気温も上がり汗ばむ季節になりました。
ベタベタしたり臭ったりと不快なイメージのある汗ですが、本来汗にはベタつきも臭いもありません。
臭いベタベタ汗になってしまう原因はどこにあるのでしょうか。
今回は汗が作られるメカニズムと、無臭のサラサラ汗にするための対策を紹介します。
いい汗と悪い汗の違いとは
同じ汗でも、不快な汗と気持ちのいい汗がありますよね。
まずは自分の今の汗の状態を確認しましょう。
悪い汗の特徴
- ベトベトしている
- 汗の粒が大きい
- 汗臭い
- 蒸発しにくい
悪い汗は、蒸発しにくく皮膚に残りがち。
雑菌が繁殖して、臭いやベタつきのもとになってしまいます。
また、汗と一緒にミネラルまで出ていってしまうため、疲労感、夏バテ、熱中症になりやすくなり、健康を害してしまうこともあるんです。
いい汗の特徴
- サラサラしている
- 汗の粒が小さい
- 臭わない
- 蒸発しやすい
いい汗はしっかりミネラルをろ過してから体外に放出されるため、からだに必要な成分の損失も最低限。
しかも、ほとんど水でできているため臭いにくく、保湿効果や美肌効果も期待できます。
また、汗をかくことで効率よくからだの熱を放出できるため、むしろスッキリした気分になります。
ベタベタして臭うのは「汗腺」の衰えかも
いい汗と悪い汗を分ける鍵は「汗腺」にあります。
汗は血液から作られており、血液を汗に変える場所が汗腺です。
汗腺には血液をろ過して汗を作る役割があり、ミネラルを血液に戻し、水分を汗として体外に放出しています。
しかし、汗腺は使われないとその機能が衰え、休眠状態になってしまうことも。
その結果、うまくろ過ができず、大切なミネラルまでもが体外へ放出されてしまうのです。
ミネラルが含まれた汗は、ベタベタして皮膚に残り、雑菌が繁殖することで臭いの原因にもなってしまいます。
また、人間は汗をかき、水分を蒸発させることで体温調整をしています。
しかし、ミネラルが含まれた汗は蒸発しにくいため、体温調節するためには正常時よりたくさんの汗をかかなければなりません。
そのため、過剰な水分や血液中のミネラルが失われ、疲労感や熱中症を引き起こしやすくなってしまうのです。
近年、エアコンの普及や運動量の減少にともない、汗をかく機会が減り、汗腺の働きが衰えてしまっている人が増えています。
幸いなことに、一度衰えた汗腺を復活させることは可能です。
本格的に夏がはじまる前に、いい汗をかけるように対策をしておきましょう。
無臭のサラサラ汗に変える方法
悪い汗の原因は汗腺の衰えにあることがわかりました。
汗腺を復活させる方法は「汗をたくさんかくこと」です。
汗をかく習慣を取り入れて、悪い汗をいい汗に変えていきましょう。
手足高温浴・半身浴をする
入浴は手軽に試せる身近で便利な発汗方法です。
腰の辺りまでぬるめのお湯をはり、汗が出るまで浸かりましょう。
顔や頭、首などに汗をかきやすい人は、下半身に冷えを感じやすい人が多いといわれています。
足湯や半身浴などで温め、血流をよくするのもおすすめです。
その際、入浴後にエアコンの効いた部屋で過ごしてしまうと、せっかく開いた汗腺が閉じてしまいます。
汗が引かない場合は、タオルで抑えたり、うちわで仰いだりする程度にとどめ、発汗作用を高めるトレーニングを行いましょう。
有酸素運動を習慣にする
発汗作用を高めるためには運動が最適です。
とくに有酸素運動は、血行をよくして、自然な発汗を促します。
最初はウォーキングやサイクリングなど軽い運動で大丈夫。
体温が緩やかに上がり、少し汗ばむ程度を目標にしてください。
しかし、暑い季節の炎天下での運動は危険です。
早朝や夜などに運動するようにしましょう。
また、運動時にはミネラルも失われるため、スポーツドリンクなどでこまめに水分補給をすることを忘れずに。
漢方薬を活用する
漢方薬でも汗対策ができるのを知っていますか?
悪い汗の原因は汗腺の衰えにあり、汗腺を復活させるためには、正しく発汗を促すことが大切です。
異常発汗の原因となる体内の水分のバランスの乱れを整える効果が期待できる漢方薬を選ぶといいでしょう。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、からだの水分代謝を整え、余分な水分を排出する効果があります。
むくみ、水太り、多汗症など汗にまつわるトラブルの改善が期待できます。
汗をかきやすく、色白でむくみやすい人におすすめです。
漢方薬は、体質に合ったものを長期間飲むことで、根本的な体質改善が期待できます。
漢方薬で体内の水分代謝を常に整えておくことで、いい汗をかきやすいからだを作ることも夢ではありません。
自分に合った漢方薬がわからないという人でも大丈夫。
最近は、AIと薬剤師が体質に合った漢方薬を見極めてくれる「あんしん漢方」のようなオンライン漢方サービスもあります。
入浴や運動に加えて、漢方薬をプラスしてみるのはいかがでしょうか?
まとめ
臭いやベタつきのある悪い汗は、汗腺の衰えが原因だとわかりました。
悪い汗は大切なミネラルを体外に排出してしまうだけでなく、過剰な水分まで体外に出してしまうため、放っておくと健康被害にもつながってしまいます。
運動や入浴などで発汗作用を高め、いい汗をかけるよう対策していきましょう。
公式|あんしん漢方
<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師|碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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