「最近、朝起きると声がかすれる」
「夕方には声が出しづらくなる」
そんな違和感を覚えることはありませんか?
今回は、そんな“声の違和感”を感じる方に向けて、声帯に負担がかかる理由と、今日から始められるセルフケア、さらには漢方薬を活用した体質改善法についてご紹介します。
声が出しづらいのは、声帯が疲れているサイン
40〜50代の女性は、声の不調を感じやすくなるといわれています。
その原因は、のどだけではなく、からだ全体のコンディションと深く関係していることも。
詳しくみていきましょう。
エアコンによる空気の乾燥と刺激
エアコンを使う季節になると、室内の空気は思っている以上に乾燥します。
この乾いた空気が、のどを刺激し、違和感やかすれの原因になります。
さらに、室内を冷やしすぎたりからだに直接風が当たったりすると、冷えにより風邪を引いてしまうことも。
こうした環境が続くと、朝起きたときに声が出しにくい、長時間話すと声が枯れる、といった変化があらわれやすくなります。
エアコンの風向きや加湿の工夫など、日常のなかで小さな対策をするだけでも、声への負担を軽減することができます。
更年期による症状
40代以降の女性にとって、声の不調は更年期に伴うからだの変化と関係していることがあります。
ホルモンバランスが乱れることで血流が滞りやすくなり、声帯にも影響が出ます。
とくに、のどの奥にある声帯がむくんで厚みが増すと、うまく振動できずに声がかすれる・低くなるといった変化があらわれやすくなるのです。
また、更年期の症状は日によって波があり「今日は声が出しづらい」と感じても、はっきりした原因がわからないことも少なくありません。
声の違和感も、からだからのサインのひとつとして、無理せずケアしていくことが大切です。
自律神経の乱れ
気温や湿度の急な変化、日々のストレスなどで自律神経が乱れると、のどや声帯の筋肉の動きにも影響します。
その結果、普段より声が出しにくくなったり、声が出てもかすれてしまったりすることがあります。
疲れやすい・眠りが浅いといった不調もあわせて感じている場合は、自律神経の乱れが背景にあるかもしれません。
日常生活でできる声帯ケア
声の不調が気になるときは、のどや声帯にやさしい生活を心がけることが大切です。
部屋の湿度を保つ
エアコンを使うと空気が乾燥しがちになります。
加湿器を使ったり、洗濯物を室内に干したりして、湿度を40〜60%に保つよう意識しましょう。
とくに寝室の湿度が低いと、朝の声枯れの原因になります。睡眠中ものどは乾燥するため、寝る前に加湿することも有効です。
こまめに水分補給をする
のどの潤いを保つためには、こまめな水分補給が欠かせません。
一度にたくさん飲むのではなく、少量ずつ、1日に何度も飲むようにすると効果的です。
白湯や常温の水は、のどを冷やさずからだにもやさしいのでおすすめです。
声を使う前や、起床後には意識して水分を摂るようにしましょう。
無理に声を出さずに休む
声が出にくいと感じたときは、できるだけ声帯を休ませるようにしましょう。
電話や会話などで無理に声を張って話すと、かえって声帯にダメージを与えてしまいます。
どうしても声を出さなければならないときは、マイクを使ったり、声を張らずに話したりする工夫が大切です。
声の不調には漢方薬もおすすめ
「のど飴やうがいでは治らない」
「何をしてものどがすっきりしない」
そんなときは、漢方薬でからだの内側から整えるのもひとつの方法です。
更年期の声のかすれ対策には「女性ホルモンや自律神経の乱れを整える」「水分の循環をよくして粘膜にうるおいをあたえる」などの働きのある漢方薬を選び、根本改善を目指します。
声の不調対策におすすめの漢方薬
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
ストレスなどによるのどや食道部のつかえ感をとり除き、緊張をゆるめます。
不安神経症、神経性胃炎、咳、動悸などにも用いられます。
- 麦門冬湯(ばくもんどうとう)
気管支や咽頭にうるおいを与えるとともに、咳を抑えます。
のどの渇きや違和感、しわがれ声などに用いられます。
どの漢方薬が合うかは体質によって異なるため、自己判断せずに専門家に相談するのがおすすめです。
最近では「あんしん漢方」のようにオンラインで相談できるサービスもあり、手軽に自分に合った漢方薬を見つけることができます。
まとめ
声のかすれや出しにくさは、のどだけの問題ではなく、からだの潤いや自律神経の乱れなどが関係していることもあります。
まずは湿度管理や水分補給などのセルフケアを取り入れて、声帯をいたわる生活を意識してみましょう。
そして、根本から整えたいときは、漢方薬の力も借りて、からだの内側からじっくりケアしていくのも選択肢のひとつです。
違和感をそのままにせず、自分にできるケアから始めてみませんか?
- 公式|あんしん漢方
<この記事の監修者>
医師|木村 眞樹子(きむらまきこ)
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
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