寒い時期に自覚することが多い冷え性ですが、実は夏の冷え性があることをご存知でしょうか。
冷え症は婦人科系の病気のリスクにもつながるので注意が必要です。
そこで今回は、夏の冷え性対策について解説します。
夏の冷え性に注意
夏は、エアコンによりからだが冷えやすいのに加え、室内外の気温差が大きく自律神経が乱れがち。
そのため、冷え性を引き起こしてしまうことがあります。
冷えは肩こり、頭痛、倦怠感などの不調にもつながるため、できるだけ早い対策が大切です。
夏の冷え性の原因
体温は、自律神経の働きによって一定に保たれています。
暑い環境では体温を逃がし、寒い環境では体温を維持しようとする体温調節の機能が備わっています。
夏はエアコンの使用などで室内外の気温差が大きくなるため、自律神経がうまく働かなくなり、体温調節しきれなくなるのです。
とくに、女性はからだの熱を作る筋肉量が男性より少ないため、冷えやすいといわれています。
また、暑いからと冷たい飲み物を摂りすぎることも夏の冷えの原因に。
水分を摂りすぎると、排出できなかった余分な水が体内に残ってしまい、からだを冷やしてしまいます。
夏の冷え性セルフチェック
からだが冷えていないか、冷え性セルフチェックで確認しましょう。
- 手足は冷たいのに顔がほてっている
- 食欲がない
- 倦怠感がある
- 汗をかかない、または汗がたくさん出る
- おなかに触れると冷えている
- 便秘や下痢になりやすい
- 首や肩、背中にコリがある
- 頭痛がある
- イライラや不安感がある
- 月経痛が重くてつらい
3つ以上あてはまった場合は、夏の冷え性が考えられます。
夏の冷え性に隠れたリスク
からだに冷えが蓄積されると自律神経の乱れにつながり、血流にも悪影響を及ぼします。
血液は全身に酸素や栄養素などを運ぶ役割を担っているため、血流が悪くなるとこれらが十分に行き渡りません。
さらに、精神を安定させる働きのあるセロトニンも作られにくくなるため、不眠やイライラ、気分の落ち込みなどのメンタルの不調にもつながります。
また、血流が悪くなると体内の水分バランスが乱れ、リンパの流れも滞り、水分代謝の低下を招きます。
すると、体内の余分な水分が排出されず、めまいや頭痛、耳鳴りなどの原因になるほか、食欲低下や下痢などのトラブルも起きやすくなってしまうのです。
女性の場合、冷えが悪化すると卵巣の機能の低下につながり、女性ホルモンのバランスが乱れ、月経痛や月経不順、不正出血などの要因になることも。
夏の冷え対策3つ
からだを温めて体温を上げることで免疫力がアップし、夏バテ防止にもつながります。
からだに冷えを蓄積させないようにしっかり対策を行いましょう。
ここでは、夏を元気に過ごすための冷え対策を3つお伝えします。
こまめにストレッチをする
ストレッチには血管を柔らかくする効果があることがわかっています。
ストレッチをすると副交感神経が優位になり、血管の筋肉も緩むため、血管が拡張して柔らかくなるのです。
また、ストレッチをすることで血流が促進され体温が上がり、多くの熱エネルギーが生み出されます。
からだが生み出す1日の熱エネルギーの約6割は、運動によって生み出されるといわれています。
からだを温める食材を食べる
からだを温める食材を積極的に摂り、夏の冷えで弱った胃腸機能を回復させましょう。
からだを温める食材には以下のような特徴があります。
- 地中に向かって育つ
- 冬が旬である
- 発酵している
これらの特徴をもつ以下の食材を積極的に摂るようにしましょう。
人参、たまねぎ、ごぼう、かぶ、ニラ、ねぎ、かぼちゃ、生姜、にら、にんにく、
山芋、ふき、味噌、醤油など。
漢方薬を飲む
夏の冷え対策にはからだを内側から温める漢方薬も役立ちます。
からだの冷えを改善するためには、
- 血流をよくして全身に熱を届ける
- 自律神経の乱れを整えて、冷えの原因となるストレスや睡眠不足を解消する
- 水分の偏りを調整して冷えを改善する
- 胃腸の働きをよくして、熱を作り出す
などの働きがある生薬を含んだ漢方薬を選ぶといいでしょう。
漢方薬は体質からの根本改善を目指すため、からだの冷えだけでなく、肩こりや倦怠感などの症状にも同時にアプローチできます。
<夏の冷え対策におすすめの漢方薬>
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血流をよくしてからだを温めるとともに、水分の偏りを調整して冷えを改善します。
月経に伴う症状やむくみにも用いられます。
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
エネルギーや血液の循環を促し、手足の末梢を温めるとともに体内の冷えの改善に働きかけます。
冷えによる頭痛や腰痛、月経痛にも用いられます。
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まとめ
冷えないからだを作るためには日々の積み重ねが大切です。
この夏は、自分に合った対策を取り入れて、だるさ知らずの元気なからだを手に入れましょう!
公式|あんしん漢方
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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