かつては、大手コンビニ3社と肩を並べるほどの勢いがあった、山崎製パンが運営する「デイリーヤマザキ」、1990年代には2500店舗以上を展開し、ファミリーマートより店舗数が多かった時期もあったといわれています。
しかし、現在の店舗数は約1250店舗とピークの半分ほどに減少、なぜここまで店舗数が減ってしまったのでしょうか?
デイリーヤマザキの誕生
デイリーヤマザキは1970年代、山崎製パンがコンビニ事業に参入したことで誕生しました。
もともと山崎製パンの商品を扱っていた小売店をコンビニ化するケースが増えており、販路を守る目的もあってコンビニチェーンの展開を始めたとされています。
その結果、個人商店が加盟する形で店舗が増えていき、1990年代には「ヤマザキデイリーストアー」や「サンエブリー」などを含め、約2500店舗にまで拡大しました。
デイリーヤマザキは、加盟店の自由度が非常に高く、商品の値引き販売を認めたり、24時間営業を義務付けなかったり、商品の配置や品ぞろえが異なるなど、店舗ごとに柔軟な運営ができるなど、チェーン店でありながら個人商店のような雰囲気を残している点も特徴でした。
こうした自由さは、地域の事情に合わせた店づくりができるというメリットがあり、多くの個人商店が加盟する理由にもなっていました。
自由さが弱点に?大手コンビニとの差が拡大
しかし、この自由度の高さはコンビニ業界が成熟するにつれて弱点にもなっていきます。
セブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソンといった大手チェーンは、プライベートブランド商品の開発や店舗レイアウトの標準化を進め、どの店舗でも同じ商品とサービスが提供される仕組みを作り上げました。
これにより、効率的な物流や販売戦略が可能になり、店舗あたりの売上を大きく伸ばしていったのです。
一方、デイリーヤマザキはパンを中心とした商品構成に強みを持ちながらも、コンビニとしての最適化が遅れたと指摘されています。
さらに、売上規模の差は立地競争にも影響し、駅前などの好立地に出店する機会が少なくなったことで、店舗数の減少につながったと考えられています。
ただし、デイリーヤマザキには今でも独自の魅力があり、その代表的なものが店内でパンやおにぎり、総菜などを作る「デイリーホット」です。
近年は米の価格上昇の影響でパンを選ぶ人も増えており、パンを主力とするデイリーヤマザキにとっては追い風になっています。
店舗数こそ減ったものの、こうした特徴を活かした店舗づくりによって売上は回復傾向にあるともいわれています。
まとめ
デイリーヤマザキは、加盟店の自由度の高さという特徴が、コンビニ業界の効率化競争の中で弱点になってしまったことがあると考えられています。
しかし一方で、店内でパンを焼いたりおにぎりを作ったりする「デイリーホット」など、他のコンビニにはない魅力を持っているのも事実です。
規模では大手に及ばなくても、こうした独自の強みを活かすことで、デイリーヤマザキが再び存在感を取り戻す可能性は十分にあるのかもしれません。
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