毎年冬が近づくと、手足が冷たくてつらい思いをしている冷え性の方は多いですね。
冷え性は、からだが冷えて手足の末端にまで血液が届かないことが主な原因です。
手足の冷えを改善する方法はさまざまありますが、実は体温を1℃上げるだけで驚きの効果があることをご存じですか?
この記事では、体温を上げることで得られる効果についてご紹介します。
この冬はからだをポカポカ温めて、冷え性を改善していきましょう。
低体温の人が増加しています
東京大学の研究やテレビの調査によると、現代の日本人の平均体温は、60年前に比べて0.8℃も低く、低体温の人が増えています。(※1)
体温が低くなった原因には
- 冷たい飲み物をたくさん飲むようになった
- エアコンがあるため、自分で体温調節しなくなった
- 移動が便利になり、運動量が減って筋肉量が減った
- ストレス耐性が弱くなった
という理由があります。
低体温は現代病ともいえますが、体温が低いことで血流が悪くなると、さまざまな不快な症状が起き、からだに不調をきたすようになります。
体温を1℃上げるとこんなメリットが!
低体温になると免疫力を低下させるので、ウイルスや細菌に負けて病気にかかりやすくなってしまいます。
免疫力が低下していると白血球が少なくなるため、からだの異変に対抗できず、最悪の場合、がん細胞などの増殖を抑えられなくなってしまうのです。
つまり、健康を維持するためには、体温を正常に保ち、免疫力をアップすることが大切です。
体温を1℃上げるだけでも、低体温の改善や免疫力向上へとつなげることができ、新陳代謝が活発になることで、美容にも効果があるメリットも。
新陳代謝がアップすると、細胞が活発化してアンチエイジングや体脂肪の燃焼にも効果的です。
普段から自分の体温を測り、低体温を改善して、血流をよくしておきましょう。
体温を1℃上げる方法
それでは、体温を1℃上げる方法を具体的にご紹介していきます。
習慣化することで、効果を得やすくなります。
最初から全部やることは無理でも、できることから少しずつ取り組んでみてください。
1日10分は湯船に浸かる
これからの寒い季節には、じっくりお風呂に入ることを心がけてみましょう。
41℃を超える温度のお風呂に10分以上入ると、交感神経が優位になって血流がよくなります。
血流のいい状態が続くことで、温かい血液がからだをめぐり、じっくりとからだが温まるようになるのです。
精神的なストレスや足の痛みも軽減され、疲労を取り除くことができるので、週に2回程度は入ってみることをおすすめします。
ただし、長すぎると乾燥肌を引き起こす原因となるので、気をつけてください。(※2)
代謝を上げる運動
入浴も代謝を上げることができますが、できるだけ時間がかからない、楽にできる運動でも代謝を上げることはできます。
代謝を上げる運動には次のようなものがあります。
【ウォーキング】
ウォーキングは短い時間でも効果があるとされていますが、1日30分以上歩くのがもっとも理想的です。(※3)
そのための時間を取るのが難しい場合には、一駅前で降りて歩いたり、エスカレーターではなく階段を使ったりと、毎日の生活のなかで無理なく続けられることをやってみましょう。
【スクワット】
ちょっとしたスキマ時間に、スクワットを10〜30回ほど行います。
横になることなくその場でできるので、場所もとりません。
肩幅に足を開いて、ゆっくり腰を落としていきましょう。
時間をかけるほど、負荷がかかり効果的です。
【ストレッチ】
夜寝る前には、ストレッチをしてみましょう。
コツは、痛くない程度にからだの筋肉を伸ばして、リラックスさせてあげることです。
ポカポカしてきたら、そのままお布団に入るとぐっすり眠れます。
からだを温める食材を摂る
からだを温めてくれる食材を摂ることも、体温を上げる効果があります。
- 未精製食品(胚芽米や玄米など)
- 冬の旬野菜(人参、れんこん、かぼちゃなど)
- 発酵食品(納豆、キムチ、味噌など)
- タンパク質やナッツ類
これから旬を迎える冬の野菜から、いくつかその効能や食べ方をご紹介します。
【かぼちゃやれんこん】
かぼちゃやれんこんは、煮物にすれば一度にたくさん摂ることができます。
人参やネギ、タンパク質である鶏肉などの食材を入れる、筑前煮もおすすめです。
温かい食べ物をじっくり味わいながら食べることで、体温も徐々に上がっていきます。
【ほうれん草】
ほうれん草は、血液をサラサラにするといわれています。
さっと湯がいてお浸しにすれば、手間もかかりません。
一把の量が多い場合には、水分をしっかり切ってラップに巻き、冷凍庫に入れておきましょう。
次に食べるときには、レンジで温めればすぐに食べることができます。
冷え対策には漢方薬もおすすめ
冷え対策には、根本的な改善が期待できる漢方薬もおすすめです。
冷えは、水分代謝の乱れや血行不良、胃腸の働きの低下、熱を作る機能の低下などが原因と考えられています。
冷え対策には
- 血流をよくして熱をからだの隅々にまで行き渡らせる
- 胃腸の働きをよくして熱を作り出す
- 水分のかたよりを調整して冷えを解消する
- 代謝を上げて、熱を作る機能を回復する
などの働きをする漢方薬を選びましょう。
冷え対策におすすめの漢方薬>
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
からだの血行をよくすることで手や足先の冷え、下肢の冷えを改善する漢方薬です。
また、冷えによる痛みを取るはたらきがあり、月経による下腹部痛や腰痛の改善にも役立ちます。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血流をよくしてからだを温めるとともに、とくに下半身にたまった余分な水分を取り去ることで冷えを改善する漢方薬です。
また、むくみや女性ホルモンによる不調にも用いられます。
ただし、からだに合っていないと効果が出なかったり、副作用が出たりする場合があるので、必ず漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。
気軽に漢方薬を使用したい場合は、オンラインサービスの「あんしん漢方」がおすすめ。
スマホひとつで相談でき、あなたに合った漢方薬をお手頃価格で自宅まで郵送してくれる便利なサービスです。
まとめ
これまで手足が冷たくてつらい思いをしてきた冷え性の方は、もうそんな思いをする必要はありません。
体温を1℃上げるだけで手足の冷えを改善できることがわかりました。
そのための運動や食事をすることで、驚きの効果があります。
毎日無理なく少しずつ取り組んで、今年こそ温かい冬を過ごしてみてくださいね。
公式|あんしん漢方
参考文献
※1 Medical DOC 【川嶋朗先生】日本人の体温は0.8℃も下がった!? 現代病「冷え」はこんなにも危険!
※2 東京銭湯 湯船にはどのくらいつかっているのが健康にいいの?
※3 厚生労働省 身体活動・運動
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)