「ストレス解消のために甘いものを食べたい」と思ったことがある人は多いはず。
おなかはいっぱいなのに、ついつい食べすぎてしまうという人もいるかもしれません。
食べ終わったあとに自己嫌悪に陥ったり、気持ちが落ち込んだりすることを繰り返していませんか?
実は砂糖には依存性があるのです。
そこで、今回は砂糖依存性のリスクと甘いもののドカ食いをやめるポイントについて薬剤師の山形 ゆかりさんに教えていただきました。
ストレスで甘いもののドカ食いがやめられない!
30歳の恵梨香さん、会社員の方からのお悩みです。
「最近、週に1〜2回くらいのペースで甘いものをドカ食いしてしまいます。
いつも会社帰りにコンビニでその日に食べるおやつを買ってしまい、食べた翌日は気持ち悪くなって後悔するんです。
今日は夕食後にドカ食いしないように、夕食前にせんべい3枚と野菜ジュースで間食をすませました。
今夜の夕食はカレーライスとコンソメスープとサラダでした。
それだけで終わるつもりが、結局クッキー5枚、チョコパイ3個、アイスクリーム1個を食べてしまったんです。
もっと食べてしまった日もあります。
ドカ食いをしてしまう原因は仕事のストレスや疲れがたまっていることだと思います。
早く辞めたいと思っていますが、どうしても辞めることができません。
こんな毎日では太るだけでなく健康も害してしまうので、とにかくドカ食いだけは辞めたいです!
何か有効な方法を教えてください、お願いします!」
甘いものをドカ食いしてしまう原因は?
砂糖には脳内神経伝達物質のセロトニンやドーパミンの分泌を促す働きがあることがわかっています。
セロトニンには心をリラックスさせたり、脳を活発に動かしたりする作用があり、ドーパミンには快楽や喜びをもたらし、モチベーションを高めてくれる効果があります。
そのため、不安やイライラを抑えるために本能的に甘いものが食べたくなってしまうのです。
また、糖質は脳にとって大切なエネルギー源なので、ストレスなどによる疲労で甘いものが食べたくなるのは当然でしょう。
砂糖は「マイルドドラッグ」依存性に注意
実は砂糖は「マイルドドラッグ」とも呼ばれ、薬物やアルコール並みの中毒性があるといわれていることをご存じですか?
砂糖を摂ると分泌されるセロトニンなどの物質はストレスを和らげてくれる大切なものです。
しかし、砂糖を摂ると幸せを感じる状態が頻繁に繰り返されると、脳はこの快感がクセになってしまいます。
砂糖依存症とは、「快感を得るために糖質を摂らなければいけない」と脳が勘違いしている状態ともいえるでしょう。
砂糖依存症になると、大量に食べないと欲求が収まらなかったり、日常的に甘いものを口にしていないと落ち着かなくなったりします。
砂糖の過剰摂取を続けると、糖尿病の発症リスクが高まったり、骨粗鬆症やうつ病、アルツハイマー、動脈硬化などの原因になったりすることもあるのです。
甘いものの過食をやめるには?
甘いものが好きな人にとって甘いものが食べられないのはつらいですよね。
でも、砂糖依存症にならないためにも少しずつ甘いものの過食を卒業していきましょう。
生活のなかで無理なく砂糖摂取をコントロールするコツをお伝えします。
1.お菓子をストックしない
会社のデスクの引き出しやキッチンの戸棚など、視界に入りやすい場所やすぐ手が届く場所にお菓子をストックするのはやめましょう。
甘いものが食べたくなったときは、フルーツやドライフルーツ、ナッツ、さつま芋、栗、昆布などを食べるといいでしょう。
ただし、食べ過ぎては本末転倒なので、しっかり噛んで食材を味わい、食べ過ぎないようにすることが大切です。
2.複数のストレス解消法を見つける
食べること以外のストレス解消法を複数持っておくことも大切です。
手軽にできる発散方法としておすすめしたいのがウォーキングです。
木々の香りや鳥の音、肌に当たる風などを感じながら五感をフルに使って歩くだけで、心が癒やされるのを感じるでしょう。
音楽が好きな人は、甘いものが食べたくなったときに音楽を聴くのもおすすめ。
リラックスして音楽を聴いていると、甘いものを食べたい意識も薄れてくるはず。
アニメや映画を視聴したり、漫画を読んだりして作品の世界に浸るのもいいでしょう。
3.ストレスケアには漢方薬もおすすめ
ストレスケアには漢方薬の活用もおすすめです。
漢方薬は心とからだのバランスを整えることで、イライラや不安感といったメンタルの不調だけでなく、頭痛やむくみなどの気になるからだの不調を同時に改善することも目指せます。
忙しいなか、食事を整えたりゆっくり休養をとったりするのは大変ですが、漢方薬なら症状や体質に合うものを飲むだけなので、手軽に続けられそうですよね。
ストレスや緊張により自律神経が乱れ、過度の心労や過労により不眠や不安感が生じると考えられます。
ストレスケアに対しては、
- 自律神経のバランスを整える
- イライラや興奮を鎮める
- 気分の落ち込みを改善する
- 消化・吸収機能を改善してからだの内側から心を元気にする
といった働きがある漢方薬を選び、根本改善を目指します。
<ストレスケアにおすすめの漢方薬>
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
精神の緊張を緩めることで、喉や食道部のつかえ感を取り除き、気分を落ち着かせます。
不安神経症、神経性胃炎、咳、動悸などにも用いられます。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
からだの熱をとり除き、精神を安定させることで、不安や不眠、イライラといった症状に働きかけます。
高血圧や小児の夜泣きにも用いられます。
漢方薬は自分に合っていなければ十分な効果が得られないばかりか、場合によっては副作用が生じることもあります。
漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談しながら自分に合った漢方薬を見極めましょう。
スマホで気軽に相談できるあんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロがあなたに合った漢方薬を見極めて自宅に郵送してくれる漢方薬のオーダーメイドサービス。
お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方薬をチェックしてみましょう。
まとめ
心の健康も、からだの健康も、まずは内側から。
インナーケアを上手に取り入れて、毎日を健やかに過ごしましょう!
公式|あんしん漢方
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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