「なんだか肌がつっぱる」
「化粧水が染みてヒリヒリする」
秋になると、こんな乾燥トラブルに悩まされる人が増えてきます。
とくに年を重ねてくると、これまでと同じスキンケアをしていても物足りなさを感じるようになってきませんか?
実は、肌の乾燥には“からだの中のうるおい力”が深く関係しています。
今回は、秋の乾燥の原因や、東洋医学の考え方を取り入れた「内側からのうるおいケア」についてご紹介します。
秋になると肌が乾燥しやすくなるのはなぜ?
秋は季節の変わり目。
気温や湿度の変化にともない、肌にもさまざまな影響があらわれます。
湿度の低下で肌のバリア機能が弱まる
夏が終わり、空気がひんやりしてくると、同時に湿度も一気に下がります。
空気中の水分が少なくなると、肌の表面からも水分がどんどん蒸発していきます。
その結果、乾燥しやすくなり、肌のバリア機能が弱まってしまうのです。
肌のバリア機能が落ちると、外からの刺激に敏感になります。
いつもは大丈夫だった化粧水が急にしみたり、粉をふくようなカサカサ肌になったりするのは、このためです。
年齢とともに「内側のうるおい力」が低下する
肌の乾燥は、外からの刺激だけが原因ではありません。
年齢を重ねると、からだの内側で水分を保つ力や、うるおいを作り出す力が少しずつ低下していきます。
東洋医学では、これを「陰(いん)」や「血(けつ)」の不足と考えます。
陰とは、からだのうるおいや栄養を指し、これが不足すると肌や喉、髪、目などが乾燥しやすくなります。
また、血は全身に栄養やうるおいを届ける存在で、これが足りなくなると、肌にツヤやハリがなくなり、カサつきや粉ふきが起こりやすくなります。
からだの中のうるおいを支える力が弱ってくることで、肌の乾燥は深刻になっていくのです。
乾燥肌対策は「内側からのうるおい補給」がカギ
外からのスキンケアももちろん大切ですが、同時にからだの内側のうるおいにも目を向けてみましょう。
皮膚の乾燥を防ぐ栄養素と食材
うるおいのある肌を保つには、肌の細胞やバリア機能を支える栄養素をバランスよく摂ることが欠かせません。
とくに意識したいのは、以下のような栄養素です。
- たんぱく質:肌や筋肉、ホルモンなど、からだの土台を作る材料。鶏むね肉、卵、大豆製品、魚などに多く含まれます。
- ビタミン類:ビタミンA・C・Eなどは肌の修復や抗酸化に関与し、乾燥やくすみを防ぎます。緑黄色野菜や柑橘類、ナッツなどに豊富です。
- ミネラル:健康的な肌を作り、ターンオーバーを促進します。海藻類、ナッツ、玄米などに含まれます。
- 食物繊維:腸内環境を整え、栄養の吸収効率を高めます。ごぼう、にんじん、きのこ類、雑穀などに多く含まれます。
- 必須脂肪酸(オメガ3など):細胞膜の主成分で、肌のうるおいを内側からキープする働きがあります。青魚、亜麻仁油、えごま油などがおすすめです。
これらを毎日の食事に少しずつ取り入れるだけでも、肌の乾燥対策として役立ちます。
「食べるスキンケア」という意識で、からだの内側を整えていきましょう。
「血」を補う食材でハリ・ツヤを育てる
さらに東洋医学では、うるおいのある肌を育てるために「血」の充実も大切だと考えられています。
血を補うには、以下のような食材がおすすめです。
- 黒ごま・黒豆などの黒い食材
- レバーや赤身肉
- 緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草、チンゲン菜など)
これらの食材を意識して摂ることで、肌の内側からうるおいを育てる“土台作り”につながっていきます。
からだが整えば、スキンケアの効果もぐんと高まりやすくなりますよ。
秋の肌には漢方薬で根本からのうるおいケアを
食事や生活習慣の見直しと合わせて、漢方薬で根本から対策するのもおすすめです。
秋の乾燥トラブルに対しては、からだの内側からうるおいを補う漢方薬が使われます。
代表的な処方をいくつかご紹介します。
- 当帰飲子(とうきいんし)
皮膚に栄養とうるおいを与えることで、かゆみをやわらげ、乾燥肌や湿疹、かさつきなどに用いられます。
とくに「皮膚が粉を吹く」「夜にかゆくて眠れない」という人におすすめです。
- 温清飲(うんせいいん)
皮膚に栄養とうるおいを与えるとともに、余分な熱を冷ますことで炎症を抑える処方で、皮膚の乾燥や湿疹、手荒れなどに使われます。
皮膚の色つやが悪い人に向いています。
「どれが自分に合うのかわからない」「試してみたいけど選べない」という人は「あんしん漢方」のようなオンライン漢方相談サービスを活用するのもひとつの方法です。
スマホで簡単に体質チェックができ、薬剤師に相談したうえで、自分にぴったりの漢方薬を自宅に届けてくれます。
無理なく続けられる価格帯なので、初めての人にも安心です。
まとめ
秋になると肌の乾燥が気になるのは、空気の湿度が下がることにくわえ、年齢とともに内側のうるおいを保つ力が落ちてくるためです。
こうした変化に対しては、外からのスキンケアだけでなく、内側からの体質改善も意識することが大切です。
今年こそは乾燥肌を根本的に改善していきたいと思う人は、ぜひ「飲んでうるおすケア」を始めてみてください。
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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