テレビ通販の会社が、なぜ豪華客船で150億円も稼げるのか?
一見すると全く関係のないビジネスに思えますが、ジャパネットたかたのクルーズ事業は今、旅行業界でも異例の成功を収めています。
しかも利用者の多くはクルーズ未経験者、それでも満足度は95%以上という驚異的な数字を叩き出しているのです。
ジャパネットたかたの150億円を生むビジネスモデル
ジャパネットたかたのクルーズ事業がここまで成功した最大の理由は、安心感を徹底的に設計した点にあります。
そもそもクルーズ旅行は、多くの人にとってハードルが高い商品で、「最終的にいくらかかるのか分からない」「外国語が不安」「食事が合わないかもしれない」「船酔いが怖い」など、不安要素が非常に多いのが特徴です。
しかしジャパネットは、これらの不安を一つずつ丁寧に潰していきました。
料金面では食事代やサービス料、チップなどをすべて含めた完全パッケージ価格を採用し、後から追加料金が発生する不安を完全に排除しました。
船内環境も徹底的に日本仕様へと最適化、日本人スタッフの配置、和食の提供、味噌汁や醤油の用意など、海外クルーズの壁を感じさせない工夫が施されています。
また、寄港地では大量のバスを手配することで移動の不安を解消し、船酔い対策として停泊時間の調整まで行う徹底ぶりです。
これらに共通しているのは、顧客が感じる不安を先回りして解消するという思想で、その結果、利用者の約8割が未経験者でありながら、高い満足度を実現しています。
つまりジャパネットは、既存の顧客を奪うのではなく、クルーズに興味がなかった人たちという新しい市場を生み出したのです。
船を持たずに勝つ…天才的すぎる戦略設計
もう一つ注目すべきは、ビジネスモデルそのものの巧妙さです。
通常、クルーズ事業に参入するには巨額の投資が必要になります。
しかしジャパネットは船を所有せず、大型客船を丸ごとチャーターするという方法を選びました。
これにより、設備投資を抑えながら独自の体験だけを作り込むという、ハードを持たずソフトで勝つ戦略を実現しています。
さらに、4000人規模の乗客を一括で確保することでコストを大幅に圧縮、いわゆる規模の経済を活かし、高品質かつ低価格なサービス提供を可能にしました。
そして、販売方法も非常にユニークです。
SNSやインフルエンサーではなく、あえてBSテレビの旅番組を活用、シニア層に向けてクルーズ体験を疑似的に見せ、その流れで販売へとつなげています。
このように、ターゲットに最適化された導線設計によって、非常に高い成約率を実現しているのです。
つまりジャパネットは、商品設計、価格設計、販売導線のすべてをターゲットに合わせて最適化し、無駄のないビジネスを構築していると言えるでしょう。
まとめ
ジャパネットたかたのクルーズ事業の成功は、単なる旅行商品のヒットではありません。
顧客が抱える不安という見えにくい課題を徹底的に分析し、それを解消する仕組みを作り上げた結果、これまで存在しなかった市場を創り出しました。
ジャパネットの事例は、どんな業界にも通じる重要なヒントを示しています。
それは、顧客の本当のニーズを理解することこそが、最強の競争力になるということです。
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