トップモデルとして活躍し続ける冨永愛さん。
実は、彼女の美しさの裏には「漢方薬」や「お灸」といった東洋医学のセルフケアがあることをご存知でしょうか?
2024年のインタビューで「冷えは大敵」と語り、葛根湯を常備したり、眠る前には足裏のツボにお灸をすえたりする習慣を大切にしていることを明かしています。(※1)
今回は、冨永愛さんの習慣をもとに、東洋医学による体質改善の考え方と、お悩み別に役立つ漢方薬をご紹介します。
モデル冨永愛が大切にしているセルフケアとは
華やかな仕事の裏で、冨永愛さんが意識しているのは「冷やさないこと」「整えること」。
20代から続けているという東洋医学のセルフケアは、即効性よりも“毎日の積み重ね”を大切にしています。
仕事中の冷えには「葛根湯」
モデルの撮影現場では、薄着や長時間の待機などでからだが冷えがち。
そんなとき冨永さんは「葛根湯」を飲むといいます。
葛根湯は、風邪の初期だけでなく、首や肩のこり、冷えからくる不調にも使われる漢方薬。
眠くなる成分が含まれていないため、仕事中や車の運転前でも安心して服用できます。
寝る前は「お灸」でリラックス
夜のケアタイムには、自分で貼るタイプのお灸を活用。
足裏の「湧泉(ゆうせん)」「失眠(しつみん)」「裏内庭(うらないてい)」といったツボにお灸をすえて、からだと心をゆるめていくそうです。
じんわり温かい刺激でリラックスでき、眠りの質も上がるとのこと。
“頑張らないケア”だからこそ、忙しい日々のなかでも無理なく続けられるのが魅力です。
漢方薬やお灸って、どう効くの?
冨永愛さんが頼りにしている漢方薬やお灸は、からだにどのような作用をもたらすのでしょうか?
東洋医学の考え方から、体質改善へのアプローチをみてみましょう。
漢方薬と体質改善
漢方薬は、単に「症状を抑える」のではなく「不調が起きにくい体質に整えていく」ことを目指します。
たとえば、葛根湯はからだを温め、血の巡りをよくしながら、冷えや肩こり、風邪の初期症状に対応。
また、「水(すい)の巡り」が乱れやすい体質には、五苓散(ごれいさん)という処方が使われることもあります。
五苓散は体内の余分な水分を排出しやすくし、むくみや頭重感、乗り物酔い、さらには天気によって不調が出る「気象病」の対策としても知られています。
東洋医学では、エネルギーや血液・水分のバランスを整えることが、心とからだの健やかさにつながると考えられており、体質や症状に合わせて漢方薬を選ぶのが特徴です。
お灸と体質改善
お灸は、熱の刺激でツボを温め、自律神経や血流などを整える伝統的なケア方法です。
温熱で深部をじんわり刺激することで、副交感神経が優位になり、リラックスモードに。
「お灸をするとよく眠れる」という実感は、こうした働きによるものです。
お悩み別体質改善に役立つ漢方薬
「どれが自分に合っているのかわからない……」
そんな方は、自分の悩みに合わせて選ぶと失敗しにくくなります。
ここでは、30〜50代の女性に多い3つの悩みに寄り添う漢方薬をご紹介します。
生理痛や更年期症状がつらい
生理痛や更年期症状がつらいという人には、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)がおすすめです。
当帰芍薬散は「血(けつ)の不足」「水(すい)の滞り」による不調に使われる処方。
生理痛、月経不順、更年期症状などに幅広く対応し、からだを温めながら婦人科系の機能を高めます。
「手足の冷え」「むくみ」「貧血気味」に悩んでいる人にも向いています。
疲れやすい
疲れやすい人には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が向いています。
「気(き)(エネルギー)」が不足し、からだがだるい・やる気が出ない・すぐ疲れるといった人に用いられる処方です。
とくに、ストレスや多忙で心身のエネルギーを消耗している人に合いやすく、食欲不振や胃腸の弱りにも効果が期待できます。
「朝から元気が出ない」「食欲がない」というような人は、気力を充実させるこれらの漢方薬を取り入れてみるといいでしょう。
むくみやすい
むくみが気になる人は、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)がおすすめです。
からだが重だるい、ぽっちゃりしている、汗をかきやすい、「水(すい)の滞り」が気になる人に使われる漢方薬です。
とくに、体力があまりなく、水太りで汗をかきやすいタイプに合いやすいとされます。
防已黄耆湯は、からだの余分な水分を排出することで、からだの水分バランスを整えてくれる処方。
「汗をかきやすい」「動くとすぐ疲れる」という人の体質改善に役立ちます。
自分に合う漢方薬がわからないときは?
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まとめ
年齢や環境の変化とともに、心とからだの不調は少しずつ積み重なっていきます。
けれど、冨永愛さんのように、自分の感覚を信じて丁寧にケアを重ねていく姿は、私たちにとって大きなヒントになります。
葛根湯で冷えを予防したり、お灸でリラックスの時間をつくったり、自分の体質に合った漢方薬で内側から整えたり——。
どれも派手なことではないけれど、続けるほどに「調子がいい」と感じられるようになるのが東洋医学的なセルフケアの魅力です。
参考文献
(※1)冨永愛「20代から漢方薬を愛用しています」10代から世界で活躍するトップモデルの養生術、30代で体調崩した経験から東洋医学に期待する“メンタルの支え” | 週刊女性PRIME
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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