ローソンストア100が発売した「焼肉のタレかけご飯」(268円)が、SNSで日本の不景気の象徴として大きな話題になりました。
TikTokで投稿された写真が100万回再生を超え、「ついにここまで来たのか」という嘆きの声から、「これが一番うまい」と肯定する声まで、反応は真っ二つです。
しかし、実はこの商品、ネットで言われているような極限の節約弁当とは少し違う背景があるようです。
タレご飯がここまで燃えた理由とローソンの本当の狙い
炎上の発端となったのは、あるTikTokユーザーが『焼肉のタレかけご飯』の写真とともに「ついに日本はここまできたか〜」と投稿したことでした。
この投稿が100万回以上再生され、「日本は貧民国になったよね」「おかずすら用意できない国になったのか」といった、経済状況と結びつけた受け止め方が一気に広がっていきます。
物価高や実質賃金の低下が続く中で、タレだけの弁当は、見る人の不安や不満を投影しやすい象徴になってしまったと言えます。
さらに、ローソンストア100には以前から、ウインナーだけ、卵焼きだけ、などの「だけ弁当シリーズ」があり、「コスト削減の行き着く先」として注目されてきた経緯もあります。
その流れの中で、タレだけのご飯が登場したことで、「ついにここまできた」と受け止められ、炎上に燃料を投じる形になりました。
しかし、ローソン側の説明はまったく異なります。
近年は「ご飯に調味料をかけて食べる」「おかずを自分好みに組み合わせる」といった、簡便で自由度の高い食べ方が広がっており、今回の商品もそうしたニーズを踏まえて企画されたといいます。
開発担当者の「焼肉のタレが染みたご飯って一番おいしいよね」というワンバンご飯の体験が出発点であり、あくまで身近なあるあるを商品化したものでした。
また、この商品はローソン側が強調しているように、これ一つで完結する弁当ではなく、「好きなおかずを足して自分だけの丼に仕上げるベース」という位置づけです。
焼き鳥やからあげ、目玉焼き、カット野菜などを足してアレンジすることを前提にしており、だからこそ価格も抑えた構成になっています。
数量限定企画であり、「だけ弁当シリーズ」のように継続展開を前提にしたものでもありません。
それでも炎上してしまったのは、タレだけというビジュアルのインパクト、長引く不景気ムード、そして「だけ弁当」という過去の文脈が重なったからこそです。
企業が意図したのは、手軽でリアルなタレご飯でしたが、受け取る側はそこに今の日本の姿を重ねてしまったのですね。
そのギャップこそが、この騒動の核心だと言えるのかもしれません。
SNSの声は
「これは燃えても仕方ないな」
「こんな悲しい時代が来たのか…」
「本当の貧乏人は268円でこれを買おうと思わんよ」
「タレご飯だけをレジには持っていくメンタルがない…」
「ローソンの気持ちもわかるが、アレンジは自分の家でやることなんじゃ!」
「100円ならありやと思ったが、268円は草」
「玉出かと思うたわ…」
「これが一番うまい!」
「これが美味しいのはわかるけど、買おうとはなかなか思わんよな」
「逆に買ってみたいけどな」
「ドンキの偏食愛シリーズあるんやから、許してやれよー」
「2000年頃の牛丼最安値が280円くらいだったと考えると悲しいわ」
「つぎはうなぎのタレご飯だな」
「むしろこういうシャレを楽しむ余裕もなくなったってことか?」
などの声がありました。
まとめ
物価高や将来不安が渦巻く今の日本では、そのシンプルさが貧しさの象徴として映ってしまいました。
1つの弁当をめぐる炎上劇は、コンビニ商品の是非だけでなく、私たちが置かれている社会状況やそこに重ねてしまう感情までも浮き彫りにしたと言えるのではないでしょうか。
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