「喉が渇いていないから、水分は足りてるはず」
と思っていませんか?
なんとなくだるい、頭が重い、立ちくらみがする……。
そんなとき、からだの中では“隠れ脱水”が進んでいる可能性があります。
気づかないうちにからだに負担がかかり、重い症状につながることもあるのです。
ここでは、隠れ脱水が起きるしくみや見逃しがちなサイン、そして日常でできる対策をわかりやすくご紹介します。
隠れ脱水とは?なりやすいシーン
「隠れ脱水」とは、自分では水分不足に気づいていないけれど、からだの中では脱水が始まっている状態をいいます。
一見元気に見えても、実はからだの水分バランスが崩れていて、少しずつ不調を感じるようになります。
隠れ脱水の症状
隠れ脱水は、風邪や疲労と間違えやすいようなサインであらわれます。
- だるさや疲れが抜けない
- なんとなく頭が重い、ぼーっとする
- こむら返りが増える
- 口の中がネバネバする、唾液が少ない
これらの症状が続くときは、水分が足りていないサインかもしれません。
とくに40〜60代は、体内の水分量が20代に比べて少なくなっているうえ、喉の渇きを感じにくくなるため注意が必要です。
隠れ脱水になりやすいシーン
水分を意識していないと、思わぬタイミングで隠れ脱水が進んでしまうことがあります。
とくに、以下のようなシーンで隠れ脱水が起こりやすいでしょう。
- エアコンの効いた部屋に長時間いる
- トイレを我慢するために水分を控えている
- お茶やコーヒーをたくさん飲んでいる(利尿作用がある)
気温が高くない日や室内でも油断はできません。
乾燥しやすい場所にいるときや、ドライブ中につい水分を控えたくなるときなどはとくに注意が必要です。
隠れ脱水を放置するリスク
「ちょっとからだが重いだけ」と見過ごしていると、思わぬ体調不良につながることがあります。
とくに夏場は、脱水が一気に悪化しやすいため、放置はとても危険です。
熱中症
隠れ脱水が進んだ先にあるのが「熱中症」です。
熱中症と聞くと、真夏の炎天下で倒れるイメージがあるかもしれませんが、室内でも起こることがあります。
体温調整がうまくできなくなり、めまいや吐き気、意識がもうろうとするなどの重い症状が出ることもあります。
実際、熱中症で搬送される人の多くは、高齢者や中高年。
すでに隠れ脱水が進んでいる状態で、からだが急に暑さにさらされると一気に症状が悪化するのです。
慢性的な体調不良
隠れ脱水は、すぐに命にかかわることばかりではありませんが、じわじわとからだに負担をかけ続けます。
- 集中力や記憶力が低下する
- 膀胱炎を繰り返す
- 筋力が低下する
- 原因不明の微熱や痛みが出現する
こうした不調の裏には、水分不足が関係していることもあります。
隠れ脱水を防ぐためにできること
「喉が渇いてから飲めばいい」では、実は遅いかもしれません。
隠れ脱水を防ぐには、こまめな水分補給と飲み方の工夫がポイントです。
「喉が渇いた」と感じる前に水分を摂る
水分は、1日に1.2〜1.5リットルを目安に少しずつ飲むのが理想的です。
- 朝起きたとき
- 食事の前後
- 入浴の前後
- 寝る前
こうしたタイミングでコップ1杯の水を飲むようにすると、自然とからだの水分量を保てます。
とくに起床時や入浴後は、水分が失われやすいタイミング。
そのため意識して補給しましょう。
塩分やミネラルも一緒に摂る
水だけでなく、塩分やミネラルも一緒に摂ることが大切です。
汗にはナトリウムやカリウムといったミネラルも含まれていて、水だけを飲んでいると、からだのバランスが崩れてしまいます。
スポーツドリンクや経口補水液、またはみそ汁、梅干しなども活用するといいでしょう。
隠れ脱水対策には漢方薬もおすすめ
こまめな水分補給に加えて、体質に合ったサポートとして「漢方薬」も取り入れてみませんか?
脱水は、水分不足に加えて体内の水分バランスの偏りや、水分を吸収し調整する胃腸の機能低下が原因で生じると考えられています。
かくれ脱水の対策には「胃腸の機能を回復し、水分の吸収をよくする」「水分代謝を改善し、脱水を防ぐ」「水分の循環をよくして、体中に必要な水分を届ける」といった働きをもつ漢方薬を選びます。
隠れ脱水対策におすすめの漢方薬
- 五苓散(ごれいさん)
からだの水分バランスを整えることで、むくみ、下痢、嘔吐、頭痛などの症状に幅広く用いられます。
- 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
胃にこもった熱を冷まし、潤いをあたえ、口や喉の渇きやほてりを抑えます。
漢方薬は症状や体質に合わせたものを選ぶことがポイント。
でもたくさんの種類のなかから自分に合ったものを選ぶのは難しいですよね。
そんなときは「あんしん漢方」がおすすめです。
あんしん漢方は、オンラインで手軽に薬剤師に相談ができるサービス。
お試しからでもお気軽にお問い合わせください。
まとめ
「喉が渇いていないから大丈夫」は、隠れ脱水につながるリスクがあります。
だるさ、頭痛、こむら返りといったからだのサインを見逃さず、こまめな水分補給を意識することが大切です。
水だけでなく、塩分やミネラルも一緒に補いながら、体調管理をしていきましょう。
さらに、体質のケアや内側からのサポートとして、漢方薬を取り入れるのもひとつの手です。
夏を元気に乗り切るためにも、今のうちから「脱水対策」を習慣にしていきましょう。
公式|あんしん漢方
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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