「また痛風が出たらどうしよう……」
そんな不安を抱えていませんか?
痛風は一度発作を経験すると、再発のリスクがある病気です。
薬で痛みをおさえることはできますが、根本からからだを整えなければ、また痛みが出てしまうこともあります。
今回は痛風の仕組みと、再発を防ぐための体質改善、そして漢方薬の考え方についてわかりやすくご紹介します。
痛風とはどんな病気?
まずは、痛風がどのように起こるのかを知っておきましょう。
尿酸値が高くなると関節に結晶がたまる
痛風は、血液の中にある「尿酸」が増加し、からだの中にとどまってしまうことで起こります。
尿酸が多い状態が続くと、やがて関節の中で結晶になり、からだが「異物」として反応します。
これが炎症を起こし、足の親指やひざなどが赤く腫れて激しく痛むのです。
発作は突然やってくるのが特徴で「夜中に足がズキズキして眠れない」といったケースも少なくありません。
最初は数日でおさまりますが、何度もくり返すうちに関節の変形や腎臓のトラブルを引き起こすこともあります。
「プリン体」だけが原因ではない
痛風といえば、ビールやレバーなどプリン体を多く含む食べ物を控えるのが定番です。
プリン体がからだの中で分解されて「尿酸」に変わり、この尿酸が痛風の原因になるためです。
ただ、気をつけたいのは「プリン体を減らす」ことだけではありません。
実は、尿酸がきちんと外へ排出できているかどうかも重要なポイントです。
水分が足りなかったり、運動不足や肥満、アルコールの摂りすぎがあったりすると、尿酸の排出がうまくいかずにからだにたまりやすくなります。
つまり、食事だけにとらわれず、生活全体のバランスを整えることが、痛風の再発予防につながるのです。
痛風は「血流」や「代謝」とも深く関係
痛風の根本改善には「尿酸を減らす」だけでなく、血の巡りや代謝にも注目することが大切です。
血流が悪いと尿酸がうまく排出されない
尿酸は本来、大部分が腎臓でろ過されて尿としてからだの外に出ていきます。
ところが血流が滞っていると、腎臓まで十分な血液が届かず、排泄する機能が落ちてしまいます。
冷えがある人、デスクワーク中心で運動不足の人は、血の巡りが悪くなりやすいタイプ。
結果的に、尿酸が体内にたまりやすい環境を作ってしまうのです。
血流を良くすることは、痛風だけでなく、生活習慣病の予防にもつながります。
代謝が落ちると老廃物がたまりやすくなる
ストレス、睡眠不足などで代謝が落ちると、からだの中で老廃物を処理しきれなくなります。
その結果、尿酸などの余分な物質が排出されにくくなり、関節にたまってしまうこともあります。
代謝を高めて血液の巡りを整えることが、痛風体質の改善に欠かせないポイントです。
痛風の再発を防ぐために、できること
日々の生活のなかでも、痛風を遠ざける工夫はたくさんあります。
水分をしっかり摂る
尿酸をからだから出すためには、水分が欠かせません。
目標は1日2~2.5リットル程度。
こまめに水を飲むことで、尿酸をスムーズに排出しやすくなります。
朝起きたときや入浴後など、脱水しやすいタイミングではとくに意識して飲むようにしましょう。
その際はアルコールや糖分が含まれたものは肥満につながるため、無糖のお茶や水を選ぶことが大切です。
食事は“控える”より“整える”
プリン体を「控える」よりも、「整える」意識で食事を見直してみましょう。
野菜や海藻は、尿酸の排泄をスムーズにするといわれています。
そのため外食やコンビニ食でも、サラダや副菜を追加するといった工夫が大切です。
アルコールは尿酸値を上げる大きな原因のひとつのため禁酒することが望まれますが、週に数回休肝日を作るなど無理のない範囲でコントロールしましょう。
痛風体質には漢方薬のアプローチも
薬で痛みを抑えるだけでなく、からだの内側から整えていく――それが漢方薬の得意分野です。
漢方薬は、関節の腫れや痛みの根本からの改善を目指し、高尿酸血症の原因となる肥満にもアプローチして痛風に対処していきます。
関節の腫れや熱っぽさには「茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)」、血流や水分代謝を促して余分な老廃物を排出し、脂質代謝を改善して脂肪の燃焼を促進する「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」が使われることもあります。
「自分にはどれが合うのかわからない」と感じる人は、オンライン相談サービス「あんしん漢方」のように、専門家が体質に合った処方を選んでくれる仕組みを活用すると安心です。
スマホで質問に答えるだけで、自分にぴったりの漢方薬を選んでもらうことができます。
注文した漢方薬は自宅に届くので、忙しい人でも大丈夫。
お気軽にお問い合わせください。
まとめ
痛風をくり返さないためには「尿酸値」だけでなく、「血流」や「代謝」などからだ全体のバランスを整えることが大切です。
水分補給や食事の工夫に加えて、体質に合った漢方薬を取り入れることで、根本からの改善が期待できます。
つらい痛みをくり返さないために、今日から少しずつからだを整える意識を持ってみましょう。
痛風に悩む日々から解放される第一歩は、“自分の体質を知ること”から始まります。
<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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