夕方になると、無性にチョコレートが食べたくなる、夕食後、おなかはいっぱいなのにアイスを探してしまう、「今日こそ控えよう」と決めていたのに食べてしまい、あとから落ち込む人もいるでしょう。
甘いものがやめられないと、「自分は意志が弱い」と考えがちです。
しかし、甘いものに手が伸びるまでには、その日の疲れや食事の内容、いつもの行動など、いくつものきっかけがあります。
甘いものだけを悪者にするのではなく、食べたくなる前の生活に目を向けることが大切です。
この記事では、甘いものとの付き合い方を見直しながら、食事と腸を整えるヒントをご紹介します。
甘いものがやめられない背景にあるもの
甘いものを食べたくなるのは、単に空腹だからとは限りません。
疲れを癒やしたい気持ちや、十分に食事をとれていないことが関係している場合もあります。
疲れやストレスで甘いものが習慣になる
一日の仕事や家事を終えたあと、甘いものを食べると、ほっとした気分になることがあります。
その経験が何度も重なると「疲れたらチョコレート」「嫌なことがあったらケーキ」という行動が、一日の決まった流れになっていきます。
このときに求めているのは、食べ物そのものよりも、休息や気分転換かもしれません。
たとえば、子どもを寝かしつけたあとに毎晩アイスを食べる場合、アイスが「自分の時間が始まる合図」になっている可能性があります。
甘いものを手に取る前に「いま、おなかが空いているのか」「今日は気疲れしているのか」と一度立ち止まってみると、自分なりのきっかけが見えてきます。
食事が少ないと夕方に欲しくなりやすい
朝はコーヒーだけ、昼はパンをひとつだけという日には、夕方までに空腹が強くなります。
そのタイミングでお菓子が目に入れば、我慢し続けるのは難しいでしょう。
甘いものを減らしたいときほど、先に確認したいのが朝食と昼食です。
ごはんやパンだけで済ませず、卵、魚、肉、大豆製品なども加えると、食事の内容が整いやすくなります。
たとえば、おにぎりだけだった昼食に、ゆで卵や具だくさんのスープを追加する方法があります。
準備する余裕がない日は、納豆、豆腐、ヨーグルトなど、すぐに食べられるものでも構いません。
「お菓子を食べないように頑張る」よりも、「夕方まで空腹をためない」と考えるほうが、無理なく取り組めます。
甘いものが増えると食生活と腸はどう変わる?

一度お菓子を食べたからといって、すぐに腸の状態が大きく変わるわけではありません。
気をつけたいのは、甘いものによって、ほかの食品を食べる機会が減ることです。
野菜やたんぱく質を摂る機会が減る
菓子パンで昼食を済ませたり、お菓子で満腹になって夕食を残したりすると、肉や魚、野菜、海藻、豆類などの摂取量が少なくなります。
とくに腸活で意識したいのが食物繊維です。
食物繊維のなかには、小腸で消化されずに大腸へ届き、腸内細菌に利用されるものがあります。
食物繊維の種類によって、腸内細菌への影響が異なることも研究されています。
野菜だけでなく、きのこ、海藻、豆類、果物、穀類など、さまざまな食品から摂ることがポイントです。
たとえば、いつもの味噌汁にわかめやきのこを加える、ごはんにもち麦を混ぜる、おかずに納豆を足すといった方法なら、献立を大きく変えなくても始められます。
腸と脳は互いに影響し合っている
腸と脳のあいだでは、神経やホルモン、免疫の仕組みなどを通して情報が行き来しています。
こうした双方向の関係が「腸脳相関」です。
緊張するとおなかが痛くなる、旅行先では便秘になるといった変化も、脳で感じたストレスが腸へ伝わる例といえます。
反対に、腸や腸内細菌の状態が食欲、満腹感、ストレス反応などに関係する可能性についても研究が進められています。
ただし、腸内環境を整えれば、甘いものへの欲求がなくなると断言できる段階ではありません。
睡眠不足、疲労、食事量、生理前の変化、生活上の習慣なども含めて、自分の食べ方を広く見直すことが大切です。
甘いものを我慢しすぎず食生活を整える方法
甘いものを完全に禁止すると、かえって食べたい気持ちが強くなる人もいます。
ゼロを目指すのではなく、食事と間食の形を少しずつ組み替えていきましょう。
まずは朝食と昼食を整える
お菓子を減らす前に、午前中から昼にかけて何を食べたかを振り返ります。
主食だけで済ませている場合は、卵や魚、肉、大豆製品などをひとつ追加してみてください。
さらに、野菜、きのこ、海藻を使った一品があると、食物繊維も補いやすくなります。
毎食完璧にそろえる必要はありません。朝に野菜を食べられなかったら、昼や夜に補うなど、一日単位で考えると続けやすくなります。
食事を整えたうえで、ヨーグルトや納豆、味噌などの発酵食品を、食べやすい形で取り入れるのもいいでしょう。
間食の量と食べ方を決める
大袋のお菓子を手元に置くと、食べた量がわかりにくくなります。
先に食べる分だけを小皿へ移し、残りは棚へ戻してから座ると、間食の終わりを決めやすくなりますよ。
厚生労働省の情報では、お菓子や甘い飲み物などの目安は、一日200kcal程度です。
また、間食に果物や乳製品を組み合わせることで、ビタミンやミネラルなども補えると紹介されています。
甘いものが欲しいときに、ヨーグルトに果物を加える、クッキーと一緒に無糖の飲み物を用意するなど、満足しやすい食べ方を探してみてください。
食事だけで腸活を続けにくい場合は、乳酸菌やビフィズス菌、オリゴ糖、食物繊維などを含む健康食品やサプリメントを補助的に使う方法もあります。
ただ飲むだけで終わらせず、サプリメントをとるタイミングで、その日の食事やおなかの調子を振り返る習慣にすると、生活全体を見直すきっかけになります。
まとめ
甘いものがやめられないときは、食べてしまった自分を責める前に、その日の食事や過ごし方を振り返ってみてください。
朝食や昼食が少なかった、夕方まで休めなかった、決まった場面で食べる習慣ができていたなど、甘いものに手が伸びる理由が見つかるかもしれません。
甘いものを完全に遠ざける必要はありません。
午前と昼の食事を整える、間食を小皿に出す、食物繊維や発酵食品を取り入れるなど、できることから始めてみましょう。
我慢を重ねるのではなく、食生活とおなかの状態に目を向けることが、無理なく続けられる腸活への第一歩です。
<この記事の監修者>

山形ゆかり(やまがたゆかり)|薬剤師・薬膳アドバイザー・フェムケアサポーター
糖尿病病棟での勤務経験から、予防医学と食事の重要性を痛感し、薬膳・発酵・フェムケアの専門家として独立。「腸内環境は健康の土台」の信念とエビデンスを軸に、飲食店や薬膳サロンなどの開発・レシピ監修に携わる。私生活でも、自家製味噌やキムチを欠かさない攻めの腸活を実践。季節の食材と薬膳を組み合わせた独自の「腸にやさしいレシピ」を探求し続けている。
【今日から腸活】
Instagram:chokatsu_today
X:@chokatsu_today
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)

