく、強がる男の人物像を一曲の物語として描いているところがポイントです。
ホテル/島津ゆたか
ホテルで会って、ホテルで別れる、そんな大人の男女関係を真正面から描いたのが、島津ゆたかさんの『ホテル』です。
1985年に島津さんの歌唱でヒットしたこの曲は、作詞をなかにし礼さん、作曲を浜圭介さんが担当、描かれているのは既婚男性との許されない関係に苦しむ女性です。
現代の感覚で聴いてもドキッとしますが、とりわけ強烈なのが、男性には帰る家庭があることを理解しながら、それでも関係を断ち切れない女性の心情、さらに妊娠を思わせる展開まで登場し、かなり生々しい大人の恋愛が描かれています。
令和なら「不倫を美化しているのでは?」とSNSで議論になりそうな内容ですが、ここまで男女の秘密の関係をストレートに歌ってしまうあたり、昭和歌謡の表現力、恐るべしです。
カサブランカ・ダンディ/沢田研二
1979年発売、作詞・阿久悠さん、作曲・大野克夫さんによる沢田研二さんのヒット曲で、令和目線で最もギョッとするのが、言うことを聞かない女性に手を上げる場面を描いた冒頭です。
今ならDVを想起させるとして批判されても不思議ではない表現、しかし当時は、危険な香りをまとったワルい男のダンディズムがエンタメとして成立していました。
ジュリーの色気と相まって、昭和歌謡らしい強烈な世界観を作り上げています。
15の夜/尾崎豊
1983年に発売された尾崎豊さんのデビューシングル、15歳の少年が学校や家庭への閉塞感から飛び出していく物語で、喫煙、家出、そして盗んだバイクで走り出すという有名な場面まで登場します。
もちろん犯罪を勧める歌ではなく、行き場を失った少年の衝動を描いた作品、それでも令和なら「窃盗を美化しているのでは?」という議論が起きてもおかしくありません。
一方、その危うさまで包み隠さず歌ったからこそ、若者の孤独や反抗心を象徴する一曲として長く支持されてきたのでしょう。
恋の奴隷/奥村チヨ
1969年に発表された奥村チヨさんの代表曲。タイトルからして令和ではなかなかのインパクトです。
好きな男性の言うことなら何でも聞き、相手に従うことさえ幸せ、そんな極端な恋愛観が描かれており、さらに恋人からの暴力さえ受け入れるような表現もあり、現代のDVや対等なパートナーシップという観点から見れば、かなり危うく感じられます。
しかし、それもまた当時の歌謡曲が描いた愛にすべてを捧げる女性像の一つ、今聴くからこそ、半世紀以上の価値観の変化が鮮明に見えてきます。
まとめ
いやぁ、昭和歌謡…攻めています!
今ならSNSで賛否が飛び交いそうなテーマがズラリ…令和では物議を醸しそうな表現がある一方、きれいごとだけではない人間の欲望や弱さまで歌にしてしまう強烈さも昭和歌謡の魅力です。
令和の常識をいったん横に置いて聴き直すと、こんな歌詞だったの!?という驚きとともに、昭和という時代そのものが見えてくるかもしれませんね。
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