最近、駅構内や商業施設、観光地で「生搾りオレンジジュース自販機」を見かける機会が急増しています。
世界的にオレンジ不足や価格高騰が叫ばれる中、なぜオレンジを大量に使う自販機ビジネスがここまで拡大しているのでしょうか?
生搾りの体験価値が生んだ需要
生搾りオレンジジュース自販機が注目を集めている最大の理由は、注文後にオレンジが丸ごと機械へ落ち、3〜4個分がその場で搾られ、約45秒でカップに注がれます。
砂糖や水は一切加えず果汁100%、透明パネル越しに工程が見えることで、購入者は出来上がる瞬間まで含めて楽しめるのです。
実際に飲んだ人からは、「普通のオレンジジュースとは別物」「果肉のつぶつぶ感が全然違う」「オレンジをそのまま飲んでいる感じがする」といった声が多く聞かれます。
価格は280mLで350円と、ペットボトル飲料に比べれば高く感じますが、カフェでフレッシュジュースを頼むよりは安く、ちょっとした贅沢として受け入れられているのです。
また、オレンジ不足が話題になることで、「今だからこそ飲んでみたい」「店頭でオレンジが高いなら、350円で4個分飲めるのはお得」という心理も働き、逆に需要を後押ししている面もあります。
オレンジ不足というニュース自体が、この自販機の存在価値を強調する宣伝材料にもなっているのです。
安定供給と低価格を両立できる理由は?
この急拡大を支えている代表的な企業が、シンガポール発の IJOOZ(アイジュース)です。
IJOOZではアメリカ産・オーストラリア産を中心に、独自基準を満たした農家と直接契約しています。
北半球と南半球の両方に契約農場を分散させ、さらに同一地域でも複数農場と契約することで、天候不順や災害による供給リスクを最小化しています。
また、IJOOZの母体は、もともと在庫管理システムを開発してきたIT企業で、その強みを活かし各自販機にはSIMカードを搭載、売上数だけでなく、オレンジの残数、カップやストローの在庫、メンテナンス状況までをリアルタイムで管理しています。
これにより、補充が必要な自販機だけに人員を派遣でき、無駄な物流や人件費を大幅に削減、オレンジ3〜4個分を使いながらも、350円という価格を維持できているのです。
設置側にもメリットがある新モデル
生搾りオレンジジュース自販機が急増している理由は、消費者側だけでなく設置する側にも明確なメリットがあります。
この自販機は製造工程が見えるため、子どもやファミリー層が足を止め自然と人だかりが生まれる為、商業施設や駅構内では行列ができるケースも珍しくありません。
設置場所は商業施設だけでなく、駅、温浴施設、観光地、ジム、遊園地などへと広がっており、「自販機を置くだけで集客効果がある」という点が高く評価されています。
こうした背景から、生搾りオレンジジュース自販機は単なる飲料販売機ではなく、飲料+エンタメ+集客装置という新しいビジネスモデルとして成立しているのです。
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)