「最近、関節がこわばる」「なんとなく疲れが抜けない」そんな不調を年齢のせいだとあきらめていませんか?
実はその原因、からだの中で起こっている“隠れた炎症”かもしれません。
この慢性的な炎症は「インフラメイジング」と呼ばれ、加齢だけでなく生活習慣にも関係しています。
今回は、インフラメイジングの正体とその原因、毎日の生活でできる対策について、わかりやすく解説します。
インフラメイジングとは、からだの隠れ炎症
まずは「インフラメイジング」という言葉がどんな意味なのかを見ていきましょう。
目立った症状がないまま体内で進行
インフラメイジングは、体内でじわじわと続く小さな炎症のこと。
「炎症(inflammation)」と「老化(aging)」を組み合わせてつくられた言葉です。
痛みや発熱といったはっきりした症状はないため、自分では気づきにくいのが特徴です。
老化の加速や不調の原因になる
インフラメイジングは、からだの老化やダメージを少しずつ進めてしまいます。
細胞や血管が傷つきやすくなり、老化や病気のリスクが高まるのです。
実際に、アルツハイマー病や心臓の病気、糖尿病、がんといった病気と関係があるといわれています。
インフラメイジングの原因
では、なぜからだの中に炎症がくすぶってしまうのでしょうか?
主な原因は、生活習慣にあります。
加工食品や高脂肪食の摂りすぎ
揚げ物やファストフード、スナック菓子、加工肉などを日常的に食べていませんか?
これらに含まれるトランス脂肪酸や添加物、過剰な糖分は、体内の炎症を引き起こしやすくさせます。
何気なく食べている食事が、インフラメイジングを進行させる原因になるのです。
睡眠不足や強いストレス
夜更かしや不規則な生活、仕事や人間関係による強いストレスも、からだの炎症を悪化させます。
眠りが浅いと、免疫のバランスが崩れて、炎症を抑える働きが弱まってしまうのです。
リラックスできる時間を意識して取ることも、炎症対策には大切です。
運動不足や冷え
からだを動かす時間が少ないと、血流が滞り、老廃物がたまりやすくなります。
また、冷えも血のめぐりを悪くし、炎症が起きやすい状態になってしまいます。
軽い運動や、からだを温める習慣を心がけましょう。
インフラメイジングを防ぐ生活習慣
インフラメイジングは、日々の生活の積み重ねで改善できます。
ここからは、すぐに始められる具体的な対策をご紹介します。
抗炎症作用のある食材を摂る
青魚に含まれるDHA・EPA、トマトやにんじんなどの色の濃い野菜には、炎症をやわらげる働きがあります。
また、発酵食品(味噌、納豆、ヨーグルト)や食物繊維も、腸内環境を整え、免疫の働きを助けてくれます。
バランスよく食べることが、炎症予防の第一歩です。
良質な睡眠とストレスケア
十分な質のいい睡眠をとることが、炎症を抑えるホルモンの分泌につながります。
寝る前はスマホやテレビを控え、部屋を暗く静かに保つようにすると、自然と深い眠りが得られます。
日中はこまめに深呼吸をしたり、好きな音楽を聴いたりするなど、心を落ち着かせる習慣も取り入れてみてください。
からだを温める
温かい飲み物や、湯船につかる習慣も、血行をよくし、からだ全体のめぐりを整える効果があります。
とくに女性や冷えやすい体質の方は、足元やおなかを冷やさないよう意識するといいでしょう。
インフラメイジング対策には漢方薬もおすすめ
生活習慣の見直しに加えて、体質に合った漢方薬を取り入れることも効果的です。
インフラメイジングのような、検査では異常が出にくいはっきりしない不調こそ、心とからだのバランスを整える漢方薬が得意とするところです。
具体的には、血流を改善したり、ストレスをやわらげたりする働きのある漢方薬を選ぶとよいでしょう。
たとえば以下のような漢方薬が使われます。
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血の巡りが悪く、肩こりや冷えのあるタイプに
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):ストレスが強く、眠れない・イライラしやすいタイプに
「どれが自分に合うかわからない」と悩むときは、漢方薬にくわしい専門家に相談するのがおすすめです。
オンライン漢方サービス「あんしん漢方」では、スマホで簡単な質問に答えるだけで、自分にぴったりの処方を提案してもらえます。
自宅にいながら相談・購入までできるので、初めての方や忙しい方でも安心です。
まとめ
インフラメイジングは、年齢や性別に関係なく誰にでも起こりうる、からだの“隠れ炎症”です。
自覚がないまま進行するため、関節痛や疲労感など、あいまいな不調の原因になっていることがあります。
でも、毎日の食事・睡眠・運動などを見直すだけでも、体内の炎症を抑えることは十分に可能です。
さらに、体質に合った漢方薬を取り入れることで、根本からの体質改善にもつながります。
「老化かも」と思っていた不調が、実は改善できると知ることで、からだにもっとやさしくなれるかもしれません。
今日から少しずつ、できることから始めてみましょう。
<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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