「最近気分が落ち込みやすい」「やる気が出ない」「朝から疲れている」そんな不調を感じていませんか?
忙しさや年齢のせいと思ってそのままにしていると、気づかないうちに心とからだのバランスが大きく崩れてしまうこともあります。
もしかすると、その不調は「男性の更年期うつ」かもしれません。
今回は、自覚しにくい“なんとなく不調”の正体と、からだを整えるためのケア方法、漢方薬という選択肢についてご紹介します。
男性にもある「更年期うつ」とは?
「更年期」といえば女性のイメージが強いかもしれませんが、実は男性にも訪れるものです。
男性ホルモンの減少が影響
男性ホルモン(テストステロン)は、筋肉や性機能だけでなく、意欲や自信といった“気持ちの強さ”にも関わる大切なホルモンです。
このホルモンは20代をピークに少しずつ減っていくといわれており、50〜60代になると、その影響があらわれやすくなります。
さらにこの年代は、家庭や仕事でも責任が重くなる時期。
ストレスの多さも重なり、「なんとなくやる気が出ない」「気分が晴れない」といった精神的な不調を感じることがあります。
こうした変化は誰にでも起こるものですが、見た目ではわかりにくく、本人も「年齢のせい」と思ってやり過ごしてしまいがちです。
自律神経の乱れも関係
ホルモンのバランスが崩れると、自律神経にも影響が出ます。
自律神経は、呼吸や血圧、体温調整などを無意識にコントロールしており、ここが乱れると心身ともにさまざまな不調が出てきます。
たとえば、「眠れない」「食欲がない」「だるさが抜けない」といった症状は、自律神経の乱れが背景にあるかもしれません。
更年期うつの症状とは?
「なんとなく調子が悪い」という感覚の裏には、精神面・身体面の両方の変化が関係していることがあります。
ここでは、よくみられる更年期うつの症状を見ていきましょう。
精神的な症状
男性の更年期うつでは、以下のような心の不調があらわれやすくなります。
- 気分が沈みやすくなる
- イライラしやすくなる
- 集中できなくなる
- 忘れっぽくなる
これらは、単なる「疲れ」や「性格のせい」として片付けられがちですが、実際にはホルモンや神経のバランスが崩れているサインかもしれません。
身体的な症状
心の不調と同時に、次のような身体的な変化を感じる人も多くいます。
- 筋力が低下したと感じる
- 汗をかきやすくなった
- 頭痛・めまいがする
- よく眠れない
- 性欲が低下した
これらの症状が続くと、気持ちまでふさぎこんでしまい、悪循環に陥ってしまいます。
更年期うつのセルフケア方法
「病院に行くほどではないけどつらい」と感じるときは、自宅でできるセルフケアから始めてみましょう。
生活を整えるだけでも、心とからだは少しずつ変化していきます。
食事・睡眠・運動の見直し
毎日の生活リズムを整えることは、自律神経の安定にもつながります。
とくに以下のポイントを意識してみましょう。
- 食事:良質なたんぱく質やネバネバ食材を意識して摂る
- 睡眠:毎日同じ時間に寝起きする、スマホを寝る前に見ない
- 運動:軽いウォーキングやストレッチを習慣にする
納豆や山芋などの「ネバネバした食材」は男性ホルモンを増強するといわれています。
無理なく取り入れられる範囲で始めることが大切です。
自分と向き合う時間を作る
気分が落ち込んだり、モヤモヤしたりするときは、自分の気持ちと静かに向き合う時間を持つことも大切です。
家族や信頼できる人に話を聞いてもらうのもいいですし、言葉にしにくいときは、ノートやスマホに思ったことを書き出してみるのもおすすめです。
「なにがつらいのか」「本当はどうしたいのか」といった気持ちを整理するだけでも、心が少し軽くなることがあります。
毎日数分でも、自分のための時間を作ってみてください。
からだのバランスを整える漢方薬という選択肢
「原因がはっきりしないけどつらい」そんな心とからだの不調におすすめなのが、漢方薬です。
漢方薬は、心とからだ全体のバランスを整えることで不調の根本改善を目指します。
たとえば、次のような漢方薬が更年期うつのサポートに使われています。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
不安や緊張感が強く、動悸や不眠が気になる人に。
ストレスによる自律神経の乱れにも働きかけます。
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
腰痛、しびれ、足腰の冷え、夜間頻尿がある人に。
からだを内側から温めて泌尿器系や生殖器系の機能を高めます。
漢方薬は人それぞれの体質に合わせて選ぶことが大切です。
「自分にどれが合うかわからない……」という場合は、薬剤師にオンライン相談できる「あんしん漢方」のようなサービスを利用すると、より安心して始められます。
注文した漢方薬は自宅に届くので、忙しい人でも漢方薬を継続しやすいのがポイントです。
まとめ
40〜50代の男性に見られる「なんとなくつらい」「気分が落ちる」といった不調は、更年期うつの可能性があります。
ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れが背景にあり、心とからだの両方に症状が出るのが特徴です。
生活習慣の見直しや、話す・書くといった心のケアに加えて、からだ全体のバランスを整える漢方薬という選択肢もあります。
「病院に行くほどじゃない」とがまんせず、自分の不調と向き合い、できることから整えていきましょう。
その第一歩が、未来のあなたをきっとラクにしてくれるはずです。
<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師|中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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