スウェーデン発の家具チェーン「IKEA」が、2026年2月に原宿店と新宿店を相次いで閉店、2020年以降は都心への出店を進めてきたIKEAですが、現在は渋谷店のみが営業を続けています。
世界では500店舗以上を展開する巨大企業でありながら、日本ではなぜ苦戦しているのでしょうか。
IKEAの都心戦略はなぜ失敗したのか?
IKEAといえば、郊外にある巨大な店舗を思い浮かべる人が多いでしょう。
広いショールームで実際の部屋をイメージしながら家具を選び、倉庫で商品を受け取り、自分で持ち帰って組み立てる、この体験そのものがIKEAの魅力でした。
しかし、原宿や新宿にオープンした都心型店舗では、雑貨やキッチン用品など持ち帰れる商品を中心に販売、家具を見て購入するという本来の強みを十分に生かすことができませんでした。
IKEAは車で来店することを前提としたビジネスモデル、都心では電車利用者が中心なため、大きな家具をそのまま持ち帰る人は少なく、来店してもレストランやカフェ、雑貨だけを楽しみ、家具は購入しないというケースも少なくありませんでした。
加えて、日本では欧米ほどDIY文化が浸透しておらず、「最初から完成品がほしい」「組み立ては面倒」と考える人も多く、ここにも文化の違いが表れています。
さらに、都市部では住宅そのものがコンパクトで、デザイン性は高く評価されながらも、日本の住環境との相性という課題が浮き彫りになりました。
日本市場で立ちはだかる「ニトリ一強」の現実
IKEAが苦戦する一方、日本の家具市場で圧倒的な存在感を放っているのがニトリです。
ニトリは全国800店舗以上を展開し、「お、ねだん以上。」を掲げて日本全国に店舗網を広げています。
商品のサイズも日本の住宅事情を考慮して作られており、店内は必要な商品を探しやすいレイアウト、組み立ても比較的シンプルで配送や組み立てサービスも充実しています。
一方のIKEAは、迷路のような売り場を歩きながら商品を発見していくスタイルで、買い物を楽しむという点では魅力ですが、目的の商品だけを短時間で購入したい利用者にとっては、不便だと感じることもあります。
また、IKEAは大型店舗の出店も思うように進まず、札幌や広島では出店計画が中止されるなど、当初予定していた店舗網を構築できていません。
日本法人は2025年8月期に約48億円の営業赤字を計上し、近年は赤字幅も拡大しています。
こうした厳しい市場環境の中で、ブランド力だけではシェアを広げることは難しく、日本市場へのさらなる適応が求められています。
それでもIKEAには、北欧デザインや世界観を楽しめる唯一無二の魅力があります。
今後、日本市場に合わせた商品やサービスをどこまで進化させられるのか?渋谷店をはじめとした今後の戦略に注目が集まりそうですね。
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