「昔はもっと動けたのに」「最近ちょっとの外出でもぐったりする」
このように感じていませんか?もしかすると、それは「フレイル」かもしれません。
フレイルとは、健康と要介護の間にある“心とからだの弱り始め”のこと。
放っておくと、転倒や寝たきりにつながることもあるため、早めに気づいて対策することが大切です。
今回は、フレイルの意味や危険性、予防のための生活習慣やからだの内側からのケアについて、わかりやすくお伝えします。
フレイルとはからだと心の弱りが始まるサイン
まずは、フレイルについて詳しくみていきましょう。
フレイル=まだ元気だけど、ちょっと衰えてきた状態
フレイルとは「まだ介護が必要ではないけれど、少しずつ体力や気力が落ちてきた状態」のことをいいます。
英語の「Frailty(フレイルティ)」が語源で、日本語では「虚弱」や「老衰」などと訳されることもあります。
フレイルのサインは3つに分かれる
フレイルの特徴は、以下の3つに分けられます。
からだの衰え(身体的フレイル)
筋力が落ちて、動くのがつらくなる状態。
歩行スピードが遅くなる、階段を上るのが大変になる、つまずきやすいなどが特徴です。
心の衰え(心理的フレイル)
「やる気が出ない」「気分が落ち込みやすい」など、精神的な元気がなくなってくる状態です。
人とのつながりの減少(社会的フレイル)
外出や会話の機会が減り、人付き合いが少なくなる、家族や友人がいなかったり周りの人の役に立っている感じがしなかったりする状態です。
これらのことに当てはまると、フレイルの可能性があるといわれています。
フレイルを放っておくと、なぜ危険なのか
「まだそこまでじゃないし、放っておいても大丈夫」と思ってしまいがちですが、フレイルはそのままにするとさまざまなリスクがあります。
筋力低下が進み、転倒や骨折につながる
フレイルが進むと、筋肉がやせ細り、足腰が弱ってきます。
その結果、つまずいたり、転倒したりするリスクが高くなるのです。
とくに高齢者では、転倒による骨折がきっかけで寝たきりになるケースも少なくありません。
「ちょっと足がもつれるな」と感じたら、それはからだからのサインかもしれません。
気力も衰え、生活の質が下がる
フレイルはからだだけでなく、心の元気も低下させます。
「出かけるのがおっくう」「人と話すのが面倒」と感じるようになると、活動の機会が減り、ますます気力も体力も落ちてしまうという悪循環に。
このように、放っておくと生活の質(QOL)がどんどん下がってしまいます。
3.フレイル予防は生活習慣の改善がカギ
フレイルは、気づいたときから対策できます。
ポイントは、以下の3つです。
- 栄養: たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品など)をしっかり摂る
- 運動: 無理のない範囲で運動量を徐々に増やしていくことを意識する
- 病気の予防:持病がある人は持病をコントロールする、また感染症にかからないようにすることも大切
「献立に豆腐を追加する」「ラジオ体操をする」など、ちょっとしたことの積み重ねがフレイル予防につながります。
フレイル対策に使われる代表的な漢方薬
フレイル対策には漢方薬の活用もおすすめです。
漢方薬は「身体的フレイル」と「精神・心理的フレイル」に同時にアプローチすることが可能です。
フレイル対策には、「加齢による足腰の衰えを補う」「消化・吸収機能を高めて栄養を全身に届け、心とからだを元気にする」「血流改善によって脳や神経
に栄養を届ける」「自律神経を整え、ストレスによる疲労を減らし、睡眠の質を上げる」といった作用のある漢方薬を選びます。
漢方薬は心とからだの機能の低下に根本からアプローチし、今ある症状の改善だけでなく、健康でいつづけることを目的としています。
フレイル対策として、以下のような漢方薬が用いられます。
フレイル対策におすすめの漢方薬
- 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん): からだを温めることで、泌尿器系や生殖器系の機能を高める。
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう): 胃腸を元気にして、全身に気力を与える。
- 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう): 胃腸の働きを高め、血流をよくすることで体力の回復をサポートし貧血も改善する。
「どれが合うかわからない」というときは、漢方薬に詳しい薬剤師に相談できるサービスを使うのもひとつの方法です。
オンラインで体質診断できる「あんしん漢方」のサービスを活用すれば、自宅にいながら自分に合った漢方薬を始められます。
選んだ漢方薬は自宅に届くので、病院に行くのが難しい人でも大丈夫。
まずはご相談ください。
まとめ
フレイルは、誰にでも起こりうる“老いのサイン”ですが、早めに対策すれば進行を防げます。
「なんとなくからだが重い」「最近気力がわかない」と感じたら、それはからだからのSOSかもしれません。
まずは毎日の食事や運動を見直し、内側からのケアとして漢方薬も取り入れてみてはいかがでしょうか。
元気に歳を重ねるために、今できる一歩を始めてみましょう。
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師|中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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