毎年、大晦日の夜を彩る「紅白歌合戦」、しかし時に思わぬ波紋を呼ぶシーンが生まれることがあります。
今回は、紅白の歴史の中でも特に大きな注目を集めた女性芸能人の話題のステージを3つ厳選し紹介します。
大島優子

2013年の紅白歌合戦で最も話題をさらったのは、AKB48の大島優子さんのサプライズ卒業発表でした。
AKB48のメドレーが終わりに差しかかった瞬間、彼女は突然「私、大島優子はAKB48を卒業します!」と宣言し、会場は騒然となりました。
ほとんどのメンバーが事前に知らされておらず、涙ぐむメンバーや驚きで固まる表情がカメラに映り、視聴者にも生々しい緊張が伝わるステージになりました。
当時は「生放送を私物化した」「紅白で発表する必要はあったのか」と賛否が分かれ、一部では批判も噴出、紅白は多くのアーティストが出演する国民的番組であるため、大島さんの個人的な発表が紅白の空気を壊してしまったと指摘されたのです。
この一件以降、紅白では重大発表やスキャンダル性のある演出に対してNHKが慎重になり、生放送中のサプライズは避ける傾向が強まります。
現在の紅白に大きな発表がほとんどなくなった背景には、この事件が一つのターニングポイントとなったと言われています。
小林幸子

紅白のラスボスと呼ばれてきた小林幸子さん、毎年巨大な衣装と仕掛けで視聴者を驚かせてきましたが、その裏にはとんでもないトラブルも存在しました。
2003年の紅白歌合戦では、総制作費約1億円とも言われる巨大衣装に電動で動く羽や仕掛けが施されていましたが、本番ではそのうちの複数の羽が動かず、計算されていた演出の山場が完全に不発に終わってしまったのです。
華やかに広がるはずの羽が閉じたまま動かず、巨大装置の中で歌う小林さんの姿はある意味で放送事故級のインパクトでした。
さらにこの出来事の後、小林さんは事務所との独立トラブルに巻き込まれ、その余波でNHKとの関係も悪化、結果として数年間紅白への出場が途絶える時期があり、「トラブルが続いた末に紅白から遠ざかった」というイメージが定着しました。
とはいえ、彼女のステージは紅白史に残る名演出ばかりで、近年再登場した際には復活のラスボスとして多くの視聴者から歓迎の声が寄せられました。
小林幸子さんの存在は、紅白における「ステージ演出の象徴」とも言えるでしょう。
櫻坂46

2017年の紅白歌合戦で最も大きな波紋を呼んだのが、欅坂46による「不協和音」パフォーマンス直後に複数のメンバーが倒れ込んだ出来事です。
センターの平手友梨奈さんをはじめ、鈴本美愉さん、志田愛佳さんらがステージ直後に崩れ落ち、視聴者にも強烈な緊張感が伝わった瞬間でした。
「不協和音」は激しい動きと強烈な表現力を要求される楽曲で、当時の欅坂46は多忙なスケジュールの中で連日リハーサルを重ねていた為、極度の疲労や過呼吸に近い状態になった可能性が指摘されます。
このシーンはSNSで瞬く間に拡散し、「アイドルにここまで激しいパフォーマンスを課すべきなのか」「もっと安全配慮が必要では?」と議論が巻き起こりました。
NHKは「演出上の問題ではなく体調によるもの」と説明しましたが、「安全管理は十分だったのか」「演出側の判断は正しかったのか」といった論争はしばらく続くことになります。
この出来事は、アイドルの身体的負担やエンタメと安全のバランスについて改めて考えるきっかけになったと言われています。
なお、欅坂46は2020年にグループ名を「櫻坂46」へと改名、現在の櫻坂46は、欅坂とは違うスタイルや世界観で活動しており、紅白での「倒れ込み事件」も、彼女たちが抱えていた過酷さや表現への真剣さを象徴する出来事として語り継がれています。
まとめ
紅白歌合戦は多くの人が注目する国民的イベントであり、生放送の緊張感が思わぬ伝説を生み出してきました。
これらのハプニングは、エンターテインメントの魅力と生放送の怖さを同時に物語っています。
今後の紅白がどのように進化し、どんなステージを見せてくれるのか…その裏側には今回紹介したような「教訓」が生かされているのかもしれません。
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