ねえ……ちょっと、刺激強い話してもいい?そう前置きしてからじゃないと話せないくらい、私の胸の中は今でもザワザワしてる。
春に越してきた新しいママ友の玲奈さん、あのやたら感じよくて美人な人、覚えてる?
うんうん、子ども同い年の?
そう、その玲奈さんの旦那さんがね…実は私の浮気相手だったの。
……え、えええええ!? ちょっと待って、なにそれ、ドラマ?
やばくない?いや、自分で言ってても震えるんだけど…。
出会いは2年前、まさか隣に越してくるなんて…
出会ったのは1年以上前、夫婦仲が冷えきってた頃、ちょっとした衝動で登録した地域のヨガ教室、そのあと有志で飲みに行ったときに彼と出会ったんだけど、気づいたらお互い危ない方向に落ちてた。
一度だけのつもりだったのに、彼が触れると身体の奥が勝手に反応してしまうような、あの説明できない感覚、女としてのスイッチを全部持っていかれたんだよね。
お互いに家庭の話はほとんどしなかったから、まさか子どもがうちと同い年のママ友の旦那とは気づきもしなくてさ…。
「でさ、引っ越してきた日の夕方に、挨拶に来てくれたの。玲奈さんと、後ろにちょっと疲れた顔した旦那さんと、かわいい息子。」
「もうその時点で気づいたん?」
「いや、私もポカーンだよ。だって家の中でエプロンして、『こんにちは〜隣に越してきました』って言われて、その後ろから例の彼が出てきたの。」
「ひゃー……心臓止まる。」
「ほんと止まった。皿落ちるかと思った。だってさ、向こうも気づいてるはずなんだよ。私の顔見て、一瞬だけ“あっ”っていう顔したもん。」
「玲奈さんは全然気づいてない感じで、『これから仲良くしてくださいね〜』ってニコニコなの。あの笑顔が優しいほど、私の胃がキリキリしてさ。」
「わかる、罪悪感マシマシのやつ。」
「うん。でもその後、彼が私に向けて一瞬だけ小さく首を振ったの。言うなってことなんだと思う。あの瞬間にもう色々悟ったよ。」
その夜が、全部を狂わせた
ある日の夜10時すぎ、外でちょっとした物音がして、ゴミ袋が破れてるのに気づいて外に出たの。
まさかのタイミングで、彼もちょうど外に出てきていた。
「……なんで出てくるの」
小声なのに、あの頃と同じ低いトーンだった、胸の奥が嫌な意味じゃなくギュッとなった。
「いや、ゴミが……」とか言い訳してたけど、ほんとは目を逸らすのに必死だった。
なのに彼が近づいてきて、息すら殺しながら玄関の影で一瞬だけ抱き寄せられた。
ただ抱き合っただけなのに、背中が震えるほど全部が戻ってきた。
翌週、旦那が出張で不在、奥さんが実家に帰省しているタイミングで、私の家の灯りをひとつだけ付けておくという合図。
インターホンも鳴らさず、静かに扉が開いた。
罪悪感はある、でもその夜だけは、ずっと欲しかった自分としての居場所を感じてしまったの。
ねえ……私、どうしたらいいと思う?表面上は仲良しの隣人、裏ではまた始まった関係、こんなの普通に生活できるはずないよね。
このままだと、いつか全部バレるよね……わかってるのに…。
まとめ
理性では「いけない」とわかっているのに、心と身体は簡単には止められない。
家庭という現実と求められる幸福感、その狭間で揺れ続ける時間は甘さよりもむしろ苦しさの方が大きいのに、それでも離れられない自分、このまま続けばいつか必ず壊れるものがある、それでも最後の一度を欲しがってしまう気持ち…もしあなたが同じ状況に立ったらどうしますか?
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