子どもが高熱を出してのどを痛がる……そんなとき、耳にすることが多いのが「溶連菌感染症」。
幼稚園や学校で流行しやすく、気づかないうちに家庭内へ広がることもあります。
この記事では、感染経路や家庭でできる予防策などを解説します。
溶連菌感染症の原因と感染経路
溶連菌感染症とは、例年春から初夏にかけて流行しやすい感染症です。
溶連菌感染症とは
溶連菌(ようれんきん)とは、正式には「A群溶血性レンサ球菌」という細菌のことを指します。
のどに感染すると、突然高い熱が出たり、のどが真っ赤になったりします。
発疹や、舌にぶつぶつができる「いちご舌」と呼ばれる症状が出ることも。
肺炎や髄膜炎などの合併症が起こるケースもあるため、医師の指示に従い、抗菌薬を使ってしっかりと治療する必要があります。
溶連菌感染症の感染経路
感染の仕方は主に2つあります。
ひとつは、くしゃみや咳から菌がうつる「飛沫感染(ひまつかんせん)」。
もうひとつは、菌がついた手や物からうつる「接触感染(せっしょくかんせん)」です。
子ども同士は距離も近く、マスクを外して遊ぶこともあるので、広がりやすくなります。
また、感染した子が家庭に戻ると、保護者や兄弟にうつることもあるので注意が必要です。
溶連菌感染症の予防策
では、溶連菌感染症を予防するにはどうしたらいいのでしょうか。
大切なのは、基本的な対策を確実に行っていくことです。
原因となる菌をからだに入れない
感染症対策の基本は、やはり手洗いです。
外から帰ってきたら、石けんを使って指の間までしっかり洗いましょう。
小さな子どもには、楽しい手洗いソングなどを使って、習慣づけるのもおすすめです。
また、人混みに行くときはマスクをする、鼻や口をむやみに触らないといった「菌がからだに入らない」工夫も必要です。
規則正しい生活を意識する
からだの免疫力を高めるには、日ごろの生活リズムを整えることが大切です。
十分な睡眠をとる、栄養バランスのとれた食事を意識する、朝はしっかり日光を浴びる。
そんな基本的な習慣が、じつはからだを守る力につながります。
夜ふかしや偏った食事が続くと、どうしても体調を崩しやすくなります。
とくに季節の変わり目は、早寝・早起き・朝ごはんをセットにした生活を心がけてみましょう。
家族が溶連菌感染症になったときの対策
もし、家族の誰かが溶連菌にかかってしまったら……。
焦らずに、周りへの感染を広げない工夫をしていきましょう。
早めの受診と正しい治療
「熱が高くて、のどがすごく痛い」
そんなときは、早めに病院で診てもらいましょう。
抗菌薬が処方されたら、症状が落ち着いても自己判断でやめず、最後まで飲み切ることが大切です。
途中でやめてしまうと、菌が残って再発する、他の人にうつるなどのリスクがあるため医師の指示に従いましょう。
家族への二次感染予防
看病する家族も、マスクの着用と手洗いはしっかりと行います。
子どもが使った食器やタオルなどは分けて洗い、使いまわしは避けましょう。
また、部屋を分けたり、定期的に換気したりするのも効果的です。
漢方薬でできる感染症アプローチ
日々の生活のなかで、感染症にかかりにくいからだをつくることも大事な予防になります。
「すぐ風邪をひく」「疲れやすい」など、からだの弱さが気になるときは、体質を整える漢方薬を取り入れるのもひとつの方法です。
免疫力を高めたい方は、
- 胃腸の働きをよくして、食事の消化吸収率を上げる
- 血流をよくして栄養を全身に届ける
- 自律神経を整え、ストレスによる疲労を減らし、睡眠の質を上げる
といった生薬が含まれる漢方薬を選ぶといいでしょう。
からだの弱い方におすすめの漢方薬
- 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
貧血気味で疲れやすい方におすすめ。
気力や体力を補って血行をよくし、からだの隅々まで栄養を届けて体力低下、疲労、倦怠感を改善します。
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
疲れやすく、胃腸の働きが衰えている方におすすめ。
胃腸の消化・吸収力を高めて食事から栄養を補いやすくし、気力を充実させて、疲労、倦怠感、食欲不振を改善します。
免疫力アップのためには、規則正しい生活や適度な運動が大切ですが、毎日続けるのは大変ですよね。
漢方薬であれば、毎日「飲むだけ」なので簡単に続けることができます。
自分に合った漢方薬を知るには「あんしん漢方」がおすすめ。
漢方薬に詳しい薬剤師が、オンラインであなただけの漢方薬を選んでくれますよ。
まとめ
子どもに多い溶連菌感染症は、決してめずらしい病気ではありません。
手洗いや消毒、タオルの使い分けといったちょっとした習慣で、家族全体を守ることができます。
そして、毎日の食事や睡眠、からだを整える漢方などで、かかりにくいからだをつくっていくことも忘れずに。
家族みんなで、安心して過ごせる環境をつくっていきましょう。
公式|あんしん漢方
<この記事の監修者>
医師
木村 眞樹子(きむらまきこ)
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
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