鏡を見るたび、口元のもたつきが気になってしまう——。
年齢を重ねると気になりやすい「ブルドッグ顔」と呼ばれるたるみは、見た目の印象を大きく左右する悩みのひとつです。
美顔器やマッサージを続けても改善を感じにくい場合は、内側のバランスに目を向ける必要があるかもしれません。
ここでは、たるみの原因と内側からの対策を解説します。
なぜ口元がたるむのか
口元がたるんでくる原因は、肌の表面だけでなく、顔の構造やからだの変化と深く関係しています。
顔の筋肉の衰えと重力の影響
年齢を重ねると、顔の筋肉である「表情筋」が衰え、皮膚を支える力が弱くなってきます。
さらに、日常的に無表情でいる時間が長いと、筋肉が使われないためたるみの原因に。
重力の影響も加わり、皮膚や脂肪が下がってしまい、口元がもたついた印象になるのです。
肌のハリを保つコラーゲンの減少
肌のハリや弾力を保つために必要な「コラーゲン」や「エラスチン」は、加齢とともに減っていきます。
その結果、肌の弾力が失われ、たるみやすくなるのです。
紫外線や乾燥といった外的刺激もコラーゲンの減少を早める要因になります。
血行不良やむくみ
長時間のデスクワークや運動不足、冷えなどによって血流が悪くなると、顔の老廃物や余分な水分がうまく流れません。
その結果、むくみが生じて皮膚がたるみやすくなるのです。
慢性的なむくみは、見た目のもたつきにもつながります。
口元のたるみは「からだの中の不調」のサインかも
東洋医学の考え方では、たるみの原因は次のようなことが関係しているとされています。
エネルギー不足の「気虚(ききょ)」
気虚とは、からだのエネルギーが不足している状態です。
エネルギーが足りないと、皮膚や筋肉を引き上げる力が弱まり、たるみが進行しやすくなります。
気虚の人は、疲れやすい・風邪をひきやすい・胃腸が弱いといった傾向があります。
血の巡りが悪い「瘀血(おけつ)」
瘀血とは、血流が滞っている状態です。
血の巡りが悪くなると、肌に栄養や酸素が届きにくくなり、くすみや乾燥に悩まされます。
また、瘀血があるとむくみも悪化しやすく、たるみが目立つ原因になります。
水分代謝の乱れによる「水滞(すいたい)」
水滞は、からだの中に余分な水分がたまっている状態です。
顔がむくみやすい・下半身が重だるい・おなかがポチャポチャする感覚があるといった人は、水滞の傾向があるかもしれません。
むくみやすいため、皮膚のもたつきに注意が必要です。
内側からのケアで、たるみに立ち向かう
表面的な対策に加えて、生活習慣の見直しや心身のケアをすることが、たるみ改善への近道です。
食事や睡眠を見直す
たんぱく質やビタミンなど、肌をつくる栄養素を意識して摂りましょう。
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、肌や筋肉の修復が行われます。
毎日の睡眠時間と質を整えることで、肌の回復力をサポートできます。
ストレスをためこまない
ストレスは自律神経を乱し、血流やホルモンバランスにも影響します。
軽い運動や入浴、趣味の時間などで心身のリズムを整えることが、たるみ対策にもつながります。
たるみ対策には漢方薬もおすすめ
ブルドッグ顔の対策には、毎日の睡眠やストレスケアも大切ですが、なかなか難しいこともありますよね。
そんなときには、漢方薬もおすすめです。
漢方薬は、自分の体質に合ったものを選べば、気になる症状だけではなく体質からの根本改善も目指せます。
顔のたるみの改善の場合、以下のような働きをもつ漢方薬を選ぶといいでしょう。
- 血行をよくして肌に栄養をいきわたらせる
- 肌の新陳代謝をよくして紫外線によるダメージを回復する
- 水分の循環をよくして肌に潤いを与える
- ホルモンバランスの乱れを整える
たるみ対策におすすめの漢方薬
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
むくみやすく、冷え症で貧血気味の人におすすめです。
水分代謝を促すことでむくみを解消し、血行を整えて冷え症も改善します。
- 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
疲れやすく汗をかきやすい人におすすめです。
からだの余分な水の排泄を促し、むくみや水太りを解消します。
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まとめ
ブルドッグ顔のたるみは、年齢や筋肉の衰えだけでなく、からだの不調ともつながっています。
気虚・瘀血・水滞といった東洋医学の見方でからだを整えることで、見た目の悩みも根本からケアできるかもしれません。
化粧水やマッサージなど外側からのケアに加えて、内側からのアプローチも取り入れて、若々しさと自信を取り戻しましょう。
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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