最近、なんとなく疲れやすく、回復に時間がかかる。
鏡を見るたび「老けた」「顔色が冴えない」と感じる。
そんな変化を感じていませんか?
それ、“もう若くないし、仕方ない”と思いがちですが、からだの奥ではじわじわと進行している「慢性炎症」が関係しているかもしれません。
とくに注目されているのが、腸内で起こる炎症です。
腸でくすぶる「慢性炎症」が、全身に影響をおよぼす?
「炎症」と聞くと、風邪やケガのときの赤みや腫れを想像するかもしれません。
ところが、腸の中で起きている炎症は、自覚症状がほとんどありません。
気づかないうちに、長期間くすぶり続ける――これが「慢性炎症」です。
最近の研究では、このような腸内の炎症が、加齢による変化や生活習慣病などに深く関与していると報告されています(※1)。
さらに腸は、からだの免疫細胞の大部分が集まる場所。
腸内環境のバランスが乱れ、炎症が続くことで、全身のバランスにも影響が出る可能性があると考えられているのです。(※2)
炎症の引き金は、40代にありがちな生活習慣
ではなぜ、腸で炎症が起きるのでしょうか。
原因のひとつは、「腸内細菌のバランスの乱れ」です。
とくに以下のような習慣が、腸内の善玉菌を減らし、悪玉菌を増やす要因になると言われています。
- 肉や揚げ物など脂っこい食事が中心
- 野菜や発酵食品の不足
- 不規則な睡眠や運動不足
- 慢性的なストレス
- お酒の飲みすぎや喫煙
どれも、40~50代の働き盛りの男性が陥りやすい生活パターンではないでしょうか。
すべてを一気にやめることは難しいですが、なにかひとつでも、ほんの少しでも、いい方向へ変えてみる意識をもってみましょう。
腸を整えることで、エイジングと向き合う
腸内環境を整えるには、まずはバランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠が基本です。
とくに、発酵食品と食物繊維を積極的に摂ることが、善玉菌のサポートにつながるとされています。
たとえば、納豆や味噌、ヨーグルト、キムチなどの発酵食品、そして野菜や海藻、きのこ類などの食物繊維がその代表格。
また、軽い有酸素運動やストレッチも腸の動きにいい影響を与えることが知られています。
忙しい毎日に、腸活の“味方”をプラスする
とはいえ、現代人にとって毎日完璧な生活を送るのは現実的にむずかしいもの。
仕事が忙しい、外食が続く、食材を選んでいる時間がない――そんなときには、手軽に栄養やサポート成分を摂れるサプリメントを活用するという方法もあります。
最近では、乳酸菌やビフィズス菌、食物繊維やオリゴ糖など、腸内のバランスを整えるために開発された製品も多く登場しています。
日々の食生活だけでは補いにくい栄養素を手軽に取り入れたいというニーズに応える形で、こうした腸活サポート食品を取り入れる人も増えています。
健康に気をつかうことは大事ですが、囚われすぎるとストレスが溜まります。無理なく、続けやすい方法を選ぶことが健康の第一歩といえるでしょう。
まとめ
腸内で起こる慢性炎症は、自覚のないまま老化や不調の原因になっている可能性があります。
食事や運動での改善が基本ですが、忙しい日々のなかでは無理なく続ける工夫も大切。
サプリメントや健康食品も、腸活を支える一つの手段として取り入れ、賢く、効率よく健康を維持していきましょう!
【参考文献】
(※1)<連載> 腸戦者に訊く 第6回 腸内細菌が老化に及ぼす影響とは?|朝日新聞 Reライフ.net
(※2)Regional specialization within the intestinal immune system|Nature Reviews Immunology
<この記事の監修者>
後藤利夫/医師
1988年、東京大学医学部卒業。独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法「水浸法」を開発。大腸内視鏡6万件以上無事故のベテラン医師。
大腸がん予防から始まった腸内細菌や乳酸菌にも造詣が深く、菌のパワーを使って健康になる方法を各所で伝授し続けている乳酸菌の専門家。
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)