50代になって、「最近すぐに人の名前が出てこない」「飲み会の約束をしていたけど、いつだっけ?」など、物忘れが増えてきたと感じていませんか?
その物忘れは、脳が老化しているサインかもしれません。
脳は誰でも老化していくものなので「自分はまだ大丈夫」と楽観視せず、早めに老化対策を取り入れることが大切です。
この記事では、50代の方に始めてほしい脳の老化対策を4つご紹介します。
ぜひ、毎日の生活に取り入れてみてください。
「物忘れ」とは?
「物忘れ」は加齢による記憶力の低下であり、病気ではありません。
一方で、同じ記憶力の低下でも、「認知症」は病気に分類され、脳の機能が持続的に低下することで発症します。
では、この2つはどう見分ければいいのでしょうか。
物忘れと認知症のちがい
物忘れの特徴は、一度覚えたことを思い出せないこと。
一方、認知症の特徴は、体験そのものを忘れることです。
たとえば、あなたは昨日の夕食に何を食べましたか?
物忘れは「ご飯と唐揚げと、あと何だっけ? 」と、何を食べたか忘れている状態です。
認知症は「昨日の夜は何も食べていない」と、食べたこと自体を忘れている状態です。
他にも、
物忘れ:「買い物に行ったときに買い忘れがある」「約束をうっかり忘れる」
認知症:「買い物に行ったことを忘れて、もう一度買い物に行く」「約束したこと自体を忘れる」
などの違いがあります。
物忘れが多くなる理由
加齢によって物忘れが多くなるのは、脳の神経細胞の数が加齢にともなって減り、脳が萎縮していくからです。
さらに、脳の萎縮は、加齢だけではなく、脳血管性疾患やストレス、生活習慣の乱れによっても進行するため、喫煙や飲酒の習慣がある人は生活習慣の見直しが必要です。
脳の老化対策のためにやっておきたいこと
脳の老化は放置しておくと進行し、場合によっては認知症につながってしまいます。
50代から予防をはじめ、継続することが大切。
ここからは、普段の生活に取り入れやすい脳の老化対策をご紹介します。
たくさん歩く
脳の老化を予防するには、週3日以上の運動を半年以上継続することが効果的とされています。(※1)
手軽に始められて、継続しやすいおすすめの有酸素運動がウォーキングです。
ただし、散歩のようなゆったりとした歩き方では不十分。
通常の歩行かそれ以上の強度で、たくさん歩くようにしましょう。
よい生活習慣を意識する
脳の老化予防のためには、よい生活習慣を意識することが基本です。
まず、日々の食事ではさまざまな食材を食べ、脳の機能維持に効果的な、たんぱく質や脂質、ビタミン類などの栄養素を摂取しましょう。
また、十分な睡眠時間をとることも大切です。
男性は6.8時間~7.7時間未満、女性は6.4時間~7.5時間未満の睡眠をとるようにしましょう。(※2)
喫煙や飲酒の習慣がある人は、できれば禁煙をし、1日当たりのアルコールの摂取量はビール(アルコール度数5%)なら500ml 、日本酒なら1合(180ml 程度)にとどめるようにしてください。(※2)
アクティブに活動すること
常に知的好奇心を持ち続けることも、脳の老化予防に効果的です。
音楽や運動など、楽しめる趣味を見つけて、続けましょう。
また、50代の方は、これまでの人生で培ってきた知識や技術を、ボランティアという形でいかせるかもしれません。
大切なのは、新しいことにチャレンジしたり、進んで社会参加したりすることで、脳に刺激を与え続けることです。
物忘れには漢方薬もおすすめ
物忘れには、漢方薬の服用もおすすめです。
物忘れの原因として、加齢による脳の萎縮に加えて、ストレスや過労などにより血管が収縮して血流が悪くなり、脳に栄養が十分に行き渡らないことなどが考えられます。
そのため、物忘れに対しては、
- 血流をよくして脳に栄養を届ける
- 消化・吸収機能をよくして疲れをとる
などの働きを持つ漢方薬を選ぶといいでしょう。
物忘れが気になる人におすすめの漢方薬
- 人参養栄湯(にんじんようえいとう)
「人参」や、中年期以降の物忘れの改善に効果がある「遠志(おんじ)」などが含まれている漢方薬。
胃腸機能を改善して気力や体力を補い、血流をよくして全身に栄養をめぐらせ、からだや脳の疲労を回復させます。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
当帰芍薬散に含まれる「芍薬(しゃくやく)」には記憶障害を改善する作用もあるという報告がされています。
今回ご紹介した漢方薬は2つですが、実際に服用する際は、さまざまな漢方薬からご自身にあったものを選ぶ必要があります。
相性によっては、効果が感じられなかったり、副作用が生じたりすることもあるためです。
そこで、おすすめなのがオンライン相談可能な「あんしん漢方」というサービス。
忙しい人でもスキマ時間にオンラインで相談できるうえ、相談にのってくれるのは漢方薬に精通したプロの薬剤師なので、安心感が違います。
まとめ
物忘れは脳の老化のサインです。
最近物忘れが多くなってきたと感じたら、運動習慣をつけて、食事の内容を見直しましょう。
さらに、漢方薬にも物忘れ対策をできるものがあります。
人生100年時代を健康に過ごすために、今できることから始めてください。
(※1)あたまとからだを元気にするMCIハンドブック|国立研究開発法人⦆国立長寿医療研究センター
(※2)良い生活習慣と脳の老化【脳老化予防】|国立研究開発法人⦆国立長寿医療研究センター
公式|あんしん漢方
<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師|碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)