「生理が長引くようになった」
「周期がバラバラで、次が読めない」
そんな生理の変化に戸惑っていませんか?
40代になるとホルモンのゆらぎが始まり、これまでと同じようにはいかなくなることもあります。
この記事では、生理不順の原因やからだの変化、そしてゆらぎ期をやさしく整える方法について、漢方の視点からご紹介します。
その「生理の変化」、更年期のサインかも
まずは、40代で起こりやすい生理の変化について整理してみましょう。
「なんとなくおかしい」と感じるときは、からだからのサインかもしれません。
生理周期が不安定になる
これまでだいたい28日周期で来ていた生理が、40代に入ってからは前触れもなく早くなったり、反対に1か月以上来なかったり。
そうした生理周期の乱れは、珍しいことではありません。
原因のひとつは、排卵のリズムが不安定になること。
女性ホルモンの分泌が少しずつ変化していくことで、排卵が起きたり起きなかったりし、それにともなって生理周期も乱れやすくなります。
まだ閉経には遠いはず。
でも、体内では静かに変化が始まっている時期なのです。
経血量や日数がバラバラになる
「以前より出血量が増えた」「逆に少なくなってきた」「数日で終わることもあれば、2週間近く続くこともある」——。
こうした声もよく聞かれます。
これは、ホルモンの影響で子宮内膜の厚さが不安定になるため。
厚くなれば多く出血し、はがれにくければダラダラと出血が続きます。
体調や気分の波も出やすい
生理の乱れだけでなく「なんだか疲れやすい」「すぐにイライラする」「汗が止まらない」など、心やからだのゆらぎを感じる人も少なくありません。
更年期に近づくと、女性ホルモンの分泌が日によって大きく変わるようになります。
この変動が自律神経を乱し、体調の変化や気分の波としてあらわれるのです。
生理不順を整えるためにできるセルフケア
生理が不規則になってきたと感じたら、まずは生活の見直しをしてみましょう。
自律神経やホルモンのバランスは、毎日の過ごし方でゆっくり整えていくことができます。
からだを冷やさない工夫をする
冷えは、子宮や卵巣の血流を悪くし、生理不順を引き起こす原因のひとつです。
夏場でもクーラーの風を直接あびない、腹巻きや靴下を活用するなど、おなか周りを温めることを意識しましょう。
また、冷たい飲み物やアイスを控えめにして、常温の水や温かいお茶を摂るだけでも、内臓を冷やさずにすみます。
睡眠とストレスケアでリズムを整える
夜ふかしが続いたり、ストレスがたまっていたりすると、自律神経が乱れやすくなります。
ホルモンの分泌リズムにも関係するため、結果として生理にも影響が出るのです。
眠る1時間前にはスマホやPCから離れる、寝る前に深呼吸をする、お風呂でゆっくり温まるなど、眠りの質を上げる工夫をしてみましょう。
自分なりのリラックス方法を見つけることも、からだのリズムを保つ助けになります。
生理不順の“ゆらぎ期”に漢方薬という選択肢
では、このゆらぎにどう向き合えばいいのでしょうか。
無理に治そうとせず、からだの声に耳を傾けながら、やさしく整えていく——
そんなアプローチに、漢方薬が役立ちます。
からだのタイプに合わせて整える
漢方では「気(エネルギー)」「血(栄養)」「水(体内の水分)」の流れを重視します。
生理不順は、これらの巡りや量の不足、偏りがあるサインで、それぞれに合った処方を使います。
たとえば、冷えが強くて貧血気味の人には「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」といったからだを温め血を補うタイプの漢方薬が、のぼせや肩こりが
ある人には「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」といった血の巡りをよくする漢方薬が使われます。
「同じ生理不順でも、体質によって選ぶ漢方薬が変わる」というのが特徴です。
心のゆらぎにもアプローチできる
「怒りっぽくなった」「なんでもないことで涙が出てしまう」
そんなメンタルの不安定さにも、漢方薬は力を発揮します。
気の巡りが滞ると、感情のコントロールが難しくなることがあります。
「抑肝散(よくかんさん)」「加味逍遙散(かみしょうようさん)」などの漢方薬で気の巡りをスムーズに整えることで、心のゆらぎが落ち着いていくことが期待できます。
薬に頼りたくないと感じている人にも、からだと心に同時にやさしく働きかける漢方は、選択肢のひとつとしておすすめです。
自分に合った漢方がわからないときは
漢方薬は体質に合わせて使うものなので「何を選べばいいかわからない」と感じるのは自然なことです。
そんなときは、オンラインで専門家に相談できる「あんしん漢方」を利用してみましょう。
スマホで質問に答えるだけで、自分の体質に合った処方を提案してくれます。
自宅にいながら相談・注文ができるので、忙しい人や外出を控えたい人にも向いています。
まとめ
「いつも通り」が通じなくなるのが、40代からのからだの変化です。
でも、それは「不調」ではなく「変化の始まり」。
生理不順も、自律神経とホルモンのゆらぎによって起きている自然な反応かもしれません。
そんなゆらぎ期には、からだを整える力を引き出してくれる漢方薬という選択肢もあります。
無理に我慢せず、自分にやさしく向き合うことが、毎日を心地よく過ごす第一歩です。
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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