続々と梅雨明けの情報が届き、本格的な猛暑がやってきました。
夏バテ対策はできていますか?
昔は炎天下の暑さによる症状だけが夏バテだといわれていましたが、気候やライフスタイルの変化にともない夏バテの原因や症状も多様化しています。
この記事では、現代の夏バテの原因と対策を紹介します。
現代の夏バテ…原因は暑さじゃない?
夏バテとは、からだのだるさ、食欲不振、倦怠感など夏の暑さによる体調不良です。
最近では、従来の夏バテにくわえて「冷房バテ」や「食冷えバテ」も注目されています。
冷房バテは急激な気温差が原因です。
昔は、季節の変化とともに徐々に気温が上がりましたが、最近は気候変動の影響で急に真夏日になることが増えました。
また、職場や外出先には空調が完備されており、室内と室外の温度差もあります。
このような急激な気温差にからだが適応できず、自律神経のバランスが崩れることでさまざまな体調不良を引き起こしてしまうのです。
食冷えバテは、冷たいものの摂り過ぎが原因です。
暑いからといって、冷たい食べものや飲みものを摂りすぎてしまうと、胃腸が冷えて、胃もたれや下痢を引き起こすことがあります。
このように、夏の暑さだけでなく、気温差や冷たいものによっても、夏バテになることがあるので注意が必要です。
【自己診断】あなたの夏バテリスクは?
あなたのライフスタイルの夏バテリスクを調べてみましょう。
当てはまるものはいくつありますか?
(1)屋外と屋内の出入りが日中に3回以上ある
(2) エアコンの設定は25度以下である
(3) 1日の大半を、冷房が効いた場所で過ごしている
(4) 温かい食べものより、そうめんなどの冷たい食べものを食べることが多い
(5) 飲みものは、冷えているものを飲む
(2) (3)にチェックがついた人は冷房バテのリスクがあります。
自律神経が乱れ、イライラしたり眠りにつきにくくなったりしやすい状態です。
(4) (5) にチェックがついた人は食冷えバテのリスクがあります。
胃腸が冷えて、おなかを下しやすい状態です。
また、自律神経の乱れや胃腸の冷えは、ホルモンバランスに影響して生理痛をひどくしたり、血や栄養の巡りを悪くして頭痛・肩こり・むくみを引き起こしたりもします。
チェックが多かった人は、本格的な夏が始まる前に対策を考えておきましょう。
夏バテを予防する生活習慣の見直しポイント
夏バテは生活習慣を整えることで予防できます。
今日からできる夏バテ対策を紹介するので、できるものから取り入れていきましょう。
1.就寝環境を見直す
就寝環境を見直し、良質な睡眠をとることは心身の健康につながります。
強い光は自律神経のバランスを崩すため、寝る直前のパソコンやスマホの使用は禁物。
夜にパソコンやスマホを使用するときは、ブルーライトカットメガネをかけたり画面の明るさを調節したりするなどして対策し、寝る1時間前までには作業を終えるようにしましょう。
部屋の明るさはやや暗めに設定すると入眠しやすくなるのでおすすめです。
就寝時に冷房を使う場合は、28度前後とやや高めに設定するか、26度前後で設定して1時間でタイマーセットし、からだを冷やさないようにしましょう。
2.活動量を増やす
運動不足によりからだの代謝機能が衰えると、体温調節がうまくできなくなり、夏バテになりやすくなります。
そのため、適度な運動を習慣化することが大切です。
おすすめはウォーキングやジョギングなどの有酸素運動。
じんわり汗をかく程度で十分です。
難しければ、エスカレーターの代わりに階段を利用する、一駅歩く、早歩きをするなど、日常生活の強度をすこし上げるだけでも効果が見込めます。
もちろん、運動する際は朝や夜など比較的涼しい時間を選び、水分補給を忘れないようにしてくださいね。
3.夏野菜を食べる
夏野菜を食べることも夏バテ予防の1つです。
旬の野菜はおいしいだけでなく、夏に必要な栄養価や効能が含まれているため、昔から夏バテ対策に使われてきました。
たとえば、オクラやモロヘイヤ、ツルムラサキ、ヤマイモなどの粘り気のある野菜は、夏バテ防止にいいとされています。
粘り気のもとである食物繊維は腸内環境を整え、つるりとした食感は食欲を促すため、胃腸を崩しがちな夏にぴったりです。
簡単に調理できるレシピもたくさんあるため、日々の献立に夏野菜を取り入れてみるのはいかがでしょうか?
夏バテしやすい人は漢方薬もおすすめ
漢方薬でも夏バテ対策ができるのを知っていますか?
現代の夏バテは、気温差や冷たいものの摂りすぎによる、自律神経の乱れや胃腸の機能低下などが原因です。
そのため
- 血流をよくして自律神経のバランスを整える
- 睡眠の質を上げて心身の疲労を軽減する
- 胃腸の機能を回復させる
- 体内の水分代謝を整える
といった効果のある漢方薬を選びます。
漢方薬は根本からの改善を得意としているので、今ある不調を緩和するだけでなく、夏バテを繰り返さない体質を目指せるのもメリットです。
夏バテ対策におすすめの漢方薬
- 柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう)
血の巡りやエネルギーの流れを整え、自律神経を安定させる働きがある漢方薬です。
イライラや動悸、抑うつ、不眠などにも処方されます。
比較的体力がある人に向いています。
- 清暑益気湯(せいしょえっきとう)
暑さで弱った胃腸を元気にしたり、からだの熱を冷ましたり、水分代謝を改善する働きがある漢方薬です。
暑さによる食欲不振や下痢、全身倦怠、夏やせがある人に処方されます。
体力が虚弱で疲れやすい人に向いています。
漢方薬は症状の改善だけでなく、体質の改善が見込めるため、夏バテしにくいからだを作ることが期待できます。
また、夏バテの症状だけでなく、他の症状にもアプローチすることができるため、自分が抱えている症状や悩みに合わせて漢方薬を選ぶことで、健康なからだを目指すことも可能です。
どんな漢方薬を選べばいいかわからない人も大丈夫。
最近では、自分に合った漢方薬を選んでくれるサービスもあります。
「あんしん漢方」のオンライン個別相談サービスでは、漢方に詳しい薬剤師がそれぞれの体質に合った漢方薬を提案してくれ、お手頃価格で自宅まで郵送してくれます。
漢方薬をうまく活用して、夏バテ対策をしていきましょう。
まとめ
夏バテの原因は夏の暑さによるものだけではありません。
気温差や冷たいものの摂りすぎで体調を壊してしまうこともあります。
夏バテしないからだ作りを今から始めて、楽しい夏を過ごしましょう。
公式|あんしん漢方
<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師|碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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