秋になると急に咳が出たり、痰がからんだりすることはありませんか?
実は、秋は呼吸器の不調が出やすい季節なのです。
呼吸器とは、呼吸に関する器官のことで「鼻」「のど」「気管」「肺」などのことをさします。
この記事では、秋に呼吸器の症状が悪化する理由と、その対策について解説します。
秋は呼吸器の症状が出やすい…理由は?
秋は、朝晩の気温が急に下がり、からだに負担がかかりやすくなる季節です。
また、空気が乾燥し始めることやアレルギーの原因となる物質が多く飛散することから、咳や痰、息苦しさなどの呼吸器の不調が出やすくなります。
気温の変化
秋は朝晩の冷え込みが激しく、日中との温度差が大きくなる季節です。
この温度差がからだにストレスを与え、呼吸器の症状を引き起こす原因になります。
とくに、冷たい空気を吸い込むことで気管支が収縮し、咳が出やすくなります。
アレルギー
秋は、ハウスダストやダニの死骸が空気中に増える季節です。
これらが鼻やのどに付くことでアレルギー反応が起こり、咳や痰が出やすくなります。
また、秋に飛散するブタクサやヨモギなどの花粉も、呼吸器に影響を与えます。
ウイルス
秋は空気が乾燥し始めるため、ウイルスが活発になりやすい季節。
風邪やインフルエンザはこの時期に増えるため、注意が必要です。
とくにRSウイルスは、秋から冬にかけて流行しやすく、呼吸器に症状を引き起こす原因になります。
近年では、春から初夏にかけて流行し、夏にピークを迎えることも。
まだ気温が高いからといって、油断は禁物です。
2週間以上続く咳・痰は受診を
咳や痰が2週間以上続く場合、単なる風邪ではなく何か別の病気が隠れている可能性があります。
激しい咳や長く続く咳は、放置せずに早めに医療機関を受診してください。
受診する診療科としては、内科や呼吸器内科がいいでしょう。
咳よりも鼻水やのどの痛みが強いときは、耳鼻科を受診するのも選択肢のひとつです。
日常生活での予防法
呼吸器の不調を予防するためには、日常生活での工夫が大切です。
以下の方法を取り入れて、秋の咳を予防しましょう。
こまめな掃除
家の中にホコリやダニ、カビなどの「ハウスダスト」がたまるとアレルギーの原因となり、咳につながります。
とくに、寝室はハウスダストがたまりやすいため、こまめに掃除をしてシーツや枕カバーは定期的に洗うようにしましょう。
空気清浄機を使って部屋の空気をきれいに保つことも効果的です。
体温調節
気温の変化が大きい秋には、体温調節が重要です。
外出時には薄手の上着を持ち歩き、寒さを感じたらすぐに着るようにしてください。
また、寝るときには温かい布団や毛布を使い、からだを冷やさないように心がけましょう。
ストレスや疲労をためない
ストレスや疲労は、自律神経を乱し、呼吸器の不調を悪化させる原因となります。
リラックスできる時間を確保し、十分な睡眠をとることが大切です。
また、適度な運動やゆっくりと入浴することも、体調管理に役立ちます。
咳が出やすい人には漢方薬もおすすめ
さまざまな対策をとっても咳が止まらないときは、漢方薬もおすすめです。
漢方薬の中には「咳」に効果が認められているものもあり、内科などで処方されています。
また、自然の生薬を組み合わせて作られている漢方薬は、咳を鎮めるだけでなく、心とからだ全体を体質から根本改善することを得意としています。
漢方薬は、自分の症状や体質に合うものを毎日飲むだけなので、気軽に続けられるでしょう。
咳の改善には
- 肺に潤いを与える
- 気管支を広げて呼吸をしやすくする
- 自律神経のバランスを整えて咳やのどのつかえを改善する
- 酸素や栄養を肺に届け、呼吸器の機能を回復する
などの働きのある生薬を含む漢方薬を選びます。
咳対策におすすめの漢方薬
- 麦門冬湯(ばくもんどうとう)
のどや気管などの呼吸器に潤いを与えることで、空気の乾燥や冷たい空気などの刺激から呼吸器を守り、咳を鎮める漢方薬です。
呼吸器に潤いを与えることは、のどの乾燥感を改善したり、痰の切れをよくしたりします。
- 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
「肺」の熱を冷まして潤すことで、せきや気管支炎などの症状を改善する漢方薬です。
強い咳や痰が出る、口の渇きがあって汗が出る、呼吸しにくいなどの症状があるときに用いられます。
自分に合った漢方薬を手軽に知りたい方は「あんしん漢方」がおすすめ。
漢方薬に精通した薬剤師から、オンラインでアドバイスを受けることができます。
注文した薬は自宅に届くため、家にいながらオーダーメイドの漢方薬を受け取ることができるのです。
ご自身の健康管理にぜひお役立てください。
まとめ
秋は気温の変化や空気の乾燥、アレルギーなどで呼吸器の不調が出やすい季節です。
日常生活での予防策をしっかり取り入れ、健康的な毎日を過ごしましょう。
気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診し、自分に合った対策を見つけることが大切です。
公式|あんしん漢方
<この記事の監修者>
医師|木村 眞樹子(きむらまきこ)
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)