もし、ある日突然、地球上から人間だけが消えてしまったら…その後の地球を科学的に想像すると意外な未来が見えてきます。
今回は、人類が突然消滅したと仮定し、人口0人になってから1年間に何が起こるのかを時間軸で追ってみましょう。
【数時間後】世界中の街から人間の音が消える

人類が消えて最初に訪れる大きな変化、それは建物の崩壊でも大災害でもありません。
それは圧倒的な静けさ…自動車、鉄道、飛行機、工場、工事現場、人々の話し声、都市を覆っていた無数の人工音が一斉に消えます。
ただし、電気がその瞬間に世界中で完全停止するわけではありません。
発電所や送電網の一部は自動制御されていますが、管理する人間がいなくなれば発電設備は次々と停止し、広範囲で停電が発生すると考えられます。
やがて夜の東京、ニューヨーク、パリなどから人工の光が消え、月と星が主役の夜が戻ってきます。
【数日後】水道も止まり、地下空間に水が流れ込む
電力が失われると、次に深刻な影響を受けるのが水です。
私たちが蛇口をひねるだけで水を使えるのは、浄水施設やポンプなどが稼働し続けているから。電力供給や管理が途絶えれば、多くの地域で水道や下水システムは機能を維持できなくなります。
地下鉄や地下施設も同様で、地下水を排出していたポンプが停止すれば、場所によっては徐々に浸水が始まります。
つまり、人間がいなくなった都市で真っ先に自然へ返っていく場所のひとつが、意外にも地下なのです。
そしてスーパーや家庭では冷蔵庫が停止、大量の食品が腐敗し、昆虫や微生物、動物たちの餌になっていきます。
【数週間~数カ月】ペットたちに過酷な世界が訪れる
人間が消えて大きな影響を受けるのが、私たちと暮らしてきた動物です。
室内に閉じ込められた犬や猫は、餌や水を失えば生存が難しくなります。
牧場の牛や豚、鶏なども、人間による給餌や施設管理がなくなることで多数が死ぬと考えられます。
一方、外へ脱出できた動物の一部は野生化、人間を警戒して都市を避けていた野生動物たちが住宅街へ進出、キツネ、シカ、イノシシなど、その地域に生息する動物が人間の街だった場所を活動範囲に変えていきます。
道路から車が消えれば、動物にとって都市は巨大な空き地のような存在になるのです。
【半年後】都市が少しずつ緑色に変わる
春から夏を迎えれば、変化は一気に目立ち始めます。
公園の芝生は伸び放題、街路樹は剪定されず、雑草は歩道や駐車場を覆い、農地も耕す人がいなくなり、栽培植物と野生植物の勢力図が変化していくでしょう。
一方、落雷などから火災が発生すれば、建物や森林へ延焼し、自然に鎮火するまで燃え続けることになります。
人間が消えた世界は、穏やかな楽園になるわけではなく、火災、洪水、風雨、植物の成長など自然現象がむき出しになる世界でもあるのです。
【1年後】意外にもビルや高速道路は残っている
人類消滅から1年…東京の高層ビル群は森になっているのでしょうか?
実は、そこまで劇的ではなく、1年程度なら道路や橋、鉄筋コンクリートの建物などの多くは、まだかなり原形を保っていると考えられます。
しかし、その風景は現在とはまるで違います。
道路には雑草が広がり、住宅地には野生動物が歩き、夜の都市からネオンが消える、地域によっては地下施設が水没し、寒冷地では凍結した水道管が破裂、誰にも修理されない小さな損傷が、建物をゆっくり破壊し始めています。
そして空は、航空機は飛ばず、新たなロケットも打ち上げられません。
また、NASAによれば、国際宇宙ステーション(ISS)は定期的な軌道上昇を行わなければ高度を維持できず、条件によって自然落下までの期間はおよそ1~2年とされています。
興味深いのは、人類が消滅しても地球そのものが荒廃して終わるわけではないことです。
地球にとって1年はほんの一瞬、それでも人類のいない世界では静かに変わり始めているのかもしれません。
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