なぜ140年以上も未完成?サグラダ・ファミリアを襲った苦難…完成目前に浮上したガウディを巡る新たな問題とは?

なぜ140年以上も未完成?サグラダ・ファミリアを襲った苦難…完成目前に浮上したガウディを巡る新たな問題とは?

スペイン・バルセロナの象徴として知られるサグラダ・ファミリア、永遠に完成しない建築とまで呼ばれてきましたが、1882年の着工から140年以上を経て、ついに完成が現実的なものとなってきました。

しかし、なぜ現代の技術を使ってもこれほど長い時間が必要なのでしょうか?その秘密に迫ってみます。

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サグラダ・ファミリアはなぜ140年以上も完成しなかった?

サグラダ・ファミリア

サグラダ・ファミリアは1882年に着工しましたが、実はガウディが最初から設計した建築ではありませんでした。

初代建築家の辞任後、当時31歳だったアントニ・ガウディが計画を引き継ぎ、それまでの案を大幅に変更、自然界の曲線や植物の構造を取り入れた前例のない巨大聖堂へと発展させました。

しかし、その複雑さが建設を難しくし、まだコンピューターのない時代、ガウディは紐と重りを吊るした逆さ吊り模型を使い、重力を利用して複雑な柱やアーチの形を導き出しました。

さらに大きな問題が資金面、サグラダ・ファミリアは贖罪教会として寄付を中心に建設され、資金が集まらなければ工事も進みませんでした。

そうした中、1926年にガウディは路面電車にはねられ73歳で死去、さらに1936年のスペイン内戦では工房が襲撃され、残されていた図面や石膏模型の多くも破壊されます。

後世の建築家や職人たちは、残った資料や模型の破片を復元しながら、ガウディの意図を読み解いて建設を続ける中、21世紀に入ると状況が大きく変化します。

3次元設計やコンピューターによる構造解析、精密加工などの技術が発達し、複雑な形状を正確かつ効率的に造れるようになり、さらに世界的観光地となったことで入場料収入も増え、建設は一気に加速していったのです。

完成が見えてきた今、新たな問題が浮上

2026年には、高さ172.5メートルに達する中央の「イエス・キリストの塔」が大きな節目を迎えました。

ガウディは、人間が造る建築物が神の創造した自然を超えるべきではないと考え、バルセロナのモンジュイックの丘を意識して高さを設定したとされています。

しかし、これでサグラダ・ファミリア全体が完成したわけではなく、正面部分となる栄光のファサード(栄光の門)や装飾など、まだ大規模な工事が残されています。

そして皮肉なことに、技術的な問題を克服した現在、最後の壁となっているのは人間社会です。

特に議論となっているのが、栄光のファサード前に計画されている巨大なアクセス部分で、着工から140年以上が経過する間に周囲は市街地となり、現在では住宅などが建っています。

ガウディの構想を実現しようとすれば住民への影響が避けられず、そもそも現在想定されている計画が本当にガウディの意図したものなのか?という議論や、現在造られている部分をどこまでガウディ作品と呼べるのか?という根本的な問題も残ります。

内戦で資料の多くが失われたため、後世の建築家は残された模型や資料、証言からガウディの思想を読み解いてきましたが、世界遺産「アントニ・ガウディの作品群」に含まれるのも、サグラダ・ファミリア全体ではなく、ガウディが直接関わった生誕のファサードと地下聖堂です。

かつては、技術が追いつかない・資金が足りないという問題で完成しなかった建築が、現代ではガウディの意思をどこまで再現するのか?という別の難題に直面しているのです。

完成した瞬間が物語の終わりではなく、その姿をどう守りガウディの意思をどう未来へ伝えていくのか…サグラダ・ファミリアは完成後もなお、人々に答えを問い続ける建築になりそうです。

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