「市販の便秘薬を飲んでいるけれど、思ったように効かない」
「毎日飲んでいたらクセになるのでは……」と不安を感じていませんか。
便秘は誰にでも起こる身近な不調ですが、実は便秘にもいくつかのタイプがあり、それぞれに合った薬を選ぶ必要があります。
ここでは便秘のタイプと薬の種類、選び方、そして日常でできる対策までご紹介します。
便秘にはタイプがある
便秘の原因はひとつではなく、タイプによって特徴が異なります。
自分のタイプを知ることが薬を選ぶ第一歩です。
弛緩性便秘
弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)は、大腸の筋肉がゆるんで動きが弱くなり、便をうまく押し出せなくなって起こります。
高齢者や運動不足の人に多くみられ、便が硬くなりやすいのが特徴です。
けいれん性便秘
けいれん性便秘は、大腸が過敏に動きすぎることで、便が細かく分かれたり、途中で止まったりしてしまうことがある状態です。
ストレスや自律神経の乱れが大きく関係し、便秘と下痢を繰り返す人もいます。
直腸性便秘
直腸性便秘は、便意を感じにくくなるタイプです。
直腸に便がたまっても感覚が鈍く、排便がスムーズにいきません。
便意を我慢する習慣や高齢による感覚低下が原因で起こりやすく、残便感が続くのが特徴です。
便秘薬の種類
便秘薬にもいくつかの種類があり、特徴を知ることでより安全に使えます。
刺激性下剤
刺激性下剤は、大腸の粘膜や神経を刺激して腸の動きを強める薬です。
効果が早く、即効性を求めるときに便利ですが、長期的に使うと効きにくくなったり、腸が薬に頼ってしまったりすることがあります。
常用には向かないため、短期間にとどめることが大切です。
浸潤性下剤
浸潤性下剤は、腸の中に水分を引き込み、便をやわらかくして排出しやすくする薬です。
酸化マグネシウム、モビコールなどがあります。
ただし腎臓に持病がある人は注意が必要です。
膨張性下剤
膨張性下剤は、食物繊維のように便のかさを増して腸を刺激する薬です。
自然に近い排便を促せますが、水分をしっかり取らないと逆に便が硬くなることがあるため、併せて水分補給が必要です。
自分に合った便秘薬の選び方
自分の便秘のタイプに合わせて薬を選ぶことが大切です。
間違った薬を選ぶと逆効果になることもあります。
弛緩性便秘に合う薬
腸の動きが弱い場合は、刺激性下剤を一時的に使うことがあります。
ただし長期使用は避け、浸潤性下剤や膨張性下剤を中心にして、腸を自然に動かすサポートをするのがおすすめです。
けいれん性便秘に合う薬
けいれん性便秘では、刺激性下剤は腸のけいれんを悪化させることがあります。
そのため浸潤性下剤で便をやわらかくしたり、ストレスケアを取り入れたりすることが大切です。
直腸性便秘に合う薬
直腸性便秘では、便意を促す坐薬が用いられます。
ただし一時的な対応であり、生活習慣や排便習慣を整えることが根本改善につながります。
薬だけに頼らない便秘対策
便秘は薬に頼るだけでは根本的に改善しません。
生活習慣を見直すことが大切です。
食生活の工夫
野菜、海藻、きのこ、豆類などの食物繊維を意識してとりましょう。
ヨーグルトや納豆など発酵食品も腸内環境を整える助けになります。
また、水分をこまめにとることも忘れずに。
運動で腸を刺激
ウォーキングや軽い体操は、腸の動きを活発にし、便をスムーズに出す手助けをします。
また、腸を動かす腹筋を鍛えるのもいいでしょう。
激しい運動でなくても、毎日の軽い運動が便秘改善に役立ちます。
規則正しい排便習慣
朝は腸が活発に動きやすい時間です。
毎朝トイレに行く習慣をつけると自然な排便が促されます。
便意を感じたらすぐトイレに行くことも大切なポイントです。
健康食品やサプリメントの活用
食生活で不足しがちな栄養や食物繊維を補う方法として、サプリメントや健康食品も役立ちます。
乳酸菌やオリゴ糖入りのサプリは腸内環境を整えるサポートになります。
自分に合ったサプリメントを活用していきましょう。
まとめ
便秘薬を選ぶときは「どのタイプの便秘か」を知ることが大切です。
弛緩性・けいれん性・直腸性とタイプが分かれ、それぞれに合った薬があります。
便秘薬を自己判断で飲み続けるのではなく、必要に応じて医師や薬剤師に相談しながら使いましょう。
また、薬に頼りすぎず、食生活や運動、排便習慣を見直すことで、便秘は根本から改善に向かいます。
サプリメントを取り入れるのも選択肢のひとつです。
「効かない」「クセになりそう」と不安に感じるときは、薬の使い方を見直すサイン。
自分に合った選び方を意識して、快適な毎日を取り戻しましょう。
<この記事の監修者>

中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。大学卒業後、病院薬剤師として勤務。その後、漢方相談薬局にて食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとして腸活ファスティングの魅力に感銘を受ける。
便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みは腸活ファスティングと、深く結びつきがあることを実感。現在は、腸活サポート薬剤師として積極的に発信中。プライベートでは長男と双子姉妹の3人育児に奮闘中。一食一発酵食品を心がけて毎朝のルーティンは納豆と味噌汁!
【今日から腸活】
Instagram:chokatsu_today
X:@chokatsu_today
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)



