ほんの少し動いただけで背中から汗がつたう。
周りは涼しい顔なのに、自分だけ汗びっしょりで恥ずかしい。
そんな「自分だけ汗だく」な状態が続いているなら、ただの汗かきではないかもしれません。
汗は体温調節のために必要なものですが、異常なほど出るときは、からだのバランスが乱れているサイン。
まずは、汗が出すぎる背景にどんな原因があるのかを見ていきましょう。
「多すぎる汗」はからだからのサイン
汗が止まらないのは、ただの汗かきではないかもしれません。
体質やバランスの乱れが関係していることもあります。
自律神経が乱れている
人が汗をかくタイミングは、脳からの信号で決まります。
その信号を担っているのが「自律神経」です。
ストレスがたまっていたり、寝不足が続いたりすると、自律神経のバランスがくずれやすくなります。
とくに、緊張したときや人前で話すときに大量の汗が出る人は、交感神経が過剰に働いている状態です。
このようなケースでは、汗が体温調節のためではなく、精神的な刺激であふれ出てしまいます。
熱や湿がたまりやすい体質
東洋医学では、汗の質や出方から体質の乱れを読み取ります。
とくに「汗がベタつく・においが強い・黄色い汗染みが出る」といったタイプは、からだに余分な水分と熱がたまったサイン。
こうした状態は「湿熱」と呼ばれ、体臭の強さや口のねばつき、便のにおいなどをともなうこともあります。
汗の不調は、からだのバランスがくずれているサインとして捉えることが大切です。
ホルモンバランスの変化
汗のコントロールに関わるのは、自律神経だけではありません。
ホルモンの変化も、発汗に大きく影響します。
たとえば、更年期の女性に多い「ホットフラッシュ」は、急に顔や背中から汗が噴き出す症状として知られています。
同じように、男性でも加齢によるホルモンの変化で、汗の量や質が変化することがあります。
最近、急に汗が気になるようになった人は、ホルモンバランスの影響も疑ってみましょう。
まずは日常の汗をゆるやかにするケアから
すぐに始められる生活習慣の見直しで、汗の出方が変わることがあります。
できることから無理なく取り入れてみましょう。
質のいい睡眠で自律神経を整える
自律神経は、日中の活動と夜の休息を切り替えることでバランスが保たれています。
睡眠の質が悪いと、交感神経の働きが強くなり、日中に汗が出やすくなってしまいます。
夜はぬるめのお風呂につかり、寝る前のスマホやカフェインを避けるようにしましょう。
朝すっきり目覚められるようになると、自律神経のリズムも安定しやすくなります。
ストレスをこまめに手放す
緊張や不安があると、それだけで汗が噴き出してくることがあります。
このような「精神性発汗」は、自分ではどうにもならないように感じるかもしれません。
でも、深呼吸やストレッチ、自然の中を歩くといったちょっとしたリセット行動が、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
「イライラしてきたな」「汗が出そう」と感じたときは、軽く目を閉じてゆっくり呼吸してみてください。
からだを冷やしすぎない
汗が多いと、つい冷たい飲み物や冷房に頼ってしまいがちです。
でも、内臓が冷えると、水分代謝がうまくいかず、かえって汗が出やすくなるという逆効果に。
クーラーの風が直接当たらないようにしたり、冷たい飲み物を常温にしたりするなど、からだの内側を冷やさない工夫をしてみましょう。
漢方薬で“汗が出すぎる体質”を根本から整える
体質そのものを整えるには、根本改善を目指す漢方薬という選択肢もあります。
自分に合ったものを使えば、汗の悩みにもやさしくアプローチできます。
多汗症対策には、
- ストレスで乱れた自律神経を整える
- 体内の水分バランスを整えて過剰な汗を抑える
- 汗腺を引き締める
- 熱が体内にこもるのを防ぎ、大量の汗を防ぐ
などの作用をもつ漢方薬を選びます。
汗対策におすすめの漢方薬
- 桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)
ベタベタした汗や寝汗をよくかく人に。
汗腺の締まりをよくし、余分な汗を抑えることで多汗症や皮膚炎・湿疹に役立ちます。
- 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
疲れやすく水太りの人に。
からだの水分バランスを整えることで過剰な汗を抑え、多汗症に用いられます。
市販の制汗剤には汗を“止める”働きがありますが、漢方薬はあくまで「体質を整えて、必要以上の汗が出ないからだをつくる」ことを目指します。
自分の体質に合った漢方薬を使えば、根本からバランスが整い、汗の悩みも少しずつやわらぐことが期待できますよ。
自分に合った漢方薬がわからない、選ぶのが難しい、という人は「あんしん漢方」がおすすめ。
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まとめ
「どうして自分だけこんなに汗をかくんだろう」
そんなふうに悩んでいる人へ。
汗は、体調やストレス、ホルモンの変化など、さまざまな影響を受けやすいデリケートなバロメーターです。
ただ汗を“止める”のではなく、自分のからだを理解し、整えていくことで、汗との付き合い方はきっと変わっていきます。
滝のように流れる背中の汗も、からだが整えばおだやかに変わっていくはず。
できることから、少しずつ始めてみませんか?
<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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