山盛りの野菜に分厚いチャーシューで知られる二郎系ラーメン、しかし近年その人気の裏で経営環境は急速に厳しさを増しています。
野菜や豚肉、米などの食材価格が次々と高騰し、値上げしたくても客離れを恐れて踏み切れない店舗も少なく、店主の高齢化という問題も重なり、二郎文化を維持すること自体が大きな課題となっています。
二郎系ラーメン、物価高で利益が消える「野菜マシマシ」が経営を圧迫?
二郎系ラーメン最大の魅力は、山盛りの野菜と分厚いチャーシューによる圧倒的なボリュームですが、その特徴が現在では経営を苦しめる要因になっています。
ある二郎系ラーメン店では、もやしとキャベツを毎月約1.5〜1.7トン使用しており、野菜価格の高騰がそのまま原価上昇につながります。
店舗ではキャベツを減らしてもやしを増やしたり、契約農家以外から安い商品を探したりと工夫を重ねましたが、負担を吸収することはできず、さらには豚肉の価格上昇でチャーシューの仕入れコストも月約30万円増加、ある店舗では1杯1,050円で提供していますが、約55万円の赤字だと言います。
本来なら200円ほど値上げしたいものの、お客さんが離れてしまう…という理由で価格維持を選択しています。
一方で、野菜価格の高騰により「スーパーで買うより二郎で野菜を食べたほうが満足できる」と来店する常連客も増えていますが、その多くが野菜マシマシを注文するため、売れても利益が残りにくいという難しい状況に陥っています。
店主の高齢化も深刻、二郎文化を支える人材不足
二郎系ラーメンが抱える問題は、物価高だけではありません。
ラーメン二郎は1968年に創業し、慶應義塾大学の学生向けに安くて量の多いラーメンを提供したことから現在のスタイルが誕生しました。
その後、1990年代後半から2000年代前半にかけて、修業した弟子たちが全国で店舗を開業していきましたが、その店主たちも現在では50代から60代となり高齢化が進んでいます。
そのため後継者不足が深刻化し、営業時間を短縮したり閉店を選ぶ店舗も少しずつ増えています。
さらに原材料費や光熱費、人件費の上昇も重なり、東京商工リサーチによると2026年上半期のラーメン店の倒産件数は過去最多となりました。
「安く、お腹いっぱい食べてもらう」という二郎の魅力を守るほど利益は薄くなり、経営は苦しくなります。
そこへ店主の高齢化という問題も重なり、長年親しまれてきた店舗が姿を消す可能性も指摘されるようになっているのです。
それでも多くの店主は「お腹いっぱい食べてもらいたい」という思いを守り続けています。
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