「熱中症が心配で、スポーツドリンクを毎日飲んでいる」「水分を摂っているのに、すぐにのどが渇く」そんな状態が続いていませんか。
暑い季節も、ジュースやスポーツドリンクなどの糖分を含む飲み物を大量に摂り続けると、ペットボトル症候群につながることがあります。
今回は、ペットボトル症候群の症状と、水分補給の見直し方、生活習慣や漢方薬による体質ケアについてご紹介します。
ペットボトル症候群とは?

ペットボトル症候群は、糖分を多く含む飲み物によって起こる急激な高血糖状態です。
まずは、からだの中でどのような変化が起こるのかをみていきましょう。
甘い飲み物で血糖値が上がる
ペットボトル症候群の正式名称は「清涼飲料水ケトーシス」です。
清涼飲料水を連日大量に飲み、血糖値と体内のケトン体が増えた状態を指します。
糖をエネルギーとして使うには、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンが必要です。
血糖値が大幅に上がってインスリンが十分に働かないと、からだは糖の代わりに脂肪を分解します。
その際に生じるケトン体が増えすぎると、吐き気や腹痛、意識障害などにつながるおそれがあります。
糖尿病と診断されていない人でも起こる可能性があるため、油断はできません。
のどが渇いてさらに飲む悪循環
血糖値が高くなると、からだは余分な糖を尿と一緒に排出しようとします。
尿の量が増えて水分が失われるため、強いのどの渇きを感じます。
そこで水やお茶ではなく、甘い飲み物を選ぶと、血糖値がより上がってしまいます。
「血糖値が上がる」「のどが渇く」「甘い飲み物を飲む」という悪循環に陥りやすいのが特徴です。
ペットボトル症候群の主な症状
次のような症状が重なっていないか確認しましょう。
のどの渇き・尿の増加
水分を摂っているのに強いのどの渇きが続き、飲む量が急に増えた場合は注意が必要です。
血糖値が著しく高くなると、余分な糖と一緒に水分が尿へ排出されるため、尿の回数や量も増えます。
夜中に何度もトイレに起きるようになった場合も、単なる水分の摂り過ぎとは限りません。
だるさ・眠気・体重の変化
糖をうまくエネルギーとして使えなくなると、だるさや疲れやすさ、ぼんやりする感じがあらわれることがあります。
甘い飲み物で体重が増える一方、高血糖が進むと脂肪や筋肉が分解され、急に体重が減る場合もあります。
強い口渇や多尿、吐き気、腹痛、急な体重減少、意識がぼんやりするなどの症状があるときは、甘い飲み物を控えるだけで済ませず、早めに医療機関を受診してください。
ペットボトル症候群を防ぐ水分補給のコツ4選
水分量を減らすのではなく、飲み物の種類や飲み方を変えましょう。
普段は水や無糖のお茶を選ぶ
日常の水分補給は、水や麦茶などの糖分を含まない飲み物を基本にしましょう。
汗を大量にかいていない場面では、スポーツドリンクを水代わりにする必要はありません。
のどが渇く前から、少量ずつこまめに飲むことも大切です。
スポーツドリンクは必要な場面だけにする
スポーツドリンクは、大量に汗をかいた運動後や屋外作業時など、水分と塩分を補いたい場面で役立ちます。
一方で糖分も含まれるため、1日中飲み続ける習慣は避けましょう。
経口補水液は日常の水分補給用ではなく、脱水状態のときに使う飲み物です。
栄養成分表示で糖分を確認する
「スポーツ用」「ビタミン入り」と書かれていても、糖分が少ないとは限りません。
容器の栄養成分表示を確認し、炭水化物や糖類の量を見て選びましょう。
100ml当たりで表示されている場合は、1本分では何gになるかを確認することがポイントです。
甘い飲み物を少しずつ減らす
甘い飲み物を毎日飲む人は、急に禁止するより無理なく減らしましょう。
大容量から小さいサイズへ変える、1本飲んだら次は水にする、無糖の炭酸水に置き換えるなどの方法があります。
健康的な夏を過ごすための生活習慣と漢方ケア
食事や睡眠も見直し、体質に合わせた内側からのケアを考えましょう。
食事・睡眠・運動を見直す
食事を抜くと空腹感が強まり、手軽にエネルギーを補える甘い飲み物が欲しくなることがあります。
甘い飲み物に頼りすぎず、主食、主菜、副菜を食べるようにし、睡眠不足をエナジードリンクで乗り切る習慣を見直すことを意識しましょう。
散歩などの軽い運動を無理のない範囲で続けることも、体重管理や生活習慣の改善に役立ちます。
体質に合った漢方薬を取り入れる
東洋医学では、体重増加や疲れやすさだけでなく、体力、食欲、便通、冷え、むくみなどを含めて体質をみます。
たとえば、疲れやすく、食欲が落ちやすい人には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が用いられることがあります。
補中益気湯は、胃腸の働きを助けながら、だるさや疲労感、気力の低下などの改善を目指す漢方薬です。
疲れやだるさを感じるたびに甘い飲み物を飲んでしまう人は、体質に合った漢方薬でからだを整えるという選択肢もあります。
ただし、漢方薬はペットボトル症候群による急激な高血糖を治すものではありません。
重い症状がある場合は医療機関での治療を優先し、漢方薬は生活習慣を見直しながら、太りやすさや便通などの悩みに合わせて取り入れましょう。
自分で選ぶのが難しい人には、オンラインで薬剤師に相談できる「あんしん漢方」があります。
体質に合う漢方薬が自宅に届くため、忙しい人でも続けやすいサービスです。
自宅で漢方薬に詳しい専門家に相談しながら、自分にぴったりの漢方薬を選ぶことができるため、出かけるのが厳しい夏でもOK。
ぜひ一度利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ペットボトル症候群は、糖分を多く含む飲み物を大量に飲み続けることで起こる可能性があります。
普段の水分補給は水や無糖のお茶を基本にし、スポーツドリンクは大量に汗をかいた場面などで使い分けましょう。
強いのどの渇きや尿の増加、急な体重減少などがある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
飲み物に加えて食事や睡眠、運動も見直し、必要に応じて専門家に相談しながら、体質に合った漢方ケアを続けていきましょう。
<この記事の監修者>

医師|木村 眞樹子(きむらまきこ)
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
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